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研究

社研セミナー

データとともに歩み続けて―社会科学研究所での20年(教授昇進10年目報告 兼 最終講義)
佐藤 香(東京大学社会科学研究所)

日時:2025年3月11日(火) 15時~16時40分
場所:

ハイブリッド開催
(センター会議室(赤門総合研究棟 5F・詳細地図 /オンライン(Zoom))

使用言語:日本語

報告要旨

 2003年4月の社会科学研究所着任以来、一貫して社会調査データにかかわる活動をおこなってきた。本セミナーでは、これらの活動について報告をおこなう。

 社会調査データにかかわっておこなってきた活動は、1)データを創出する、2)データを保存し二次分析を普及させる、3)データを救出し復元する、の3つに大別される。社研在任中にあげることができたすべての研究業績は、これら3つの活動に付随するものであったといえる。1)については東大社研パネル調査がおもな活動である。2)については附属社会調査・データアーカイブ研究センターの調査基盤研究分野を中心とするSSJDAの活動がそれにあたる。3)は「戦後労働調査資料」の復元二次分析が中心的な活動である。

 セミナー前半では、それぞれの活動について、具体的にどのような活動をおこない、それによってどのような研究成果をあげることができたのかを概観する。後半では、とくに3)の「戦後労働調査資料」をとりあげる。2010年度に復元作業を開始し、15年間にわたり復元二次分析に対して多大な貢献をされてきた相澤真一氏(上智大学教授)との対談により、「戦後労働調査資料」の由来と特徴、復元二次分析の研究会がおこなってきた研究活動について報告する。

 1)で創出されたデータも、3)で復元されたデータも、いずれもSSJDAに寄託され、公開されることで、2)の活動に収斂する。このことは、現在の研究者にデータを供するだけでなく、次世代の研究者に対しても分析可能なデータを引き継ぐことを意味する。このような視点から20年余の研究活動を振り返りたい。


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