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研究

所員の著書

東京大学社会科学研究所・玄田有史・飯田高(編)
『危機対応の社会科学 上下』
(東京大学出版会, 2019年11月)

2020.1.8更新

危機対応の社会科学 上--想定外を超えて 目次
はしがき(玄田有史)

総 説 危機対応がなぜ社会科学の問題となるのか(飯田高)

  • はじめに――本章の目的
  • 危機
  • 対応
  • 制度と意思が生む危機
  • おわりに

第I部 危機と世界

第1章 政治思想史における危機対応
――古代ギリシャから現代へ【個別・集団】
(宇野重規)

  • はじめに
  • 批判と危機
  • 危機と破局の時代
  • シュミットの独裁
  • 危機対応と独裁
  • おわりに

第2章 危機に対応できる憲法とは
――安定性と適応性の間で【個別・集団】
(ケネス・盛・マッケルウェイン)

  • はじめに
  • 憲法と予測できる危機・できない危機
  • 緊急事態条項の原則
  • 世界の憲法における緊急事態条項
  • 日本国憲法における緊急事態対応
  • おわりに

第3章 キューバ危機はなぜ回避されたのか?
――時間の国際政治学【個別・集団】(保城広至)

  • はじめに
  • キューバ危機とは何だったのか
  • なぜ米国は海上封鎖を選んだのか?
  • ソ連とキューバ側の事情
  • 危機が回避できた理由
  • 時間的制約と国際紛争
  • おわりに

第4章 危機の元凶は中国か?
――マグロ,レアアース,サンマの資源危機
【事実・言説】(丸川知雄)

  • はじめに
  • マグロの危機
  • レアアースの危機
  • サンマの危機
  • おわりに

第II部 危機と政策

第5章 東日本大地震後の電力危機と危機対応――将来に備えた電力システム改革
【事前・事後】(松村敏弘)

  • はじめに
  • 東日本大震災と電力危機
  • 多様性の重要性
  • インフラ整備による電力危機回避
  • インバランス料金と電力危機
  • おわりに

第6章 危機と資本――金融危機の予防策としての自己資本規制の意義と問題点の検討
【事前・事後】(田中亘)

  • はじめに
  • 現行の自己資本規制
  • 自己資本規制強化論――アドマティとヘルビッヒの提言を中心に
  • 検証――自己資本規制の便益と費用
  • 最適な自己資本比率の推定――計量研究
  • おわりに

第7章 政策変数としての稀少確率評価――消極的予報による中庸化政策【確率・意識】(佐々木彈)

  • はじめに
  • 稀少確率の統計的検証とその技術的困難
  • 予報政策とそれに対する合理的反応
  • 予報政策に効果はあるのか
  • 予報政策の出番(1)――供給側の要因
  • 予報政策の出番(2)――需要側の要因
  • 稀発事象論の応用と展望
  • おわりに

第III部 危機と組織

第8章 危機を転機に変える――東日本大震災と企業の危機対応【事前・事後】(中村尚史)

  • はじめに
  • 釜石地域の水産加工業と小野食品
  • 震災直後――被災と存続の危機
  • 震災復興――創造的対応とその成果
  • 危機を転機に変える――三つの教訓
  • おわりに

第9章 危機対応と共有信念――明治期における鉱山技師・石渡信太郎を事例として
【確率・意識】(森本真世)

  • はじめに
  • 炭鉱における危機
  • 炭鉱における労働組合と共有信念
  • 石渡信太郎の経験――新たな共有信念の形成
  • おわりに

第10章 職場の危機としてのパワハラ
――なぜ「いじめ」は起きるのか
【事実・言説】(玄田有史)

  • はじめに
  • ハラスメント調査
  • ハラスメント経験と個人属性
  • ハラスメント経験と職場・仕事
  • おわりに

第IV部 危機と選択

第11章 アマチュア登山家の危機対応学
――リーダーの要諦【事前・事後】
(中川淳司)

第12章 教育,家族,危機――学校に対する評価の社会経済的差異とその帰結【確率・意識】(藤原翔)

  • はじめに
  • なぜ差がみられるのか――親と子供の危機対応
  • リサーチクエスチョンと方法
  • 結果
  • おわりに

第13章 移民受け入れへの態度をめぐるジレンマ――個人のライフコースに着目して
【個別・集団】(石田賢示)

  • はじめに
  • 移民受け入れの態度を分析するための視点
  • 分析に用いるデータと方法
  • パネルデータ分析の結果
  • おわりに――日本社会が移民と共生してゆくために
あとがき(飯田高)
索引
編者・執筆者紹介




危機対応の社会科学 下--未来への手応え 目次
はしがき(飯田高)

第I部 危機と法律

第1章 憲法と危機――非常事態条項をめぐって【事実・言説】(林 知更)

  • はじめに――「危機」という語り
  • 非常事態条項の規律モデル
  • 法治国家と非常事態
  • おわりに――限界状況の手前で

第2章 契約上の危機と事情変更の法理【事前・事後】(石川博康)

  • はじめに
  • 事情変更の法理をめぐる判例の状況
  • 法制審議会の審議過程における事情変更の法理の取扱い
  • 事情変更の法理の取扱いをめぐる取引的文脈の諸相
  • 信義則を基礎としたその他の法制度の明文化をめぐる状況
  • 事情変更に対する事前的対応としての誠実協議条項と完全合意条項
  • おわりに

第3章 リスクと危機の間――フランスにおける携帯電話基地問題を素材として
【確率・意識】(齋藤哲志)

  • はじめに
  • 司法過程
  • 立法過程
  • おわりに

第II部 危機と制度

第4章 制度によるブリコラージュ――規範と組織の再創造に向けて【個別・集団】(飯田高)

  • はじめに
  • 危機対応としての法制度
  • 制度的ブリコラージュ
  • 個人と制度
  • おわりに

第5章 近世国家の危機対応――適応と管理、自然と制度【個別・集団】(中林真幸)

  • はじめに
  • 適応と管理,自然と制度
  • 幕藩制国家
  • 近世後期における統治機構の改革
  • おわりに

第6章 日本の財政危機を巡る事実と言説【事実・言説】(藤谷武史)

  • はじめに
  • 財政危機とは何か?
  • 「財政危機」は来るのか,来ないのか――矮小化された問題
  • 「財政危機」の捉え方,向き合い方――constitutionalな選択の契機
  • おわりに

第7章 「国難」を深めたアベノミクスの6年――逆機能する税・社会保障【事実・言説】(大沢真理)

  • はじめに――本章の課題
  • 「共有できる流れ」とその盲点
  • 安倍政権の経済財政運営と社会保障の方針――「経済財政運営と改革の基本方針」にそくして
  • 安倍政権下の制度改正とその帰結
  • 分配と再分配
  • おわりに――「最近貧困率は下がった」のか

第III部 危機と価値

第8章 日本の「水素社会」言説――高リスクエネルギー政策と不安の利用【事実・言説】(グレゴリー・W・ノーブル)

  • はじめに
  • エネルギー――複数の目標,複数の脆弱性,潜在的危機
  • エネルギー危機と水素連合の関係――基本モデル
  • エネルギー危機に対する日本の脆弱性と水素の可能性
  • エネルギー危機を防ぐエネルギー媒体としての水素――強みと弱み
  • 日本の将来的危機への対応策としての「水素社会」の登場と進展
  • 不確実性と疑念のなかでの進歩
  • 海外の水素開発――共通点は多々あるが,日本ほど危機の言説に頼っていない
  • おわりに

第9章 陰鬱な危機対応――現在と未来のトレードオフ【事前・事後】(加藤晋)

  • はじめに――社会の未来と危機への対応
  • サンクトペテルブルクのパラドックス
  • 陰鬱な危機対応
  • 陰鬱な危機対応の意味
  • おわりに――理性と倫理

第10章 災害対応のための政策意識分析――コンジョイント分析を基に 【確率・意識】(川田恵介)

  • はじめに
  • 調査設計
  • 調査結果
  • おわりに

第IV部 危機と行動

第11章 女性のアドボカシー活動と提言――仙台防災枠組における国際連携【事前・事後】(スティール若希,レア・R・キンバー)

  • はじめに
  • 文献レビュー
  • 女性からの提言――日本国内の動きと国際的なフェミニストをつなげる
  • WMGからの重要な政策提言
  • ジェンダーと災害に関するWMGの提言活動の成果――実体とプロセス
  • おわりに

第12章 夫婦の危機が始まるとき――パネルデータからみた結婚満足度【個別・集団】(鈴木富美子・佐藤香)

  • はじめに
  • 結婚年数の経過と結婚満足度の変化
  • 夫婦の危機はいつか?――「NFRJ-08Panel」からの検討
  • 家族形成初期段階の夫婦関係――「高卒パネル調査」(JLPS-H)から
  • おわりに

第13章 考えたくない事態にどう対応するか?――災害への備えとネガティブ・ケイパビリティ【確率・意識】(有田伸)

  • はじめに
  • 地震の発生を意識することの心理的負担と災害への備え
  • 心理的負担の個人差とネガティブ・ケイパビリティ
  • 自然災害という危機に誰もが備えられる社会へ
  • おわりに

あとがき(玄田有史)