東京大学社会科学研究所

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研究

所員の著書

佐藤岩夫(著)『司法の法社会学Ⅱ — 統治の中の司法の動態』
(信山社、2022年8月)

2022.09.01更新

司法の法社会学Ⅱ
はしがき

Ⅵ 違憲審査制の動態

第14章 違憲審査制と内閣法制局 ― 比較法社会学的考察

 
  1. 1 問題の所在
  2. 2 内閣法制局の法令審査と最高裁判所の違憲判決
    1. (1) 内閣法制局の沿革
    2. (2) 内閣法制局の法令審査
    3. (3)  内閣法制局の事前審査と違憲判決
  3. 3 比較法的反証事例
    1. (1) フランス ― 国務院と憲法院
    2. (2) ドイツ ― 司法省と連邦憲法裁判所
    3. (3)  法令の事前審査機関の役割認識と裁判所の役割認識
  4. 4 最高裁判所の役割観
    1. (1) 内閣法制局の憲法解釈 ― 論理性の強調
    2. (2) 最高裁判所の憲法解釈 ― 司法の自制の強調
  5. 5 むすび

第15章 内閣法制局と最高裁判所の現在 ― 「統治=執政」の法的統制のゆくえ

 
  1. 1 はじめに
  2. 2 最高裁判所の消極性と内閣法制局 ― 媒介要因としての最高裁判所の役割観
    1. (1) 違憲判決の少なさと内閣法制局の事前審査
    2. (2) 最高裁判所の役割観の重要性
  3. 3 統治行為論 ― 政治部門への白紙委任か?
    1. (1) 最高裁判所の統治行為論
    2. (2) 内閣法制局の憲法9条解釈
  4. 4 内閣法制局の変化とその影響
    1. (1) 「統治=執政」作用と内閣法制局
    2. (2) 内閣法制局の「変化」とその波及効果
  5. 5 むすび ― 「統治=執政」の法的統制のゆくえ

第16章 「政治の司法化」とガバナンス

 
  1. 1 はじめに
  2. 2 世界的な「政治の司法化」
    1. (1) 「政治の司法化(judicialization)」
    2. (2) 「政治の司法化」の規定要因
  3. 3 英国におけるニュー・ガバナンスと「政治の司法化」
    1. (1) M・ビーヴァーのガバナンス論
    2. (2) ブレア政権の憲法改革・司法改革 ― 英国における「政治の司法化」
  4. 4 「政治の司法化」の日本的文脈
    1. (1) 司法の非政治性 ― 最高裁の違憲判決の少なさ
    2. (2) 近年の変化の兆し ― 司法制度改革、最高裁判所の積極化、内閣法制局の後退
  5. 5 マクロ・ガバナンスとミクロ・ガバナンスの連結― むすびにかえて

Ⅶ 司法制度改革への視点

第17章 裁判官の独立と法曹一元 ― 戦後司法の歴史的文脈の中で考える

 
  1. 1 はじめに
  2. 2 戦後の法曹一元論の展開
  3. 3 戦後司法における「裁判官の独立」
  4. 4 もう1つの戦後司法 ― ドイツの経験
  5. 5 むすび
  6. ・補論 〔書評〕J・M・ラムザイヤー&E・B・ラスムセン『司法の独立を測定する ― 日本の司法の政治経済学』

第18章 司法の〈統一性〉と〈非統一性(Uneinheitlichkeit)〉 ― 日独裁判所の司法観の比較

 
  1. 1 はじめに
  2. 2 「判決の統一性」と「裁判官の独立」
  3. 3 日本の裁判所の〈統一的・等質的〉司法観― 最高裁判決に従った判決の統一性の重視
  4. 4 ドイツの裁判所の〈非統一的(uneinheitlich)〉司法観 ― 裁判官の独立と下級裁判所の判決を機縁とする法発展の重視
  5. 5 むすび ― 「創られた伝統」としての〈統一的・等質的司法〉

第19章 裁判官の「多様化・多元化」を支える「独立と自治」

 
  1. 1 司法制度改革審議会中間報告
  2. 2 裁判官の給源の「多様化、多元化」
  3. 3 裁判官の「独立と自治」
  4. 4 「等質的・統一的」司法観を超えて

第20章 「公共性の空間」と司法

 
  1. 1 はじめに
  2. 2 市民オンブズマン活動
  3. 3 結社する個人による市民的=批判的公共圏
    1. (1) 〈操作的公共圏〉と〈市民的=批判的公共圏〉
    2. (2) 〈孤立した個人〉と〈結社する個人〉
  4. 4 市民的=批判的公共圏形成の契機としての訴訟
  5. 5 むすび

第21章 政治的公論における〈司法の不在〉をめぐって

 
  1. 1 はじめに
  2. 2 違憲立法審査制による政治ディアローグの変化― ヨーロッパの場合
  3. 3 司法制度改革の最重要課題 ― 違憲立法審査制の活性化
  4. 4 「政治的中立性論」の問題点
  5. 5 「統一的・等質的司法観」の問題点
  6. 6 批判的公論の担い手としての司法

第22章 司法制度改革の意義と課題 ― 司法制度改革審議会最終意見書をめぐって

 
  1. 1 司法制度改革審議会最終意見書
  2. 2 原点に返って ― 日本の司法の何が問題だったのか 140
  3. 3 国民の利用しやすい司法制度の実現をめぐって
  4. 4 「裁判官の独立」と「国民の司法参加」をめぐって
  5. 5 「未完」の司法改革

Ⅷ 変動期の弁護士

第23章 変動期の日本の弁護士

 
  1. 1 はじめに
  2. 2 弁護士経済基盤調査の概要と特徴
    1. (1) 弁護士経済基盤調査の概要
    2. (2) 弁護士経済基盤調査の学術的意義
  3. 3 弁護士経済基盤調査に見る日本の弁護士の長期的傾向
    1. (1) 日本の弁護士の組織・構造の伝統的特徴 ― 六本の指摘
    2. (2) 近年の状況の変化
  4. 4 むすび

第24章 弁護士人口の拡大と依頼者層 ― 世界の動向と日本

 
  1. 1 はじめに
  2. 2 「世界的な弁護士人口の急増」 ― M・ギャランターの議論
  3. 3 日本における弁護士依頼者層の長期的動向
    1. (1) 依頼者層に対応した業務の分化
    2. (2) 各依頼者層に対する弁護士業務の量的変化
  4. 4 むすび ― 弁護士政策の課題
    1. (1) 大企業法務の拡大と弁護士プロフェッションの一体性
    2. (2) 中小企業経営者の非法的傾向
    3. (3)  個人依頼者と公益弁護

Ⅸ 司 法 統 計

第25章 19世紀ヨーロッパと近代司法統計の発展

 
  1. 1 はじめに ― 〈印刷された数字の洪水〉
  2. 2 19世紀ヨーロッパにおける司法統計の発展
    1. (1) 前 史
    2. (2) 19世紀における近代的司法統計の発展
  3. 3 経済成長と民事訴訟の増大
    1. (1) プロイセンの司法統計
    2. (2) 経済成長と民事訴訟の増加
    3. (3)  消費者信用の拡大
  4. 4 むすび

第26章 〔翻訳〕クリスチャン・ヴォルシュレーガー「民事訴訟の比較歴史分析 ― 司法統計から見た日本の法文化」

 
  1. 序 論
  2. 1 訴訟率の国際比較
    1. (1) 現代の訴訟率
    2. (2) 歴史的・国際的比較における事件数の計算
  3. 2 日本の第一審裁判所の民事事件の120年
    1. (1) 民事訴訟利用の時期区分
    2. (2) A期 ― 近代的裁判所の開始期(1875年-1889年)
    3. (3)  B期 ― 大日本帝国期(1889年-1937年)
    4. (4)  C期 ― 戦争と復興の時期(1938年-1953年)
    5. (5)  D期 ― 戦後高度経済成長期(1954年-1973年)
    6. (6)  E期 ― 現在の展開(1974年-1994年)
    7. (7)  民事事件数の構成
    8. (8)  小 括
  4. 3 近世の江戸および大坂における裁判所の事件処理
    1. (1) 幕府体制の民事司法
    2. (2) 数量的証拠
  5. 4 欧米における訴訟の歴史的傾向
    1. (1) 訴訟の指数関数的増加 ― 1912年-1990年のアリゾナ州
    2. (2) 農業貧困と消費社会化 ― 1830年-1994年のスウェーデンにおける訴訟の長期的な衰退と増加
    3. (3)  訴訟の爆発と長期的安定 ― 1880年-1991年のドイツ
    4. (4)  都市化・産業化と訴訟の増加 ― 1773年-1913年のプロイセン(ベルリンおよびブランデンブルク)
  6. 5 訴訟回避の歴史的持続性
    1. (1) 長期的パターン ― 低水準での停滞
    2. (2) 前近代の大都市の訴訟
    3. (3)  明治改革期の訴訟の波
    4. (4)  公式調停の非重要性
    5. (5)  大日本帝国期から戦後日本にかけての下方移行
    6. (6)  石油危機後の傾向変化と将来の展開
  7. 6 結語 ― 理論と歴史司法統計
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