東京大学社会科学研究所

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研究

所員の著書

林 知更
『現代憲法学の位相――国家論・デモクラシー・立憲主義』
(岩波書店, 2016年5月)

2016.5.26更新

序 章 複数の憲法、複数の憲法学

  1. 戦後日本と憲法――第一共和政の苦闘?
  2. 戦後憲法と憲法学――普遍と特殊

Ⅰ 憲法学の変容

第1章 危機の共和国と新しい憲法学――カール・シュミットの憲法概念に関する一考察

  1. 危機と憲法学
  2. 政治的単一体の体系とその動揺
  3. 流転する秩序
  4. 「憲法」という分析視角

第2章 国家論の時代の終焉?――戦後ドイツ憲法学史に関する若干の覚え書き

  1. はじめに
  2. 戦後ドイツにおける国法学の展開
  3. 国家論の衰退が意味するもの
  4. 「ふたつの戦後社会」の距離――わが国への示唆

第3章 「政治」の行方――戦後憲法学に対する一視角

  1. 戦後憲法学の出発
  2. 戦後ドイツ憲法学と「政治」
  3. 再び日本へ

第4章 国家学の最後の光芒?――ベッケンフェルデ憲法学に関する試論

  1. 立憲君主政からの離脱
  2. 国家理論の刷新
  3. 憲法理論の場所
  4. 国家学としての憲法学?

第5章 国家理論からデモクラシー理論へ?――憲法学の変遷とその意義をめぐって

  1. はじめに――学問の変遷
  2. 「国家」――多次元的機能とその解体
  3. 「憲法」――法と法学の間
  4. 「デモクラシー」――新たな視座を求めて?
  5. おわりに――憲法学の歴史的位相

Ⅱ デモクラシーの諸相

第6章 議会制論の現在

  1. 議会の世紀の終わり?
  2. 「原理」への希求
  3. 諸権力の分節の中の議会
  4. コードの乱立の中で

第7章 政治過程における自由と公共

  1. 公共性の配分
  2. 公共なき憲法論?
  3. 近代的思惟の行方

第8章 政党法制――または政治的法の諸原理について

  1. はじめに
  2. 問題の諸次元
  3. 政党の憲法上の地位
  4. 秩序モデルの探究
  5. おわりに――憲法原理の所在

第9章 憲法原理としての民主政――ドイツにおける展開を手がかりに

  1. 設問の変容
  2. 「型」としての民主政原理
  3. 日本への示唆

Ⅲ 多層的秩序の憲法理論

第10章 連邦と憲法理論――ワイマール憲法理論における連邦国家論の学説史的意義をめぐって

  1. 連邦国家をめぐる聞い
  2. 連邦と法学的国家論――ビスマルク帝国
  3. 連邦と新しい憲法理論――ビスマルク帝国からワイマール共和国へ
  4. 連邦国家論の行方

第11章 EUと憲法理論――ドイツ公法学における国家論的伝統をめぐって

  1. はじめに
  2. 国家か憲法か
  3. 理論と解釈
  4. 連邦と多層的システム
  5. ヨーロッパと民主政
  6. おわりに

第12章 連邦・自治・デモクラシ――憲法学の観点から

  1. 本章の主題
  2. 国家論の中の連邦と自治
  3. 多層システムの中の連邦と自治
  4. 多層的デモクラシーと憲法学

Ⅳ 日本憲法学の行方

第13章 戦後憲法学と憲法理論

  1. はじめに――ポスト「戦後民主主義」時代の憲法学?
  2. 立憲主義憲法学の黄昏?
  3. 戦後ドイツ憲法学の変容
  4. 戦後憲法学を超えて
  5. 結びに代えて

第14章 憲法秩序における団体

  1. 本章の課題
  2. 自由と秩序
  3. 「憲法」と「立憲主義」
  4. 自由の諸条件と憲法
  5. 憲法学の可能性

第15章 論拠としての「近代」――私人間効力論を例に

  1. 主題
  2. 議論の磁場
  3. リュート判決再訪――またはリュートから見た三菱樹脂
  4. 日本憲法学の「近代」

第16章 「国家教会法」と「宗教憲法」の間――政教分離に関する若干の整理

  1. 政教分離原則の動揺?
  2. 制度・共同体・個人
  3. 結びに代えて

終 章 戦後憲法を超えて

  1. ふたつの戦後憲法と憲法学
  2. 戦後憲法を超えるために
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あとがきと謝辞
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