『社会科学研究』第63巻第1号

バブルと技術選択
Asset Bubbles and Technology Choice
松岡多利思,柴田章久/MATSUOKA Tarishi,SHIBATA Akihisa

Keywords: バブル, 信用制約, 技術選択, 世代重複モデル, バブルの罠,

抄録

 本稿では,信用市場の不完全性を考慮したMatsuyama (2007) のモデルにバブル資産を導入することにより,バブルの存在条件を明らかにするとともに,バブルの存在が経済発展に対して及ぼす影響について分析を行う.主要な結果は以下の通りである.(1)バブルのない定常状態における利子率が人口成長率を上回っていたとしても,信用制約が存在するためにバブル資産が正の価格を持つ定常均衡が存在する可能性がある.(2)バブルが存在しなければ,長期的には高い生産性を持つ生産技術が必ず採用され,高所得定常状態を達成できる経済において,バブルが存在する場合には,生産性の高い技術の選択が妨げられ,その結果,経済が低所得均衡に留まってしまう可能性がある.

abstract

This paper introduces a bubbly asset into the Matsuyama (2007) model with multiple technologies and shows that in the presence of credit constraints there can exist bubblyequilibria even when the equilibrium without bubbles is dynamically efficient. Moreover,it is shown that bubbles may prevent adoption of the technology with higher productivity and thereby lead the economy to a low income steady state.

社會科學研究 第63巻 第1号(2011-11-01発行)

(更新日: 2012年 11月 2日)

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