『社会科学研究』第58巻第5・6合併号

コンビナート・ルネッサンスの意義と展望
Significance and Outlook of Complex Renaissance in Japan
橘川武郎/KIKKAWA Takeo

Keywords: コンビナート・ルネッサンス, 石油コンビナート高度統合運営技術研究組合(略称RING), 石油精製企業, 石油化学企業, 国際競争力,

抄録

 本稿の課題は,「コンビナート・ルネッサンス」と呼ばれ,国際競争力強化策として期待が高まる,日本のコンビナートにおける企業間連携の今日的意義を,石油精製企業および石油化学企業の経営戦略と関連づけて解明することにある.コンビナート高度統合の経済的意義は,(1)原料使用のオプションを拡大することによって,原料調達面での競争優位を形成すること,(2)石油留分の徹底的な活用によって,石油精製企業と石油化学企業の双方が,メリットを享受すること,(3)コンビナート内に潜在化しているエネルギー源を,経済的に活用すること,の3点に求めることができる.高度統合の意義は,「懐の深い」コンビナートの構築にあると言える.この「懐の深さ」は,日本のコンビナートにおいて,すでにある程度実現されている.しかし,それを最大化するためには,石油精製企業や石油化学企業のあいだにおける連携や統合を本格的に進展させることが必要である.具体的には,(1)同一コンビナート内で,リファイナリーとケミカルプラントとの統合だけでなく,リファイナリー同士の統合やケミカルプラント同士の統合も進めること,(2)同一コンビナート内の連携・統合だけでなく,コンビナート間の連携・統合にも取り組むこと,などが大きな意味をもつのである.

abstract

The purpose of this paper is to make clear the significance and outlook of the so-called "Complex Renaissance" in Japan. Research Association of Refinery Integration for Group-Operation (RING), established in 2000, has promoted the first step program (RING I) in 2000-2002 and the second step (RING II) in 2003-2005, and started the third step (RING!). This paper analyzes the contents and problems of RING III developing in Kashima, Chiba, and Mizushima Complex. In complex renaissance, not only integration of refinery and chemical equipments, but also refinery-refinery integration or chemical-chemical integration plays an important role. In addition, it is possible that equipments integration evolves into companies integration. Complex renaissance has a great significance making the international competitiveness of the Japanese petroleum and chemical industries stronger.

社會科學研究 第58巻 第5・6合併号(2007-03-28発行)

(更新日: 2012年 11月 2日)

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