東京大学社会科学研究所

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研究

社研セミナー

労働法学の新展開—その理論的基盤と政策的方向性
水町勇一郎(社会科学研究所)

日時:2013年 10月8日 14時50分-16時30分
場所:センター会議室(赤門総合研究棟5F)

報告要旨

 労働法は、現在、新たな変革のステージに立っている。この世界的な労働法の変革の 動きには、それを根底で支える理論的基盤が存在し、その理論に基礎づけられて展開 されている新たな労働法政策の動きには、ある程度共通した性格と方向性を見出すこ とができる。

 本報告では、まず、現在の労働法の変革の根底にある3つの新たな法理論(大陸 ヨーロッパの手続的規制理論、アメリカの構造的アプローチ、イギリスを中心とした 潜在能力アプローチ)について考察を加え、これらの法理論に共通する基盤を探り出 す。そのうえで、この理論的基盤に立って今日世界的に展開されている労働法の新た な政策的方向性(就労促進、差別禁止、労働法・社会保障法・税制の一体化)につい て論じる。最後に、以上の理論的・政策的な考察を踏まえて、労働法改革の鍵となる 新たな概念(インセンティブ、内省、総合)を抽出し、日本の労働法政策のあり方へ の示唆を明らかにすることを試みる。


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