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- 大瀧雅之・宇野重規・加藤晋編『社会科学における善と正義: ロールズ『正義論』を超えて』
所員の著書
大瀧雅之・宇野重規・加藤晋編『社会科学における善と正義: ロールズ『正義論』を超えて』
(東京大学出版会, 2015年5月)
2015.6.24更新
はじめに (大瀧雅之・宇野重規・加藤晋)
序 章 社会科学における善と正義(加藤 晋)
- ロールズと功利主義
- 市場と倫理
- 民主主義と経済学
第I部 ロールズと功利主義
第1章 ロールズにおける善と正義――リベラル・コミュニタリアン論争再訪(宇野重規)
- 「論争」をふりかえる
- サンデルの正義論
- 歴史に探るアメリカの公共哲学
- ロールズを読み直す
- 結び
第2章 ロールズ『正義論』における契約論的プロジェクト――その批判的再検討と今日的意義をめぐって(井上 彰)
- ロールズ『正義論』の再検討――第3部を中心に
- 契約論と反照的均衡の方法
- 原初状態と一般的事実
- 『正義論』第3部の議論とその問題点
- 『正義論』における契約論的プロジェクトの今日的意義
第3章 イギリスにおける功利主義思想の形成――経済社会における一般幸福の意義を通じて(中井大介)
- 功利主義の現状
- J. S. ミル――ベンサムの功利主義を乗り越えて
- シジウィック――古典的功利主義の完成
- おわりに
第4章 功利主義批判としての「善に対する正の優先」の検討(児玉 聡)
- 「善に対する正の優先」というフレーズ
- 「善に対する正の優先」についての議論の俯瞰
- 「善に対する正の優先」に対する筆者の見解
- 「善に対する正の優先」というフレーズと翻訳について
[Book Guide I]
- ジョン・ロールズ『ロールズ政治哲学史講義』(小田川 大典)
- M. J. サンデル『民主制の不満――公共哲学を求めるアメリカ』(一之瀬 佳也)
- チャールズ・テイラー『世俗の時代』(高田宏史)
第II部 市場と倫理
第5章 理論経済学における善と正義――個人と社会の相互作用(大瀧雅之)
- 新自由主義批判
- 善と正義の関係――状況と独立の普遍的な善はあり得ない
- 個人的善と社会的善の相互作用――正義の役割
- 理論経済学における正義とは
- ムーアとロールズ、サンデル
付論 サンデルにおけるBailout Outrageに関する誤謬
第6章 分割の正義と不正義(間宮陽介)
- 所有と共同体の相関性
- 共同所有の諸形態
- 現代総有論の可能性
[Book Guide II]
- ソースティン・ヴェブレン『有閑階級の理論』(岡田尚人)
- ソースティン・ヴェブレン『特権階級論』(薄井充裕)
- J. M. ケインズ『ケインズラジオで語る』(神藤浩明)
- J. M. ケインズ『ケインズ説得論集』(玉井義浩)
- ミルトン・フリードマン『資本主義と自由』(堀内昭義)
- ジル・ドスタレール『ケインズの闘い――哲学・政治・経済学・芸術』(渡部 晶)
- ニコラス・ワプショット『ケインズかハイエクか――資本主義を動かした世紀の対決』(高田裕久)
第III部 民主主義と経済学
第7章 社会的選択理論と民主主義(加藤 晋)
- アローの定理とサミュエルソンの「輸出宣言」
- 杜会的選択理論の基礎
- 社会的選択理論のSemanticsとSyntax
- 社会的選択理論と民主主義
- 不可能性定理と民主主義の意味
第8章 世代間正義の公理的分析――功利主義と世代の不偏的処遇(釜賀浩平)
- 世代間正義の公理的分析とは
- 公理的分析と反照的均衡
- 世代の不偏的処遇と効率性
- 功利主義に基づく優劣評価と世代の不偏的処遇
- キャッチング‐アップ基準と世代の不偏的処遇
- 演鐸の前提と非効用情報
[Book Guide III]
- ドナルド・ウィットマン『デモクラシーの経済学――なぜ政治制度は効率的なのか』(海老名 剛)
- J. M. ブキャナン・G. タロック『公共選択の理論――合意の経済論理』(加藤 晋)
- R. ドウォーキン『いま民主主義は実現できるか?――新たな政治議論のための原則』(田村正興)
- D. アセモグル・J. A. ロビンソン『独裁制と民主制の経済的起源』(加藤 晋)