『社会科学研究』第68巻第1号

現代国家責任法論の課題-二つの現代国家責任法論とそれを分かつもの-
An issue to be surveyed in discussions on the modern law of state responsibility
開出 雄介/KAIDE Yusuke

Keywords: 国家責任法 権利侵害 損害 主観的/客観的責任追及 従来の責任法

抄録

現代国家責任法論においては、第一に、権利侵害が、物質的・精神的損害に加えて違法行為そのものによって生じる法的損害をも含むのか、第二に、そこにおいて主観的な責任追及に加えて客観的な責任追及が認められるかという、とりわけ重要と思われる二つの論点がある。本稿は、これら二つの論点を巡って対立している、ジェームズ・クロフォード(James Crawford)とブリジット・シュテルン(Brigitte Stern)による現代国家責任法論を紹介し(第一章)、両説の間に存在する差異が何に由来するものか、両説の議論構造を分析することを通じて検討し(第二章)、現代国家責任法論の課題の一つが、従来の責任法とは何だったのかという点についての検討にあることを明らかにしようとするものである。

abstract

James Crawford and Brigitte Stern are both high-profile writers on the modern law of state responsibility and present different views over two essentially important issues. This article introduces and analyzes their theories and then examines why there are such differences between these two theories in order to find an issue which is to be surveyed. It concludes that we have to discuss what was the traditional law of state responsibility to disentangle discussions about modern law of state responsibility.


社會科學研究 第68巻 第1号(2017-03-17発行)

(更新日: 2017年 3月 17日)

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