東京大学社会科学研究所

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所長コラム

所長コラム 2024/4/8

新たなアイディアと未来のプロジェクトに向けて

この4月より社研の所長になった宇野重規です。

社研は2026年に創設80周年を迎えますが、創設時に当時の南原総長が掲げた「真に科学的な調査研究を目指す機関」という理念は今も変わりません。この理念を大切にするために、社研本館の玄関には、南原の言葉と合わせて、「正確な資料の体系的な蒐集」「厳密な科学的比較研究」「現実に深く基礎を置く社会科学研究」という三つの「理由」を掲示しています。

これからも学問の独立のもと、グローバルな比較の視座と資料・データの尊重を旨に、私たちは社会をより深く研究していきたいと願っています。これからの社研の活動にますますご期待ください。

私がこれまでリーダーを務めてきた、全所的プロジェクト研究「社会科学のメソドロジー:事象と価値をどのように測るか」は取りまとめの4年目を迎えます。所長とプロジェクトリーダーを兼ねるのは容易ではありませんが、みなさまのお力を借りて、使命をはたしていきたいと思います。

世界各地で激しい戦闘が続き、日本国内でも政治の根幹が問われるような事態が続いています。民主主義の危機が語られ、気候変動によって地球の持続可能性も深刻化しています。はたして社会科学に何ができるのか、その真価が問われます。社研ならではの調査・研究をこれまで以上に進めていきたいと考えています。

社研に集う人々の自由な知的交流から、新たなアイディアを創造していくことが、私たちの目指すところです。リアル・オンラインの研究会はもちろん、廊下やコミュニケーション・スペースでの何気ないやり取りから、未来のプロジェクトが次々と生まれることを願っています。楽しくやりましょう!

宇野重規

        
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