『社会科学研究』第61巻第3・4合併号

地方都市の土地利用の動向と都市法制の方向 : 新潟市を例に
Land use tendency in the Japanese local city and the course of urban planning law : a case of Niigata City
寺尾仁/TERAO Hitoshi

Keywords: 都市法, 土地利用, 中心市街地, 郊外, ネットワーク

抄録

 地方都市に有効な都市計画制度を築くことを目的として, その前提となる土地利用の動向を, 新潟市を例にとって分析する. 同市において, 中心市街地では, 人口の微増が続く中, 大規模商業・ビジネス機能が衰退する一方で, 趣味性の高い業種の起業受容機能は順調に働いている. 郊外部では, 全体として人口が減る中で, 一部に芸術家や手工芸職人が集中して空家に移住している地域やワイナリーの成長により建築物の建築と農地の利用増進が並行して進む地域がある. 土地利用の転換に対して, 中心市街地では新たな道路整備はさほど寄与せず, 地理的にある程度近くにいる若手経営者同士のネットワークが起業受容のインフラストラクチュアを成している. 郊外部では既存の道路の効果はあるがそれに加えて, 集落に転入を促す多様な人間関係が欠かせない. 都市法制は, 一方では全般的に建築可能な空間を減らしつつ, 他方では小規模な開発を促す計画・事業・資金制度を設ける方向で組立てることが望まれる.

abstract

We analyse land use tendency of Niigata City for the purpose of constructing the new urban planning law, which is effective for the local city. Its central district has slightly increasing population. For the land use, it loses big retail shops and business but accepts small shops which sell strong tastes goods. In suburb areas, generally they lose populations. A village gains young artists and craftsmen and winery areas besides transform agricultural products and land use nearby. In those two areas, classic infrastructure is no longer effective, but social network drawing the new comers is very important for the land use transformation.

社會科學研究 第61巻 第3・4合併号(2010-03-10発行)

(更新日: 2012年 11月 2日)

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