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- 松永伸太朗・園田 薫・中川宗人(編著)寺澤さやか他(著)『21世紀の産業・労働社会学 ー「働く人間」へのアプローチー』
所員の著書
松永伸太朗・園田 薫・中川宗人(編著)寺澤さやか他(著)『21世紀の産業・労働社会学 ー「働く人間」へのアプローチー』
(ナカニシヤ出版、2022年4月)
2022.5.23更新
序 章 「働くこと」の社会学を再考する
産業・労働社会学の21世紀的展開と展望
松永 伸太朗・中川 宗人・園田 薫
- 1 「働くこと」をめぐる視点の複数性と社会学の立場
- 2 労働をめぐる社会学の拡散状況
- 3 「働く人間へのアプローチ」という起源
- 4 企業と労働市場
- 5 労働者と労働現場
- 6 企業・労働市場と労働者をめぐる理論と学説
第1部 企業と労働市場
第1部 イントロダクション
働く場の境界,構造,変容に迫る
中川 宗人
- 1 働く場への着目
- 2 日本的雇用システムの概要
- 3 日本的雇用システムの研究史
- 4 働く場へのアプローチの焦点としての組織
第1章 企業データの計量分析からみる新卒採用のジェンダー不平等
WLB施策と企業の経営状況との関連から
吉田 航
- 1 問題設定:採用のジェンダー不平等を企業から捉える
- 2 先行研究と仮説:WLB施策の効果は,企業業績によって変わるのか?
- 3 方法:企業データの計量分析
- 4 分析結果:企業業績によって変化するWLB施策の効果
- 5 解釈:WLB施策をめぐる陥穽
- 6 結論:雇用の不平等生成メカニズムの解明に向けて
第2章 外国人を採用する日本企業の説明と認識
社会の論理と企業の論理の交差点
園田 薫
- 1 日本企業は外国人とどのように向き合ってきたのか
- 2 企業の行動に潜む人間性を検討する意義
- 3 本章の扱うデータと対象
- 4 外国人の採用をめぐる二つの説明と認識
- 5 企業にとって望ましい外国人とは何か
第3章 経営モデルの企業組織への導入
1940~60年代における「人間関係論」を対象として
中川 宗人
- 1 はじめに
- 2 課題と方法
- 3 人間関係論の導入過程の検討
- 4 おわりに
第4章 企業と地域の結節点としての「企業内コミュニティ」
日立製作所における自衛消防隊の三つの機能
長谷部 弘道
- 1 企業コミュニティ論の課題
- 2 地域コミュニティをめぐる研究の課題と本章の目的
- 3 日立製作所における消防隊の発足とその機能
- 4 結論と展望
第5章 組織境界の複数性
組織は多様な活動をどのように可能にしているのか
樋口 あゆみ
- 1 なぜ組織境界の境界が問題となるのか
- 2 先行研究と本章の立場
- 3 安定的境界から動態的境界へ
- 4 組織の開放性と閉鎖性はいかに記述可能か
- 5 「組織境界が複数ある」とはどのような意味においてか
- 6 動態的境界とつき合い続けるマネジメント
第2部 労働者と労働現場
第2部 イントロダクション
「労働者であること」とはいかなることか?
松永 伸太朗
- 1 社会秩序を形成する主体としての労働者
- 2 労働者になること:社会化の問題
- 3 労働者であることと社会的役割との葛藤
- 4 労働現場における労働者の多面性
第6章 教育システムと労働市場のリンケージ
日本の職業教育の強さに関する社会階層研究からのアプローチ
小川 和孝
- 1 本章の目的と構成
- 2 社会階層研究における「労働」の捉え方
- 3 教育システムと労働市場の関連性
- 4 学校から仕事への移行に関する日本社会の制度的文脈
- 5 教育システムの国際比較における日本の位置づけ
- 6 ミクロレベルで教育–職業のリンケージを捉えるアプローチ
- 7 結 論
第7章 日本的な働き方と対峙する大学生
就職活動過程の検討を通じて
妹尾 麻美
- 1 問われてこなかった就職活動
- 2 ライフコースと仕事
- 3 状況の定義という視座
- 4 大学生の就職活動過程
- 5 「サラリーマン」になること
第8章 不妊治療と仕事の両立の葛藤をめぐる計量テキスト分析
職種の違いに着目して
寺澤 さやか
- 1 不妊治療という盲点
- 2 職種を問う必要性
- 3 「不妊治療と仕事の両立」という課題の特異性
- 4 不妊治療の経験についての計量テキスト分析
- 5 職種ごとの特徴
- 6 女性労働研究に不妊治療を位置づける
第9章 新型コロナウィルス感染症の影響下における年休取得行動
コロナ禍で実施したアンケート調査の計量テキスト分析から
井草 剛
- 1 日本の年休取得
- 2 コロナ禍で年休を残す理由
- 3 年休に関する先行研究
- 4 調査の概要と主な集計結果
- 5 アンケートの分析
- 6 年休取得行動の変化と今後の課題
第10章 日本の外国人労働者問題
単純労働力としての留学生労働者を中心に
朴 知遠
- 1 少子高齢化と外国人労働者の受け入れ,そして留学生
- 2 先行研究分析
- 3 先行研究の問題点と解決策:重層的存在としての留学生
- 4 現場研究の具体例:サービス職パートタイマー留学生に対する参与観察研究
- 5 パンデミック以降の外国人受け入れ政策の変化:留学生を中心に
- 6 結論:今後の変化と留学生労働研究の課題
第11章 労働時間の弾力化と「リズムの専門性」
フリーランス労働における無収入リスクへの対処を事例として
松永 伸太朗
- 1 労働時間の弾力化と個人による労働時間管理
- 2 産業・労働社会学における労働の「時間経験」と「リズムの専門性」
- 3 アニメーターの仕事の特徴
- 4 「リズムの専門家」としてのアニメーター
- 5 労働時間の社会学的記述
第3部 企業・労働市場と労働者をめぐる理論と学説
第3部 イントロダクション
社会学はいかに「働くこと」を捉えるのか
園田 薫
- 1 社会学で「働くこと」はどのように捉えられてきたのか
- 2 日本の社会学は何を明らかにしてきたのか
- 3 社会構造の変容と「21世紀の産業・労働社会学」の構築に向けて
第12章 日本の産業・労働社会学の学説史的反省
経済現象を捉える領域社会学との関係性に着目して
園田 薫
- 1 問題関心と先行研究の整理:多様化する領域社会学の俯瞰と学説史的分析の意義
- 2 労働現象を扱う領域社会学の現在
- 3 「産業・労働社会学」はいかに形成されたのか
- 4 「21世紀の産業・労働社会学」の構築に向けて
第13章 「当事者の論理」を記述するとはいかなることか
マイケル・ブラウォイの同意生産論のエスノメソドロジー的再考
松永 伸太朗
- 1 産業・労働社会学における方法論的議論の欠如
- 2 ブラウォイの同意生産論
- 3 規則–実践の関係の記述へ
- 4 「当事者の論理」と労働社会学
第14章 失業が作る近代
戦中・戦後日本の社会政策思想はなぜ西洋由来の失業概念を用いたのか
西田 尚輝
- 1 失業概念をめぐる歴史と政治
- 2 社会的構築物としての失業カテゴリー
- 3 戦間期と戦後改革期の日本における失業問題と社会政策思想
- 4 カテゴリーという現実への批判的視座
第15章 「新しい社会運動」論と労働運動論
労働運動の質的転換と社会運動論的変数の検討
中根 多惠
- 1 労働社会学と社会運動論の乖離
- 2 労働社会学の視座から:労働運動の質的転換と河西宏祐の運動論
- 3 社会運動論の視座から:理論的パラダイムシフトによる労働運動の等閑視
- 4 労働社会学で「社会運動論的変数」を検討する
終 章 21世紀の産業・労働社会学の構想に向けて
領域社会学における境界認識の転換とプラットフォーム化
園田 薫・中川 宗人・松永 伸太朗
- 1 「働くこと」をめぐる視点の複数性と社会学の立場について
- 2 労働現象の社会学をめぐる拡散状況について
- 3 人間溯及的視点について
- 4 論じられていないもの
- 5 労働研究にたいして
事項索引
人名索引