東京大学社会科学研究所

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研究

グループ共同研究

グループ共同研究とは

 グループ共同研究とは、所員が核となり、所内外の研究者によって構成される研究グループがおこなう共同研究です。

 グループ共同研究には、主として同じ専門領域(法律学、政治学、経済学、社会学など)の研究者によって組織されるものと、専門領域の枠を超えた研究者によって組織されるものとがあり、また、共同研究の成果のとりまとめの方法や時期について比較的具体的な目標をもったプロジェクト型、研究者間の持続的な意見交換・情報交換に主眼をおく研究交流型、両者の混合型など、さまざまな性格のものがあります。

 これらのグループ研究にたいしては、研究所としてのさまざまな支援が与えられることになっています。

グループ共同研究一覧

非対称同盟研究会 (2023~)

代表者:保城 広至

 米国を中心とした、世界の非対称同盟(日米同盟、トルコ・米同盟など)についての理論的・計量的・歴史的総合研究をおこなうことを目的としている。

教育経済学研究会 (2021~)

代表者:田中 隆一

 子どもの人的資本形成過程の中でも特に初等中等教育に焦点を当て、教育制度や教育政策が人的資本形成に与える効果を因果推論に裏打ちされた政策評価方法を適用することで実証的に明らかにすることを目的とする。この目的を達成するために、文部科学省の全国学力・学習状況調査の児童生徒個票をはじめとする政府統計と独自の調査を組み合わせて分析し、教育政策に関する様々な仮説検証を行う。

ウェブ調査を活用した社会調査・実験による社会科学的研究 (2019~)

代表者:藤原 翔

 近年の社会科学は因果推論に特に注目しているが,社会調査 データから因果推論を行うことには限界がある。そこでパネル調査の対象者に対してオンライン実験を行い,コンジョイント分析や自由回答情報に対する構造トピックモデルから, STEM選択や大学選択(特に東京大学などへの入学)の男女差がどのようにして生じるのか,因果効果とその異質性,そしてメカニズムを明らかにする。

21世紀のリベラリズム(2019~)

代表者:加藤 晋

 若手研究者を積極的に取り込みながら,高い密度で政治哲学と政治思想に関する方法的・実証的な議論を行うことにより,日本における政治哲学研究の拠点形成を目指す。

民事司法研究プロジェクト(2016~)

代表者:佐藤 岩夫

 現代日本社会における人びとの紛争経験とそれへの対応行動を総合的・実証的に解明し,その成果を法社会学理論の発展及び司法政策上の提言につなげることを目的とする。大規模サーベイ調査を実施するとともに,その成果を分析する研究会を開催する。

経済制度史研究会(2008年~)

代表者:森本 真世

 若手研究者を積極的に取り込みながら、高い密度で経済史・経営史に関する方法的・実証的な議論を行うことで、日本における経済史研究の拠点形成を目指す。半期に一度、ディスカッション・ペーパーを前提としたワークショップを開催し、若手研究者を中心に集中的な議論を行う。

現代中国研究拠点(2007年~)

代表者:丸川 知雄

 東京大学現代中国研究拠点を設置する目的は,現代中国に関わる部局横断的な研究チームを組織して,東京大学を学際的中国研究の世界拠点とすることである。研究の充実を基盤として,現代中国研究の国際連携と成果普及を推進する。
 本事業の前身は,2007年度から大学共同利用機関法人人間文化研究機構の現代中国地域研究推進事業の一環として,東京大学と同機構との協定にもとづいて共同設置された研究拠点である。この拠点は2007年度からの第1期,2012年度からの第2期と,それぞれ5年間ずつ存続し,2016年度をもって終了した.2017年度から発足した現代中国研究拠点は事実上の第3期であるが,社会科学研究所の「拠点」から全学の「拠点」に転換した.但し,拠点の事務局は引き続き社会科学研究所に設置される.
 第2期の間に,現代中国研究拠点は北京大学国家開発研究院を中心に発足したInternational Consortium for China Studies(ICCS)に日本の研究組織では唯一の発足メンバーとして参画してきた.ICCSには欧米や中国などの現代中 国研究の拠点機関が集っており,当拠点はICCSでの活動を通じて東京大学と日本の現代中国研究を世界に橋渡しする ハブ機関となる。
 当拠点は学内で中国研究に従事する教員と連携して,学部学生対象の現代中国理解講座を開催し,東アジアに焦点を もつ国際感覚を鍛える.また,社会人・卒業生を対象とする現代中国講座を実施し,研究成果の社会への還元を図る. さらにアジア研究図書館と連携し,これまで学内各部局に任されてきた中国関連資料の状況を把握し,基礎的な資料,とりわけ現代中国の統計や年鑑を研究者や学生が常に利用できる環境の整備に貢献する。

希望学(希望の社会科学的研究)(2005年~)

代表者:玄田 有史

 2005年度開始の全所的プロジェクト「希望の社会科学的研究(希望学)」は2008年度をもって終了した。そのため2009年度以降は、グループ研究として、福井県における調査・研究活動( 希望学・福井調査) を継続している。

近代日本史研究会(2003年~)

代表者:中村 尚史、M.Burtscher、五百旗頭薫

 日本と海外の日本史研究者の交流を目的として、主として近代史を対象とするオープンな研究会を開催している。なお、本研究会では、使用言語として英語と日本語の2カ国語を用いている。

産業組織研究会(2002年~)

代表者:松村 敏弘

 産業組織を中心に広く応用ミクロ経済学の研究者間の交流の場をつくり、お互いの研究の報告を素材に議論をたたかわせ、切磋琢磨しながら研究の向上を目指す。

ヨーロッパ研究会(2000年~)

代表者:平島 健司

 加盟国の範囲を拡大しながら深化する国家統合は、ヨーロッパ社会に全く新しい次元をもたらした。同時に、国民国家の枠組みを前提として発達してきた諸社会科学も、分析概念の検討や方法の反省を迫られている。本研究会は、統合の中で変容するヨーロッパを法、政治、経済などの視角から多面的に理解し、新しい総合的なヨーロッパ像を構築することを目的とする。

現代日本研究会(1995年~)

代表者:NOBLE, Gregory W.

 現代日本について広く関心のある滞日中の外国の社会科学者、外国でトレーニングを受けた若手研究者と日本の研究者の国際交流の場を提供すること。特に社研の外国人研究員、研修員の交流を促進する目的がある。
 本研究会の特徴は、(1)発表・議論は英語で行われる点、(2)社研で客員研究員を経験した海外研究者との連絡を永続化・制度化するために、来日中に随時研究会で発表・参加をもとめている点、(3)来日予定の第一線の社会科学者を随時招待している点にある。

終了・移転したグループ共同研究

社会科学の哲学(2019~)

代表者:保城 広至

 「社会科学とは何か?」という問いに対して正面から取り組むことが本プロジェクトの目的である。もちろんこのような問いは科学哲学の一分野が伝統的に扱ってきたものである.それゆえ,プロジェクト名もその伝統にのっとっている。
 本プロジェクトは,科学哲学者がいわば大所高所的な立場から論じてきた社会科学に関する様々な存在論的・ 認識論的・方法論的問題群を,実証分析の経験を有する社研の所員がなんらかの解答を与えようとする試みである。

比較教育研究会(2019~)

代表者:森 いづみ

 本研究会は,英語教育における官民連携をテーマとする4か国・地域(香港,日本,オーストラリア,ギリシャ)の研究者による国際共同研究プロジェクトの日本チームとしての位置づけを持っている.世界では教育改革の中で,公教育において教育課程の一部を学校外の教育機関へ委託したり,外部機関と連携したりする動きが盛んになりつつある。
 本研究会を通じて,日本でのこうした現状について調査を行い,教育におけるガバナンスのあり方や,質や公平性など 観点から,現象の解明や理論的な位置づけを行っていくことを目的としている。

デジタル化の社会科学(2019~)

代表者:伊藤 亜聖

 デジタル化(Digitalization)と呼ばれる一連の技術革新とその普及が経済,政治,社会を変えつつある.半導体性能の持続的改善による計算能力の飛躍的向上,携帯電話を筆頭とする通信端末の普及とデータの蓄積,グーグルやフェイスブックに代表される巨大IT企業の台頭,そして深層学習による行動予測の精緻化は,単なる情報交換量の増大を超えて社会に構造的な影響を与えるようになっている。
 本プロジェクトは昨今の「デジタル化」と呼ばれる趨勢が,我々の生きる社会にいかなる影響を与えつつあるのか,社会科学の各分野における近年の議論の進展を整理し,どのような 研究が求められているのか検討することを目的とした。

中国とグローバル経済ガバナンス研究会(2011年~)

代表者:中川 淳司

 世界経済のガバナンスの仕組みに大きな変動が生じつつあるとの認識を前提として、重要なプレーヤーとして浮上してきている中国に焦点を当てて、世界経済のガバナンスの将来像を模索する。
 世界経済の主要分野( 国際通貨金融システム、貿易、投資など) を取り上げ、各分野のガバナンスにおける諸課題に主要なアクター(政府、国際機関、企業、NGO など) が、いかなる仕組みで諸利益を調整しつつ対処しようとしているか、それを通じていかなる新しいガバナンスの仕組みが形成されつつあるか、そして、中国がそこでいかなる役割を果たしているか、いかなる課題に直面し、それをどう克服しようとしているかを解明することを目指す。

企業内データ計量分析プロジェクト(2013年~)

代表者:大湾 秀雄

 本プロジェクトのメンバーは、(独)経済産業研究所におけるプロジェクトで、企業内データに基づく厳密な定量経済分析と企業内部者への聞き取りを通じた制度的・質的情報を組み合わせることによって、内部労働市場の機能や人事制度変更の効果を検証してきました。民間企業の協力に支えられた産学官連携から生まれた上記研究の成果や経営・政策上の知見を社会に還元することを目指し、また新たな研究課題の発掘も狙って、社会科学研究所のグループ研究プロジェクトとして発足しました。実務家との研究会を定期的に行います。

中国雑豆研究会(2012年~)

代表者:田嶋 俊雄

 日本の雑豆消費が中国産輸入小豆等に大きく依存する一方、中国では大豆をはじめとする農産物の輸入依存が拡大傾向にある。経済発展の続く中国からの小豆をはじめとする雑豆安定輸入の可能性を見通すべく、中国の雑豆需給および農産物貿易の現状と関係する制度・政策の状況を明らかにしたい。
 2012年10月以降、((財))日本豆類基金協会(現・日本豆類協会)よりの受託研究にもとづき、「中国の雑豆需給と対外貿易」をテーマに共同研究を開始した。

ワーク・ライフ・バランス推進・研究プロジェクト(2008年~)

代表者:佐藤 博樹

 東京大学社会科学研究所では、民間企業と共同して「ワーク・ライフ・バランス推進・研究プロジェクト」を2008年10月に発足させ、企業におけるワーク・ライフ・バランス推進と働き方の関係などに関する調査研究を開始しました。

比較アソシエーション法研究会(2006年~)

代表者:佐藤 岩夫

 各国のアソシエーション法の制度・機能を比較法社会学的に研究し、日本におけるアソシエーション法の展開の特徴を比較の視座から明らかにすることを目的とする。

ケインズ経済学研究会(2005年~)

代表者:加藤 晋

 現在の発達したミクロ経済学の立場から、ケインズ経済学を再定式化することが目的である。現在のニューケインジアンの議論に疑問を持つ研究者と大学院生の参加を希望する。

東アジア経済史研究会(2004年~)

代表者:田島 俊雄

 20世紀の東アジアにおける経済発展を歴史的なパースペクティブのもとに地域横断的に研究する。
 2004年4月より月に1度の例会を開き、さらに海外における資料収集、意見交換を適宜組織する形で実施している。初年度の化学工業に続き、2005年度においては電気事業をテーマに、日本・台湾との対比で中国の電力産業における産業組織の分散性に着目しつつ研究会を重ね、夏の段階では中国の北京、および山東省にて資料収集およびインタビュー調査を実施した。
 共同研究の成果として6本の論文よりなる報告集を『中国研究月報』第60巻第3・4号(2006年3・4月号)の「特集・中国の電力産業―歴史と現状」として刊行した。2006年度については引き続き電力産業を対象に比較分析を行うとともに、中国および台湾における国家主導的開発体制の源流となった資源委員会についても検討を加える予定である。  

人材フォーラム(人材ビジネス研究)(2004年~)

代表者:佐藤 博樹

 人材ビジネス研究寄付研究部門は、株式会社スタッフサービス・ホールディングスの奨学寄附金にもとづき2004年4月より計6年間、設置・運営され2010年3月末に終了しました。
 2010年度以降、人材ビジネス研究寄付研究部門の役割を引き継ぐものとして、「人材フォーラム」を開設いたしました。当フォーラムは、人材ビジネスに関する研究を継続的に進めていくこと、人材ビジネス企業・ユーザー企業と研究者との交流の場を設けること、を目的とするものです。

国際政治経済研究会(2000年~)

代表者:樋渡 展洋

 現代日本をとりまく国際政治経済の変化とその一環としての日本の外交対応を実証的に分析し、その国際政治理論的含意を探ることにより、日本の現状に根付いた国際政治理論の構築・発展をめざす。

日本・インドネシア研究(1997年~)

代表者:中村 圭介

 日本とインドネシア社会の比較研究および日本・インドネシア関係について、経済と産業、社会構造、政治体制転換、文化変容などのテーマに即して研究する。

現代財政金融研究会(1990年~)

代表者:渋谷 博史

 日本の財政金融を多角的に、かつ国際比較的に研究することを目的としている。とくに重視するのは、「市場化・民主化」と「アメリカのインパクト」と「福祉国家」という、日本の経済社会を規定している三つの要因であり、一層強まるアメリカのインパクトのもと、日本や中国の東アジアが、21世紀にいかなる政策選択をすべきかを問題意識としている。
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