東京大学社会科学研究所

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研究



社研セミナー

女性の就業と家事のアウトソーシング
マルガリータ・エステベス・アベ
Margarita Estevez-Abe
(シラキュース大学マックスウェル・スクール)

※社会科学研究所全所的プロジェクト研究「ガバナンスを問い直す」との共催です。

日時:2010年11月 9日 15時-17時
場所:センター会議室(赤門総合研究棟5F)

報告要旨

 女性の就業率、特に既婚女性の就業率は先進国各国で一貫して上昇してきた。しかしながら、家事労働などの分担を見る限り、男女平等の最先端にあるスカンジナビア諸国でさえ、あいかわらず家事労働は主に女性の仕事である。このため、既婚女性の就業率が高まったとはいえ、女性の総労働時間数は男性より少ない。つまり、スカンジナビア諸国のように保育施設が整っており、子育てが「社会化」されている国でも、家庭そして労働市場での性差は残っているのである。男性の家事分担が必ずしも女性の就業率の上昇と比例して増加しなかった事実を背景に、本研究では、女性が家庭外で働こうとする際に、家事のアウトソーシングの可能であるかどうかが、女性の時間配分がどれだけ「Unpaid Work」から「Paid Work」に変わるかに影響を与えるのではないか、と考え、これを実証的に検証する。具体的には、国内の賃金格差、あるいは低学歴の移民の多さといった違いが、各国の女性の時間配分にどう影響しているかを見ていく。(先進諸国16カ国を対象に、ISSP (International Social Survey Program)の2002のFamily and Changing Gender Roles IIIを用いた。)

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