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東京大学生産技術研究所における「文理実」連携の取り組み
戸矢理衣奈(東京大学生産技術研究所)

日時:2024年11月12日(火) 15時~16時40分
場所:

オンライン(Zoom)

使用言語:日本語

報告要旨

東京大学生産技術研究所(通称:生研)における「文理実」連携の取り組みと、その背景をなす発想について紹介する。

講演者は歴史研究で学位を取得し、10年超の実務経験を経て、東大EMP(エグゼクティブ・マネジメント・プログラム)受講を契機にして2019年に生研に文系出身教員として着任した。担当分野は、実践を重視した「応用人文学」をである。「文理融合」には実務家の視点が有用であるとの発想から、EMP修了生を中心にした実務家を加えた「文理実」連携を掲げて実践に繋がる取り組みを行っている。

その中核をなす活動として2019年より「文化×工学研究会」を開催している。同会は東大全学の教職員に加えて東大EMP修了生の実務家にオープンな会として、多様な領域の研究者に実務家を加えた「文理実」の参加者が集い、率直な議論を行う場となっている。生研内でも活動をより積極化すべく、2020年に「文化をめぐる人文と工学の研究グループ」が発足し、領域を超えた8名の研究者が頻繁に議論を重ねている。

2023年度は同会での提案を契機に継続して議論を続けてきた三つのプロジェクトが具体的に実現するに至った。東京大学と金融庁の間の包括連携協定の締結、文理を問わず、教養学部12年生を対象にした「リベラルアーツとしての工学」講義の開講、そして先端研との共催による、指揮者の山田和樹氏らの協力のもと、第一線で活躍中の音楽家を駒場第2キャンパスに招聘する「駒音楽祭」の発足である。

 こうした展開の背景を詳しく報告するとともに、さらに実りある異分野連携推進のための「仕組み」について、皆様とともに考える機会としたい。


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