『社会科学研究』第61巻第5・6合併号

地域経済活性化とネットワーク形成 : 釜石からのメッセージ
Community Based Economic Renaissance and Network Formation : Messages from Kamaishi City
橘川武郎/KIKKAWA Takeo

Keywords: 希望学釜石調査, 地域経済の振興, キープレーヤー, ネットワーク形成, 外部需要の呼び込み,

抄録

 希望学釜石調査は, ①ローカル・アイデンティティの再構築, ②希望の共有, ③地域内外でのネットワーク形成, という3つの要素が地域における希望の再生にとって不可欠であることを明らかにした. 本稿の課題は, このうちの③にかかわる2つ論点を掘り下げることにある. 第1は, 釜石におけるネットワーク形成はどのような問題に直面しているか, という論点である. ここでは, キープレーヤー間の連携強化およびネットワークの広域化が必要であることを明らかにする. 第2は, ネットワークを広域化するうえで大きな意味をもつインフラストラクチャの整備をいかに進めるか, という論点である. ここでは, 三陸沿岸地域を縦貫するリアス・ハイウェイを建設することの意義に光を当てる. これらの検討をふまえて, 本稿では, 全国各地の地域経済活性化の取組みに適用することができる, 釜石発のメッセージを導出する. それは, (1)インフラ整備による外需の呼び込み, (2)広域ブランドと結合した地域ブランドの確立, (3)若い世代とリスクテーカーとの連動, の3点にまとめることができる.

abstract

A comprehensive research in Kamaishi City based on "Social Sciences of Hope" by Institute of Social Science, University of Tokyo made clear three indispensable factors for reproducing hope in local community; local identity, common hope, and widespread network. This paper focuses on the third factor, widespread network, and to examine bottle necks of Kamaishi City's local network and significance of infrastructures (for example, Sanriku Rias Coast Highway) as prerequisites for formation of the network. The author has already published a couple of discussion papers on the points at issue. Introducing the contents of the publications, this paper extracts three significant implications from Kamaishi City's local network as follows; (1) calling in outside demands through equipment of infrastructures, (2) establishment of a local brand connected with a wide area brand, and (3) cooperation between young generations and wealthy risk takers.

社會科學研究 第61巻 第5・6合併号(2011-03-24発行)

(更新日: 2012年 11月 2日)

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