東京大学社会科学研究所

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研究

所員の著書

井手英策・宇野重規・坂井豊貴・松沢裕作
『大人のための社会科――未来を語るために』
(有斐閣, 2017年9月)

2017.11.7更新

大人のための社会科

序 社会をほどき,結びなおすために――反知性主義へのささやかな抵抗

思考停止の社会

大人のための「教科書」

本書の構成

第1部 歴史のなかの「いま」

第1章 GDP――「社会のよさ」とは何だろうか(坂井)

経済成長とは何のこと

すべての付加価値は好ましいか

GDPに代わるもの

ブータンの国民総幸福量

よさを測る

数値の目的化

第2章 勤労――生きづらさを加速させる自己責任の社会(井手)

生きのこった「勤労」の概念

「勤労国家」の誕生

経済成長と自己責任の社会

歴史的な賃金の下落圧力

袋だたきの政治と将来不安

第3章 時代――時代を分けることと捉えること(松沢)

時代の分け方

日本史の時代区分論争

発展段階論はなぜ生まれたか

時代区分は必要か

社会の変化を捉えるために

第2部 〈私たち〉のゆらぎ

第4章 多数決――私たちのことを私たちで決める(坂井)

多数決とは何だろうか

三択以上で起こる「票の割れ」

多数決ではない選挙のやり方

決め方で変わる結果

間接選挙と直接選挙

多数決の「正しい使い方」

〈私たち〉という意識

多数決と憲法

第5章 運動――異議申し立てと正統性(松沢)

安保関連法案と抗議行動

民主主義社会における運動

運動と正統性

正統性のゆらぎ

正統性のすり替え

結びつくことの難しさ

第6章 私――自分の声が社会に届かない(宇野)

18歳選挙権とSEALDs

〈私たち〉問題

社会問題の個人化

「個人主義」の思想史

「個人主義」の現代的展開

〈私たち〉の民主主義は可能か

第3部 社会を支えるもの

第7章 公正――等しく扱われること(坂井)

古代バビ口二アのユダヤの教え

等しいものを等しく

公正な票数

公正な課税

公正に扱われたいという感情

第8章 信頼――社会を支えるベースライン(宇野)

「渡る世間に鬼」はいないか

信頼の低い日本社会

「安心社会」から脱却できない日本?

「信頼」とは何か

新たな信頼社会の構築へ

第9章 ニーズ――税を「取られるもの」から「みんなのたくわえ」に変える(井手)

困っている人を助けるのはよいことか

人間はどうして助け合うのか

二ーズとは何か

どのようにニーズを満たすのか

第4部 未来を語るために

第10章 歴史認識――過去をひらき未来につなぐ(松沢)

過去を共有する

アーカイブズの役割

近代国家とアーカイブズ

アーカイブズにできること

事実の解釈

歴史認識問題の二つのレベル

第11章 公――「生活の場」「生産の場」「保障の場」を作りかえる(井手)

「公」、そして「公共性」という言葉

public financeとしての財政

縮減の時代に起きたこと

地域の発展と企業の発展を結びつける

過疎地域で起きつつあること

三つの場を鋳なおす多様性の時代

第12章 希望――「まだ―ない」ものの力(宇野)

「希望」が語られる時代

「まだない」ものと希望

オバマの「希望」

「第二の近代」と希望

希望と社会科学

あとがき 大人のための社会科、その産声に込められた願い
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