研究
社研セミナー
契約法理論における法と社会規範:関係的契約論、典型契約論、契約法の個別化(Personalization)をめぐる理論的課題
石川 博康(東京大学社会科学研究所)
日時:2026年3月10日(火) 15時~16時40分
場所:
ハイブリッド開催
(センター会議室(赤門総合研究棟 5F・詳細地図 )/オンライン(Zoom))
使用言語:日本語
報告要旨
2015年4月の教授任用から10年の経過を契機として、本年度に所外の研究者らによる外部評価を受けたことに基づき、本セミナーでは、この10年間における自らの研究内容について回顧しつつ、今後取り組むべき研究課題やこれからの研究の方向性などにつき、報告を行う。
振り返ってみれば、報告者がこの10年間を含めこれまでに取り組んできた種々の研究テーマの背後において通奏低音をなしていたのは、「法規範と併存しつつ社会の諸制度を構成する社会規範のあり方を踏まえ、契約に関する法と理論はいかに構造化されるべきであるか」という問題意識であった。本セミナーにおいては、報告者がこれまでに研究の対象とした事情変更法理、典型契約論、関係的契約論といった各研究テーマに関し、以上の問題意識との関係においてどのような分析を経ていかなる理解を得てきたのかについて、総括的な整理を試みる。その上で、契約法における任意規定(デフォルト・ルール)の役割などに関する諸問題につき、契約法の個別化(personalization)―法規定の内容につき、AIを利用したビッグデータの活用により、法の適用対象たる人の個々の特性に即して各人につき個別化されたものとなるように、法的規律を設定する試み―をめぐる問題などについても視野に入れつつ、今後の課題としていかに取り組んでいくべきかに関する若干の見通しを示したい。

