社研セミナー

現代高校生の進路希望:「2012年高校生と母親調査」データを用いた計量分析
藤原翔(社会科学研究所)

日時:2013年 5月14日 14時50分-16時30分
場所:センター会議室(赤門総合研究棟5F)

報告要旨

 高校生の進路選択が家庭の社会経済的背景によって異なることは繰り返し明らかにされてきたが,その選択のメカニズムを検討した研究は日本においてはほとんどみられない.

 そこで本研究は,BreenとGoldthorpeの教育選択のモデルによって高校生の進路選択のメカニズムを明 らかにする.「2012年高校生と母親調査」データ(N = 971)を用いた分析の結果,(1)各進路に対する満足度は,それら進路の社会的地位の高さについての評価,下降移動回避の見込み,そして希望職業との対 応の影響を受けることが明らかになった.そして(2)成功の見込みが高く,経済的負担感が小さく,そして満足度の高い進路を選択する傾向があることが示された.また,(3)このような各進路に対する評価は,進路選択に対する社会経済的地位の効果を15-20%程度説明していた.

 以上の分析から,日本においてもBreenとGoldthorpeの教育選択のモデルは支持され, 社会的位置によって学歴の便益が異なることが,選択の違いを生み出し,そして教育の不平等の生成・維持を導いていることが示された.

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