東京大学社会科学研究所

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研究

『社会科学研究』第73巻第1号

中国建国初期の小中学校における思想政治教育
―トレーニングとしての愛国主義教育―
Ideological and Political Education in Primary and Secondary Schools in the Early Years of the People’s Republic of China: The Nationalism Education as Mechanical Training
鄭 成/ZHENG Cheng

Keywords: 愛国主義教育,教育の現場,実施状況,トレーニング,同調の圧力

抄録

 本論文は,中華人民共和国建国初期の小中学校を中心に愛国主義教育の実施状況を考察した.朝鮮戦争を機に発足した愛国主義教育は国民の動員において大きな成功を収めた.その理由は二つがある.一つは,悠久の歴史,伝統文化と屈辱な近代を中心とした歴史的資源が,国との一体感と誇りを喚起させる材料として大いに活用されたことである.もう一つは,一連の手法が使われ,トレーニングを行うように愛国主義の理念を生徒の心底に植え付けていたことである.この教育手法はさらに成功経験として教育専門誌,新聞記事,会議などを通じて,一層普及された.この時期の愛国主義教育を経て動員された自国への国民感情は強い排他性をもつものとなった.本論文は,愛国主義教育を担当する教師らの現場報告をもとに,当時の愛国主義教育でいかなる教育手法が活用されたのかについて考察を行い,その特徴を分析してみた.

abstract

During the early years of the People’s Republic of China, the nationalism education was rapidly launched in the wake of the Korean War, and thus had the character of a spiritual mobilization of war from the beginning. Its tremendous success in mobilizing public opinion was largely due to the use of educational methods to embed nationalism ideas in the minds of students like training them. Based on teachers’ reports, this paper examines the details of such educational methods.


社會科學研究 第73巻 第1号(2022-03-08発行)

(更新日: 2022年 3月28日)