序　もっともっと自由な「知」の風を──西と東と

Ⅰ　身近な「知」こそ、深遠な「知」

1. １　戦時下でも精神の健全さを──林　達夫
2. ２　自由のための「考える言葉」──中井正一
3. ３　ダイアローグの思想家──鶴見俊輔
4. ４　かくれ里に残された「内発的」な拠り所──鶴見和子
5. ５　自由奔放に描いた新たな世界地図──梅棹忠夫
6. ６　「知のコモンズ」という大いなる実験の記憶──桑原武夫
7. ７　水底に隠された「日本」を見つけた知の巨人──梅原　猛
8. ８　土着と外来をめぐるアンビバレントな思想──上山春平
9. ９　西と東を融合させた国民作家──司馬遼太郎

Ⅱ　ダイナミックな「知」の遊泳

1. 10　民から築き、一国の文明を興す──福澤諭吉
2. 11　不完全さを想像力で補うアート──岡倉天心
3. 12　隔てられた運命に抗した抵抗と気概──九鬼周造
4. 13　神々や粘菌の森とともに──南方熊楠
5. 14　人生の悲哀から世界哲学へ──西田幾多郎
6. 15　ネットワークの中で覚醒する知──鈴木大拙
7. 16　民藝という帝国日本へのプロテスト──柳　宗悦
8. 17　すぐそばにある、想像もできない「生の営み」──柳田國男
9. 18　死と孤独と自由を見つめた哲学者──三木　清
10. 19　自由が希薄になる社会でこそ唯物論──戸坂　潤

Ⅲ　「知」が時代をのぞく

1. 20　生活から倫理を紡ぐ──与謝野晶子
2. 21　明るすぎる東京に距離をおいて──谷崎潤一郎
3. 22　名もなきヒーローへの讃歌──手塚治虫
4. 23　対話なき精神的真空への警告──高坂正堯
5. 24　「アルス」としてのしなやかな社交──山崎正和
6. 25　人の悲しみを理解することこそ──岡　潔
7. 26　仮構の現実を噛みしめる──山崎豊子
8. 27　近代女性の思想的水脈を描く──瀬戸内寂聴
9. 28　グローバル時代の新たな日本語の模索──村上春樹
10. 29　学者と仙人の残像──アレックス・カー