社研セミナー

「日本における死刑と厳罰化の犯罪抑止効果の実証分析」
村松 幹二(駒澤大学経済学部)

日時:2017年7月11日 15時00分-16時40分
場所:センター会議室(赤門総合研究棟5F)

報告要旨

 殺人、強盗殺人などの凶悪犯罪は1990年代後半から増加し、2000年代前半から減少、現在は1990年代以下の水準となっている。同時期に死刑判決も増減したが、2010年以降は時効の廃止や裁判員裁判による死刑判決など制度の変容が見られる。
 村松幹二、デイビッド・ジョンソン、矢野浩一「日本における死刑と厳罰化の犯罪抑止効果の実証分析」(『犯罪をどう防ぐか』岩波書店シリーズ「刑事司法を考える」第6巻、2017)では、警察大学校・警察政策研究センターの協力を得て1990年から2010年前半までの月次データを入手し、構造ベクトル自己回帰分析(VAR)を使って死刑判決、死刑執行、法制度改正が殺人、強盗殺人・致死認知件数に与える影響を分析した。その結果、①この期間において、死刑判決人数、死刑執行人数の増減は殺人、強盗殺人・致死に対して有意な抑止効果は見られなかった。②時効の延長及び有期刑の上限の延長という法改正による厳罰化は強盗殺人・致死に対する抑止効果が見られた。
 本報告では、近年の殺人事件、判決・死刑執行の動向、国内外の研究の動向を見たうえで、上記の分析結果の意義を多面的に検討し、今後の研究のあり方について広く議論したい。

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