『社会科学研究』第59巻第2号

釜石市におけるグリーン・ツーリズムの意義
The significance of green-tourism activities in Kamaishi City
大堀研/OHORI Ken

Keywords: グリーン・ツーリズム, 観光, 文化や自然への影響, 「地域を支える市民」, 地域文化,

抄録

 新日鐵の合理化に伴い地域社会が大きく変貌した釜石市では,地域の再活性化のために様々な取り組みがなされている.グリーン・ツーリズムもその一つである.本稿の目的は,釜石市におけるグリーン・ツーリズムの現況と,直面している課題を検討することによって,その活動の意義を把握することにある.釜石市はかつて「鉄のまち」として知られていたことから,「観光地」としてのイメージに乏しい.この点は釜石市におけるグリーン・ツーリズムも含めた観光業の拡大には不利な要素となりうる.しかし,釜石市におけるグリーン・ツーリズムの意義は観光客数の増大にのみあるわけではない.グリーン・ツーリズムが地域の自然や文化を資源とするものであることを考慮すると,活動を通じて地域への思いが深められ,結果的に「地域を支える市民」が増加しうる可能性がある.この点に,釜石市におけるグリーン・ツーリズムの意義を見出しうることを論じる. 

abstract

Kamaishi City has suffered a significant decline in its population in conjunction with the rationalization of the Nippon Steel Corporation. In such circumstances, various efforts are underway to revitalize local economies and communities. Green-tourism is one such endeavor. The purpose of this paper is to consider the significance of green-tourism activities in Kamaishi City via an examination of the current state of, and challenges facing, the activities. It is difficult to imagine that such a municipality as Kamaishi City will develop from an iron town to a tourism center due to green-tourism, thus revitalizing its regional economies. However, even if the tourist industry does not significantly develop, ample significance can be found in green-tourism activities insofar as it fosters "local consciousness" among local residents.

社會科學研究 第59巻 第2号(2008-02-25発行)

(更新日: 2012年 11月 2日)

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