所員の著書

東京大学社会科学研究所・大沢真理・佐藤岩夫(編)
『ガバナンスを問い直すⅠ・Ⅱ』
(東京大学出版会, 2016年11月)

2016.11.30更新

ガバナンスを問い直すⅠ――越境する理論のゆくえ 目次
「ガバナンスを問い直す」刊行にあたって
「ガバナンスを問い直すⅡ――市場・社会の変容と改革政治」目次

序 論 ガバナンスを問い直す――なにが問題か(大沢真理)

1.はじめに
2.プロジェクトの基本構想
 2.1 基本構想の決定過程
 2.2 2つの視角
 2.3 先行研究からの発展として
 2.4 独自の視角
3.研究セクションごとの定義
 3.1 「生活保障システムとグローバル経済危機」
 3.2 「市場・企業ガバナンス」
 3.3 「ローカル・ガバナンス」
 3.4 研究プロセスの特徴
4.第Ⅰ巻の内容

第I部 ガバナンスとは何か

第1章 政治思想史におけるガバナンス(宇野重規)

1.はじめに
2.「ガバナンス」の歴史的起源
3.「統治」の浮上
4.18~19世紀における転換
5.「マネジメント」の時代
6.ガバナンス概念の再登場
7.おわりに

第2章 経済ガバナンスの目的と手段(加藤 晋)

1.はじめに
2.効率性と市場機構
 2.1 資源配分と効率性
 2.2 経済計算論争を超えて
3.ガバナンスの目的
 3.1 三つの評価基準と功利主義原理
 3.2 正義に適ったガバナンス
4.ガバナンスの手段
 4.1 自生的秩序とガバメント
 4.2 ガバナンスの手段の間での選択
5.ガバナンスにおける道徳感覚の役割
 5.1 市場と道徳感覚
 5.2 道徳感覚の形成と崩壊
6.おわりに

第3章 ガバナンス・アプローチとEU研究(平島健司)

1.はじめに
2.ヨーロッパ・ガバナンス研究の登場
3.政策形成研究とガバナンス・アプローチ
4.EUとガバナンス・アプローチ
5.おわりに

第II部 なぜガバナンスか

第4章 企業統治と法制度の役割――会社法制を中心に(田中 亘)

1.はじめに
2.会社法の存在意義について――本章の問題意識
3.第三者と関係の規律
4.「標準書式」としての会社法
 4.1 「標準書式」として会社法という説明
 4.2 「「標準書式」として会社法」観に対する疑問
5.長期の会社関係に適応するための会社法
 5.1 はじめに
 5.2 長期の会社関係を定款のみで規律することの問題点――特にルールの変更について
 5.3 国によるルールの設計・調整の可能性
 5.4 強硬法規の存在意義
 5.5 国の能力と会社法のパフォーマンス評価
6.抽象的規範の具体的事例への適用
 6.1 抽象的規範の役割について
 6.2 不完備契約との関係
7.おわりに

第5章 歴史の中のガバナンス(五百旗頭薫・宇野重規)

1.はじめに
2. 世界史の中のガバナンス
 2.1 身分制社会――循環する美徳と情念
 2.2 近代国家――不仲な双生児、利益とイデオロギー
 2.3 ガバナンス――希望
3.近代日本史の中のガバナンス
4.おわりに

第6章 参加と協働に潜む葛藤――地域における福祉ガバナンス(朴姫淑)

1.はじめに
2.地域における福祉ガバナンス論
 2.1 ガバナンスと福祉ガバナンス
 2.2 行政改革と福祉ガバナンス
 2.3 参加と福祉ガバナンス
3.福祉ガバナンスにおける分析視点
 3.1 5つの分析視点
 3.2 福祉ガバナンスの行為主体
4.福祉ガバナンスにおける協力と葛藤
 4.1 秋田県旧鷹巣町の福祉政策
 4.2 行為主体間の協力と葛藤の様態
 4.3 行為主体間の協力と葛藤の要因
5.おわりに

第III部 ガバナンスで捉える

第7章 「再生産」とガバナンス――政治社会学から(武田宏子)

1.はじめに
 1.1 「unknown known」としての「再生産」
2.「再生産」への理論的アプローチ
 2.1 「再生産」の機能的3側面
 2.2 資本主義経済システムと再生産の矛盾――ポランニから批判的政治経済学へ
 2.3 「統治性」の展開――国家の「govermentalization」
3.日本における「再生産」のガバメント・システムと日常生活の再構成――その構築と動揺
 3.1 人口問題から家族計画へ――「民主化」されたに日本の「幸福な」家族
 3.2 高度自由主義的資本主義社会日本の日常――共働き型家族の再生産
4.おわりに――「再生産」の回復にむけて

第8章 世代間問題とガバナンス(佐々木弾)

1.はじめに
2.既存のガバナンス概念
3.関連する他概念との類似点・相違点
4.ガバナンス各論、およびそれらの共通点
5.ガバナンスの陥穽
6.民主的ガバナンスの罠――例題1
7.法の世代間外部(不)経済――例題2
8.まとめ
9.おわりに

第9章 ガバナンス(論)における正統性問題(藤谷武史)

1.はじめに――本章の課題設定とその正当化
2.「ガバナンス」の暫定的位置づけ
 2.1 「国家による統治」の相対化現象としての<ガバナンス>
 2.2 「国家=公共的課題解決の単位」の相対化としての<ガバナンス>
 2.3 「ガバナンス」の典型例としてのグローバル・ガバナンス
3.統治の実践的規整原理としての<正統性>と「ガバナンス(論)」
 3.1 統治と<正統性>の関係
 3.2 ガバナンスの<正統性>を論じる意味と方法
4.おわりに――暫定的結論と残された課題

あとがき――プロジェクトの発足を振り返って
索引
編者・執筆者紹介


ガバナンスを問い直すⅡ――市場・社会の変容と政治改革 目次
「ガバナンスを問い直す」刊行にあたって
「ガバナンスを問い直すⅠ――越境する理論のゆくえ」目次

第I部 家族・生活・地域

第1章 家計生産のガバナンスと社会の均衡――「家事分担に関する妻の選好」を例に(不破麻紀子)

1.はじめに
2.「家族」とガバナンス
 2.1 ガバナンス論における家計生産・分配
 2.2 分析単位――世帯か、個人か
3.家事分担の要因
 3.1 ミクロ的要因――個人・世帯属性
 3.2 マクロ的要因――社会的文脈
4.選好の形成
 4.1 多次元的な「権力」
 4.2 ニーズと選好
 4.3 「選好」形成プロセスの多様性
5.データと分析方法
6.分析結果
7.おわりに

第2章 日本における女性就業の地域差(安部由起子)

1.はじめに――背景
2.女性就業率の時系列変化
3.コーホートプロファイル
4.産業別就業率の回帰分析
5.分解
6.おわりに――結論

第3章 多極化する都市空間のガバナンス――境界を開く法の役割(高村学人)

1.はじめに
2.ビジネス改善地区とは何か
 2.1 その法的側面
 2.2 パフォーマンスの高さ
 2.3 ビジネス改善地区への批判
3.行政契約を通じたBIDへの統制――ニューヨーク市のGrand Central Partnershipの実例
 3.1 ニューヨーク市のBID制度
 3.2 Grand Central Partnership事件とBIDの法的性質
 3.3 行政契約によるガバナンス
4.会議の公開を通じた民主主義的統制――サンフランシスコ市の実例
 4.1 サンフランシスコのCBDの仕組み
 4.2 区域拡大に伴う課題――前提としての同質性
 4.3 共同事務化に伴う課題――強制と自発性の二律背反
5.おわりに――多極的ガバナンスにおける法の役割

第4章 災害と民主主義・多様性――リスク・ガバナンスの3次元理論に向けて(スティール若希)

1.はじめに
2.リスク・ガバナンス――新しい概念、批判的民主主義にもとづく新しいアプローチ
3.災害研究――脆弱性分析の貢献と限界
4.多様性と複雑な政治的アイデンティティ――フェミニストの交差性論からの知見
5.民主主義理論――シティズンシップの批判的理論による貢献
6.リスク・ガバナンスの批判的かつ学際的なアプローチにむけて
7.結論

第II部 企業・市場

第5章 株主価値最大化がもたらすもの――労使関係論から(南雲智映・中村圭介)

1.はじめに
2.当事者
 2.1 企業と2つの投資ファンド
 2.2 労働組合
3.業界動向とZ社による収益獲得
 3.1 業界の景況
 3.2 業界トップ3の経営状況
 3.3 Z社の財務状況
4.不当労働行為と給与水準の停滞――第1の投資ファンド
 4.1 特徴
 4.2 夏期一時金
 4.3 冬期一時金
 4.4 使用者責任の追求
 4.5 第2組合の結成
 4.6 労働組合の反撃
 4.7 和解
 4.8 停滞する給与水準
5.組合軽視と人件費の削除――第2の投資ファンド
 5.1 特徴
 5.2 人事考課制度・賃金制度の決定
 5.3 給与カット
 5.4 組合活動への介入
 5.5 賃金水準の低下
 5.6 一時金の低下
 5.7 退職者の増加
6.おわりに

第6章 経済政策のガバナンスとは――構造改革は事態を悪化させた(大瀧雅之)

1.はじめに――市場経済の理論と現実
2.「専制的資本主義」の起源――誰のための「自由放任」か?
 2.1 「富裕層」のための「疑似的自由放任主義」――「バブル経済期」における金融政策から学ぶ
 2.2 「疑似的自由放任政策」はつねに「民営化」を意味するか――新銀行東京を例として
 2.3 経済的機会不均等の拡大――対外直接投資と国内労働市場規制緩和の帰結
3.日本の市場経済と民主主義の危機――「疑似的自由放任主義」は私有財産権の侵害である
4.なぜ「専制的資本主義」は支持されるのか?
 4.1 無秩序な情報の氾濫は「専制者」を欲する
 4.2 経済政策論議におけるポピュリズムの台頭
 4.3 空虚な「戦後民主主義」への幻滅
5.おわりに――結論

第III部 改革政治

第7章 イギリスにおける政権交代と福祉ガバナンスの変容(今井貴子)

1.はじめに――福祉ガバナンスの境界線
2.経済・社会変動とガバナンス再編「二つの波」
 2.1 ケインズ・ベヴァリッジ型福祉国家の限界と新しい社会的リスク
 2.2 ガバナンス再編「第1の波」
3.1997年の政権交代と「第2の波」
 3.1 新たな課題設定
 3.2 中央政府への権限の巻き戻し
 3.3 分権化――市場とコミュニティ
 3.4 福祉ガバナンスの新たな局面
4.事例分析――シュア・スタート
 4.1 就学前乳幼児への包括的な公的支援
 4.2 子育て支援をめぐる政策アイディアのインプット
5.ガバナンス構想――連携政府の形成と家族をめぐる境界線の移動
 5.1 連携政府の実践
 5.2 実施過程での分権化
 5.3 管理された福祉多元主義
6.おわりに

第8章 消費税増税と日本のガバナンス(グレゴリー・W・ノーブル)

1.はじめに
2.ガバナンスと予算編成
3.外国で成功した財政再建の手法の日本への導入を妨げる要因
4.政治指導部――党と政治家の目標順位
5.不安をかきたてる見通し
6.おわりに――結論

第9章 「政治の司法化」とガバナンス(佐藤岩夫)

1.はじめに
2.世界的な「政治の司法化」
 2.1 「政治の司法化」(judicialization)
 2.2 「政治の司法化」の規定要因
3.英国におけるニュー・ガバナンスと「政治の司法化」
 3.1 ビーヴァのガバナンス論
 3.2 ブレア政権の憲法改革・司法改革――英国における「政治の司法化」
4.「政治の司法化」の日本的文脈
 4.1 司法の非政治性――最高裁の違憲判決の少なさ
 4.2 近年の変化の兆し――司法制度改革、最高裁の積極化、内閣法制局の後退
5.マクロ・ガバナンスとミクロ・ガバナンスの連結――結びにかえて

総括 本プロジェクトの意義と拓かれた課題(大沢真理・佐藤岩夫)

1.はじめに
2.第Ⅱ巻の内容
3.本プロジェクトの成果の意義
4.本プロジェクトが拓いた課題
5.これまでの全所的プロジェクト研究と本プロジェクト

あとがき
索引
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