社研セミナー

社会保障給付の資格認定と委任—要介護認定の行政学的分析
荒見玲子(社会科学研究所)

日時:2014年 2月4日 14時50分-16時30分
場所:センター会議室(赤門総合研究棟5F)

報告要旨

 世界一の少子高齢化と、財政赤字が著しい日本において、限られた資源の福祉プログラムを通じた分配を実質的に誰が治め、どのように行われているのかという、社会保障給付の資格「認定」の政治的行政的メカニズムへの着目は肝要である。本報告では、介護保険制度における要介護認定に着目する。要介護認定制度は日本における様々な社会保障給付の資格「認定」の中で、他の形態と比較し、要介護認定は認定、すなわち受給希望者のカテゴリー化を行う際に、そのプロセスの「分業」と「委任」を義務付けられているという制度的な特徴があると捉えることができる。このような制度デザインとその帰結を明らかにする試みは蓄積が少ない上に、社会福祉供給論、政策実施論、福祉国家論、ガバナンス論と様々な研究領域への貢献があると考えられるからである。

 報告は3つのパートから構成される。第一に、第一線職員である認定調査員による、クライアントである調査対象者や行政の担当者との三者関係の中での、調査対象者の情報収集とその伝達のあり方である。第二に、合議制の専門家の集まりである認定審査会による、その専門性と委嘱元の行政との間の二者関係の間での判断形成のあり方である。第三に、このような福祉国家の資格「認定」という権力行使がその場面に立ち会った申請者の家族に与える影響である。この3点について、インタビュー調査、アンケート調査等を主に使いながら実証的に明らかにする。

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