社研セミナー

東アジアの社会階層構造比較―「格差」が生じる次元の検討―
有田伸(社会科学研究所)

日時:2009年11月10日 15時-17時
場所:センター会議室(赤門総合研究棟5F)

報告要旨

 本報告は、日本の社会階層構造を、韓国、あるいは台湾のそれと比較することで、それぞれの社会における報酬分配と社会的地位の構造を明らかにしようとするものである。その際、特定の理論的前提に基づいた枠組みをあてはめるのではなく、できる限り包括的な視点から個人の職業/仕事にかかわる諸条件がひとびとの間にどのような報酬格差をもたらしており、またそれがひとびとの社会的地位をどのように形作っていくのかを検討していく。具体的には、先行研究が階層分類基準として主に用いてきた「職種」と「従業上の地位」のほか、日本の階層研究が特に強い関心を払ってきた「企業規模」、さらに近年雇用の柔軟化とともにその重要性が増しつつある「雇用形態」のそれぞれが、本人の所得と主観的地位評価に及ぼす影響の相対的な重要性を実証的に分析する。

 当然ながら、これら諸条件の相対的な重要性は、それぞれの社会における労働市場制度や教育制度などの背景条件の違いに応じて異なってくるものと考えられる。本報告では、以上の実証分析結果を手掛かりとして、それぞれの社会における独自の「格差」状況(さらには独自の「格差」把握枠組み)がそれぞれの制度的条件の違いを受けて生じたものであることを、東アジア比較の視点を通じて浮き彫りにしていきたい。

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