東京大学社会科学研究所

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研究

所員の著書

有田伸
『就業機会と報酬格差の社会学 非正規雇用・社会階層の日韓比較』
(東京大学出版会, 2016年3月)

2016.3.29更新

新刊著者訪問にて有田先生にインタビューしています.

序章 日本の格差問題を理解するために、いまいかなる視角が必要か?

はじめに
1 日本の格差研究の課題
2 本書のアプローチと構成

1章 ポジションに基づく報酬格差への視座――議論の整理と課題の導出

はじめに
1 報酬格差に対する社会学的アプローチの可能性
 1-1 グラノヴェター論文に基づく報酬決定理論の整理
 1-2 社会学は何を課題とすべきか?:グラノヴェターの試みとさらなる課題
2 社会階層・階級の分類枠組みとポジション要因論
3 日本における階層分類:職業機会の分類はいかなる基準に基づくべきか?
小結

2章 所得と主観的地位評価の格差――企業規模と雇用形態の影響は本当に大きいのか?

はじめに
1 分析視角・データと方法
2 回帰分析結果
3 各条件の総合的な効果の比較
小結

3章 雇用形態・企業規模間の賃金格差――パネルデータの分析を通じて

はじめに
1 パネルデータとその分析方法
2 通常のモデルによる分析結果:日本
3 固定効果モデルと一階差分モデルの仮定の再検討
4 変化の向きを区別した雇用形態・企業規模効果の分析
 4-1 雇用形態の変化の効果
 4-2 企業規模の効果
5 韓国における雇用形態・企業規模効果の分析
小結

4章 日本と韓国における「非正規雇用」とは何か?――政府雇用統計における被雇用者の下位分類方式とその変化

はじめに
1 労働力調査における従業上の地位項目とその変化
2 経済活動人口調査における従業上の地位項目:韓国
3 非正規雇用の多次元的・直接的把握の試み:韓国
4 「呼称」に基づく非正規雇用の補足:日本
小結

5章 正規雇用/非正規雇用の区分と報酬格差――雇用形態の違いはどのような意味で格差の「独立変数」であるのか?

はじめに
1 韓国における非正規雇用の性格:企業規模との関係を中心に
 1-1 経済活動人口調査の臨時・日雇
 1-2 労使政委員会の定義に基づく非正規雇用
2 韓国における「正社員とは区別される従業員」
3 調査データを通じてみる韓国の非正規雇用と報酬格差
 3-1 非正規雇用の分布とその性格
 3-2 正規/非正規雇用間報酬格差の分析
4 韓国との比較を通じてみる日本の正規/非正規雇用間格差
小結

6章 ポジションにもとづく報酬格差の説明枠組み――付与された意味・想定による格差の「正当化」に着目して

はじめに
1 ポジションに基づく報酬格差への社会学的アプローチ
 1-1 「埋め込み」(embeddedness)の概念
 1-2 分配の公平性と共有された理解
2 正規/非正規雇用間の区分と報酬格差を成り立たせているもの
3 正規/非正規雇用間報酬格差の正当化ロジック:日本型雇用システムと生活保障
4 正規/非正規雇用間の報酬格差を支えるもうひとつの論理
5 ポジションに基づく報酬格差と雇用上の身分論
小結

終章 日本社会の格差問題の理解と解決に向けて

1 日本の報酬格差とその特徴:本書の考察結果の整理
2 社会問題としての日本の非正規雇用
3 韓国における非正規雇用問題への取り組み
4 日本の非正規雇用問題の解決の方向:可能性と留意点

参考文献
あとがき
索引
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