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『社会科学研究』第64巻第2号
理論経済学における「善」と「正義」――個人と社会の相互作用――
Good and Justice in Theoretical Economics: Interrelation between Individual and Society
大瀧雅之/OTAKI Masayuki
Keywords: 功利主義, 形而上学批判, 新自由主義批判, 理論経済学における善と正義, ヒューマニズム
抄録
近代経済学のバックボーンとなる功利主義の立場から,善と正義という概念を如何に構築できるかを考察した.善を生きること自身の肯定すなわちヒューマニズムとしたとき,個人の自由な経済活動は,それ自身個人的「善」の一部となる.しかし人が社会のなかで生きる以上,同様に他の個人にもそうした自由があることを認めねばならない.ここに至って「パレート効率性」が経済上の社会的「善」となりうるのである.個人的・社会的「善」の間にはコンフリクトが起きることが通常で,その解消手段を「正義」と定義できるのである.
abstract
Utilitarian theory is entirely misunderstood by pro-Kantian such as Rawls (1999) and Sandel (2009). Pro-Kantians criticize that utilitarianism is not generous to admit individuals’ rights. Such feature becomes prominent when utilitarian try to maximize the sum of each individual’s utility.However such Pro-Kantian’s critique is almost out of date from the viewpoint of the modern economic theory which relies on the utilitarianism. Based on Moore (1902), we construct the concept of good and justice and clarify the relationship between them.
社會科學研究 第64巻 第2号(2013-03-26発行)
(更新日: 2013年 04月 04日)