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『社会科学研究』第59巻第1号
テロリズム対策と日本法の諸変動
Anti-Terrorism Measures and Changes in the Japanese Law
山元一/YAMAMOTO Hajime
Keywords: 憲法, 司法権, 安全, 自由,
抄録
日本もまた、他国の法と同様に世界を揺るがした9.11の衝撃を免れることはできなかった.本稿は,ポスト9.11状況における日本法におけるテロリズム対策にかかわる法的変動とそれを取り巻く推進論及び批判論から提示された法的ディスクールの諸相を明らかにする〔→I〕とともに,それについてささやかな考察を行おうとする〔→II〕ものである.Iにおいては, 9.11以前の法状況を一瞥した上で,9.11以後の制定法の展開〔「テロ対策特別措置法」(2001年)→「武力攻撃事態対処法」(2003年)→「国民保護法」(2004年)→「改正出入国管理・難民保護法」(2006年)〕とそれらについてなされた法的ディスクールを跡付ける.IIにおいては,日本法の諸変動についての四つの特色を摘示した後で,「安全の専制」論を批判的に言及し,テロリズム対策において司法権の果たすべき役割について検討する.
abstract
The impact of 9/11 struck Japanese law very much as other countries'laws. This article analyzes changes in the Japanese law and examines legal discourses after 9/11, and considers the possible role of the judiciary in controlling the anti-terrorism measures.
社會科學研究 第59巻 第1号(2007-12-17発行)
(更新日: 2012年 11月 2日)