東京大学社会科学研究所

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「インフラ型研究所」としての社会科学研究所

 社会科学系研究所としての社会科学研究所の役割のひとつは、社会科学の研究において不可欠な研究情報を蒐集し、保存し、公開して利用に供することです。

 不可欠な研究情報のひとつは、言うまでもなく図書・雑誌などの活字資料と未公刊資料であり、専門的なライブラリアンによって担われる社会科学研究所図書室が、電子化の流れに対応しつつ、その蒐集・保存・公開の機能をはたしています。

 もうひとつの、比較的新しい形態の研究情報として、社会調査の一次データ(個票データ)を電子化したものがあります。ここでも、図書・雑誌などの場合と同様に、専門的な資質をもったスタッフによる蒐集・保存・公開の機能があり、社会調査・データアーカイブ研究センター(旧 日本社会研究情報センター)のSSJデータアーカイブがそれを担っています。SSJデータアーカイブを設置し運営することによって、社会科学研究所は「インフラ型研究所」としての性格をいっそう強めています。

社会科学研究所図書室

 社会科学研究所図書室の蔵書は、社会科学(法律・政治・経済・労働・社会等)に関する資料を中心に、蔵書数約36万冊、約7,600タイトル、マイクロフィルム 25,000リール、マイクロフィッシュ29万枚に達します(2020年3月31日現在)。

 社会科学諸分野の基本的な図書・雑誌のほか、日本語のものでは、研究所スタッフが自ら調査・蒐集した資料を含め労働関係の文献・資料、外国語のものでは、マイクロフィルム・マイクロフィッシュ版を含めソ連・ロシア、ポーランドなど旧社会主義諸国の文献・資料が比較的よく揃っているのが特徴です。

 また、一般蔵書と区別されて別置保管されている特殊文庫として、長く職業紹介事業に関与した故糸井謹治氏(1895-1959)所蔵の職業紹介事業関係の原資料類約9,900点、図書約540点からなる「糸井文庫」、金瀬薫二弁護士(橋本欣五郎被告担当)、三文字正平弁護士(小磯国昭被告担当)の所蔵文書、および法務省、朝日新聞社、早稲田大学からの寄贈文書からなる「極東国際軍事裁判記録」、帝政期・ワイマール期・ナチス期を経て戦後期に及ぶ、ドイツ・ヨーロッパの政治・経済・労働関係の記録集・研究書・報告書など約7,000点からなる「ドイツ労働総同盟(DGB)図書館旧蔵文書」、満州事変・日中戦争期研究の優れた研究者である故島田俊彦氏所蔵の旧日本海軍軍令部関係の資料である「島田文庫」などがあります。元国鉄総裁十河信二氏寄贈の旧満鉄を中心とした図書・資料・雑誌のように、冊子目録作成の上、一般蔵書に混配されているコレクションもあります。また、戦後日本におけるソビエト法研究の第一世代をなす故山之内一郎教授のコレクション「山之内文庫」のように、研究所の元スタッフの蔵書の一部も、社会科学研究所の特色ある蔵書群を構成しています。

SSJデータアーカイブ

 ここで言う「データ」とは、研究機関、世論調査機関などの調査実施主体が、面接法や郵送法などで収集した調査対象に関する情報集合を指します。ふつう、調査主体が集計結果を出し、分析して発表すれば、もとになったデータは放置されてしまいます。しかし、それでは、他の研究者が追試したり、別の観点から分析しなおしたりするということは不可能です。したがって、分析結果の客観性は担保されませんし、通常かなりの費用を必要とする社会調査の結果が社会的に共通されないことにもなります。とくに、科学研究費のような公的資金を用いた調査の場合には、公的資金の有効利用という観点からも問題が残ります。

 このような問題を解決するのが、データアーカイブです。データアーカイブは、調査主体から個々のデータのセットの寄託を受け、プライヴァシー保護の観点からのマスキングなど必要な処理を行なったうえで電子化し、調査方法等にかんする情報とともに保存・蓄積したうえで、(調査者自身の行う一次分析に対して)二次分析を希望する研究者に提供する、という役割をはたしています。このようなデータアーカイブは、たとえばアメリカでは、ミシガン大学を中心とするICPSR(Inter-university Consortium for Political and Social Research)を中心に早くから発達していますが、日本では、社会科学研究所の日本社会研究情報センターが初めてSSJ(Social Science Japan)データアーカイブとして設置し、1998年4月にデータの公開を開始して以来、今日に至っています。現在は,社会調査・データアーカイブ研究センター(CSRDA)のなかで運営されています(CSRDA,SSJDAの詳細はこちら)。