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所員の著書
大瀧雅之・加藤晋編『ケインズとその時代を読む――危機の時代の経済学ブックガイド』
(東京大学出版会, 2017年7月)
2017.8.31更新
序論 危機の時代を生きる(大瀧雅之)
I 第一次世界大戦の帰結と全体主義勃興の危機
- J.M.ケインズ『平和の経済的帰結』―― 1世紀を経てなおも息づくケインズの鳴らした警鐘(神藤浩明)
- J.M.ケインズ『条約の改正』――「ケインズの政治学」を想像する(宇野重規)
- E.H.カー『危機の二十年』――二度の世界大戦の後,新たな国際秩序への展望を示す(本橋 篤)
- F.A.ハイエク『隷従への道』――自由主義の後退が行き着く苦悩の社会像を描画(古宮正章)
II 理論の展開――全体主義への対抗軸としてのリベラリズム
『一般理論』前史
- T.ヴェブレン『企業の理論』――激動する社会と企業の包括的分析(西島益幸)
- A.C.ピグー『厚生経済学』――功利主義に基づく実践的経済政策の集大成(加藤 晋)
- L.ロビンズ『経済学の本質と意義』――科学的分析と規範的分析の区別を論じた古典(釜賀浩平)
『一般理論』と社会民主主義
- J.M.ケインズ『雇用・利子および貨幣の一般理論』――社会的正義感と緻密な論理による近代経済学の巨峰(大瀧雅之)
- R.F.カーン『ケインズ「一般理論」の形成過程』――『一般理論』の考え方を理解するための必読書(随清遠)
- A.P.ラーナー『調整の経済学――厚生経済学原理』――ケインズ経済学を拡張した機能的財政論(田村正興)
- J.E.ミード『理性的急進主義者の経済政策――混合経済への提言』――市場の持つ効率性と残虐性への深い認識(渡部 晶)
III 1930年代の世界と日本
- J.M.ケインズ『世界恐慌と英米における諸政策――1931~39年の諸活動』――世論形成に力点を置いたケインズの活動(大瀧雅之)
- 高橋亀吉・森垣淑『昭和金融恐慌史』――民間エコノミスト2名による昭和金融恐慌の真相究明(内山勝久)
- 石橋湛山『石橋湛山評論集』――日本にケインズをいち早く紹介した先覚者(薄井充裕)
IV ケインズの同時代人
- ケインズ『人物評伝』――人物評伝の達人でもあったケインズの分析力(堀内昭義)
- フランク・ラムジーの1つの描像――理論経済学者・哲学者・論理学者として(大瀧雅之)
- E・H・カーのソ連史研究――戦間期から戦後期へ(塩川伸明)