社研セミナー

世論調査と内閣支持率
前田幸男(社会科学研究所)

日時:2011年12月13日 15時-17時
場所:センター会議室(赤門総合研究棟5F)

報告要旨

選挙制度改革と中央省庁再編(橋本行革)の結果として、総理大臣の権限は従来よりも強化された。そのため、報道機関が発表する内閣支持率は、政権運営および選挙結果に従前とは比べられないほど大きな影響を与えるようになったと考えられている。しかしながら、人々が内閣を支持する心理的な経路や内閣支持率の変動要因については、一部の実証研究を除くと、ジャーナリストや評論家の間で印象論的な議論が先行しているのが実情である。
 報告者は現在、内閣支持率についての体系的な研究を遂行中であるが、本報告ではそのなかでも、以下の二点に絞って報告を行う。

(1)内閣支持率を報道するマスメディアの世論調査実施態勢並びに報道傾向の変化
 内閣支持率を考える上で画期となった小泉政権の成立と前後して、マスメディアの世論調査実施態勢は、伝統的な訪問面接調査からRDD方式の電話調査へと移行した。大手新聞社による世論調査実施回数と紙面における報道パターンの変化を検証することで、政治過程だけではなく、世論調査報道の変化も、内閣支持率の重要性を高める役割を果たしていた可能性を指摘する。

(2)政局が内閣支持率に与える影響
 内閣支持率を分析する研究は、経済的な要因に焦点を絞ることが多く、政局要因が内閣支持率に与える影響についての体系的な分析は少ない。その原因の1つは、内閣支持率の変動に影響を与える「政局」を定義し、測定することの難しさにある。本報告では、「政局」要因の中でも、測定と確認が容易な閣僚の更迭(罷免・辞任)に焦点を当て、政治過程が内閣支持率に与える影響を考察する。

最後に、今後の研究の方向性について、議論する。

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