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- 東京大学社会科学研究所/宇野重規/加藤晋/保城広至 編『社会科学のメソドロジー1』価値と事象の社会科学
所員の著書
東京大学社会科学研究所/
宇野重規/加藤晋/保城広至 編
『社会科学のメソドロジー1』価値と事象の社会科学
(東京大学出版会、2025年10月)
2025.10.07 更新

総説 社会科学のメソドロジーをめぐって 宇野重規・加藤晋
- 1.社会科学の変化とポパーの社会科学批判
- 2.計測と価値判断
- 3.パンデミックを測る
- 4.問われる社会科学のメソドロジー
序章 人間社会を分析する––二重の価値と社会科学のメソドロジー 保城広至
- 1.はじめに
- 2.マックス・ウェーバーと学問の価値
- 3.認識論的価値とメソドロジー
- 4.倫理的/社会的価値とメソドロジー
- 5.本書の構成と概要
- 6.おわりに
第I部 価値を測るための方法論
第1章 統計的因果推論と政策形成––EBPMの科学哲学的背景とその展開 田中隆一・保城広至
- 1.はじめに
- 2.統計的因果推論
- 3.統計的因果推論の哲学的考察
- 4.政策形成と統計的因果推論
- 5.おわりに
第2章「社会科学の方法」再訪––「日本の社会科学」を超えて 宇野重規
- 1.はじめに
- 2.「日本の社会科学」を論じること
- 3.現代社会科学の変貌(1) ––「社会構築主義」
- 4.現代社会科学の変貌(2) ––「統計学・データサイエンス」
- 5.現代社会科学の近代理解
- 6.おわりに
第3章 社会科学におけるミュルダール「価値前提の明示」の方法論––ウェーバーとEBPMを媒介する批判的視座 藤田菜々子
- 1.はじめに
- 2.ミュルダール経済学における「価値前提の明示」の方法論
- 3.ウェーバーとの比較におけるミュルダールの方法論
- 4.EBPMとミュルダールの方法論
- 5.おわりに
第4章 社会科学における実定法学の位置––プラグマティズムを手がかりに 藤谷武史
- 1.はじめに
- 2.「科学」と「実定法学」の関係・再論
- 3.プラグマティズムと実定法学
- 4.おわりに
第Ⅱ部 価値の哲学的・理論的検討
第5章 価値判断と「マルクス的」反実仮想––序数から基数へ 加藤晋
- 1.はじめに
- 2.パレート主義経済学の基本的価値前提
- 3.効用の基数性
- 4.反実仮想と倫理的測度
- 5.おわりに
第6章 「価値の測定」をめぐる規範的問題の考察––帰結主義的アプローチの批判的検討を通じて 押谷健
- 1.はじめに––問題の所在
- 2.価値の測定と目的論的な価値の構想
- 3.費用便益分析をめぐる哲学的論点
- 4.非目的論的な規範的推論方法としての契約主義
- 5.おわりに
第7章 福利と「値すること」––マシュー・アドラーの功績中立性の主張について 田中亘
- 1.はじめに
- 2.「望ましさ」は何を基準に判断するのか––キャプローとシャベルの厚生主義の主張
- 3.アドラーの功績中立性の主張
- 4.キャプローとシャベルの主張(パレート抵触定理)との比較
- 5.功績原理がパレート原理に抵触することの含意
- 6.おわりに
第8章 モデルにおける動きの流れを『測る』––ゲーム理論・経済理論モデルにおける均衡の安定性とリャプノフ関数 図斎大
- 1.はじめに––モデルにおける「自然」と,動きの流れを「測る」こと
- 2.社会を数理モデルで記述し「解く」
- 3.社会のモデルの中で動く流れ
- 4.動学のバリエーションと「自然」
- 5.「測る」ことから意識する「自然」
- 6.おわりに
第Ⅲ部 現実社会における価値
第9章 国益とは何か?––国際政治/日本外交における価値 保城広至
- 1.はじめに
- 2.日本政府における国益とは何か?
- 3.国益は定義できるのか?––国益をめぐる研究者の見解
- 4.国家安全保障としての国益再考
- 5.おわりに––国益を語る際に
第10章 想像の果て––AIと租税をめぐる議論とともに 沈恬恬
- 1.はじめに
- 2.AIに対する課税
- 3.AIによる課税
- 4.データに対する課税? データ労働?
- 5.炭素税?
- 6.おわりに
第11章 統計分析と差別のジレンマ––人種・民族・移民的背景の統計的把握の諸問題 永吉希久子
- 1.はじめに
- 2.民族統計と格差
- 3.第1の問題––分類に伴うカテゴリの本質化・実体化
- 4.第2の問題––民族/人種, 移民的背景の測定の妥当性
- 5.第3の問題––原因としての民族/人種, 移民的背景の位置づけの妥当性
- 6.おわりに
第12章 日本の社会科学はなにを求められているのか––社会調査から見る大学への期待 田中隆一、ケネス・盛・マッケルウェイン
- 1.はじめに
- 2.学問の社会的価値
- 3.社会科学系学部の発展と現況
- 4.データと変数
- 5.分析結果
- 6.おわりに