社研セミナー

歴史分析をどう理論化するか:国際関係論からのアプローチ
保城広至(社会科学研究所)

日時:2011年 5月10日 15時-17時
場所:センター会議室(赤門総合研究棟5F)

報告要旨

 歴史と理論との緊張関係は、古くて新しい問題である。歴史を通じて社会現象の理論化や一般化を試みる社会科学者(=理論家)が、事実そのものには無頓着であるという理由で歴史家の反感を買うのは、極めてありそうなことである。また逆に、具体的な歴史的細部に拘泥して全体的理解に何ら貢献しない歴史家の視野を、社会科学者が狭隘だと見なすのも納得できるだろう。ただしそのような緊張関係にありながらも、お互いの領域で棲み分けが確立しているため、両者間の生産的な議論はあまり行われてこなかった。歴史家の研究を社会科学者が利用することはあっても、逆に歴史家が社会科学者の理論研究を明示的に参照することはあまりないし、またお互いがお互いを論敵とみなして正面から取り上げ、これを反証し合うことはまれであった。

 本報告では、国際関係論、あるいはより広くとって政治学の分野において、歴史と理論の諸問題を検討し、これを統合するような方法論を提案する。すなわちまず、両者の違いとして一般的に認められてきた諸点――説明の概念、帰納と演繹、個性記述と法則定立など――を再検討し、両者の共通項を抽出する。さらには、実際の外交史分析において、どのような方法を明示的に使用すれば、歴史分析を理論化へと繋げることができるのかという問題を検討し、新しい方法論の提案を行う。

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