東京大学社会科学研究所

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基本的活動

研究所の特色を生かした東大全学の教育への参画

大学院教育への参加

 「研究所のスタッフは研究だけを行っている」かのような見方がありますが、それは誤解です。

 第1に、すべての研究スタッフは、法学政治学研究科、経済学研究科、教育学研究科を中心に、大学院教育に参加しています。研究科における任務分担にもとづいて、研究科運営上の役職につき、指導教員を担当する場合もあります。

 第2に、2004年度に発足した2つの専門職大学院(法科大学院および公共政策大学院)や、部局を超えた協力態勢の組まれている新領域創成科学研究科や学際情報学府における大学院教育にも参加しています。

 このように、東京大学における教育活動の柱のひとつである大学院教育に、それぞれの研究スタッフ〈専門分野基礎研究〉を生かして参加することは、社会科学研究所の重要な活動のひとつとなっているのです。

 と同時に社会科学研究所は、研究所の特色を生かした、いわば「社会科学研究所の顔の見える」教育活動を模索しています。

 そのひとつが、すでに述べたように、研究所のスタッフが複数の大学院研究科において担当している授業の実績をもとに、新たに計量社会分析にかんする教育プログラムを開発し、東京大学全学の関係部局と協力しつつ、適切な組織形態のもとで実施することです。2005年度には、SSJデータアーカイブが開発中のリモート集計という方法を用いた実験的授業を、教育学研究科において開始しています。

学部教育への参加

 東京大学は教養学部をもち、その前期課程の教育に全学で協力する態勢をとっています。

 社会科学研究所も、教養学部前期課程の教育プログラムの一環である「全学自由研究ゼミナール」を開講しています。毎年、研究所スタッフのひとりがコーディネイター(責任教員)となり、何人かのスタッフが共同で、場合によっては研究所外の研究者の協力も得て、若い世代に“社会科学のおもしろさ”を伝える役割をはたしています。

 近年は、「規制緩和と社会科学」「雇用・失業をめぐる政治と経済」「20世紀とはいかなる時代であったか?」「20世紀の資本主義・民主主義・社会主義・帝国主義」「アメリカ経済社会の二面性」「日本的雇用慣行は変わるか?」「現代日本の政治変容」などのテーマを取り上げてきました。全学自由研究ゼミナールの成果のいくつかは、著書にまとめられています。

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