社研卒業生の現在(いま)

菅 万理 さん

現在、兵庫県立大学経済学部でご活躍の菅 万理さんに、社研在籍当時や最近のご様子についてお話を伺いました。

菅万理さん

プロフィール

菅 万理(かん まり)

兵庫県立大学経済学部(准教授)
専門分野:医療経済学、社会保障

社研在職期間:2008年4月~2009年3月

助教

  社研では2008年4月から2009年3月まで国際交流担当助教として、 SSJJの編集補助、 SSJ-Newsletterの編集などに携わりました。 任務の傍ら社研パネルの研究会に参加させていただいたり、データを使わせていただいたりしていた繋がりで、2009年4月から2015年6月までは 社研パネル「働き方とライフスタイルの変化に関する全国調査」 調査企画委員会の一員として研究会や研究成果報告会に関わらせていただきました。

  私が最初に社研の存在を知ったのは、米国・ミシガン大学で修士号を取得した後、大学附置の Institute for Social Research (ISR)で研究員として働いている時でした。 ISRはパネルデータの先駆的存在であるPanel Study of Income Dynamicsや近年世界各国に広がる中高年者パネル調査のルーツといえるHealth and Retirement Studyなどの調査を実施する実証研究のメッカのようなところで、世界中から第一線の研究者やポスドクが往来し、錚々たる日本人研究者にもお会いする機会に恵まれました。社研の石田浩先生もそのような研究者のおひとりでした。

  帰国し博士号を取得した後、 SSJデータアーカイブ より提供を受けたパネルデータを使い健康格差に関する研究を進めていましたところ、偶然にも石田先生の論文に行き当たりました。健康格差については公衆衛生学や社会疫学の分野では古くから多くの研究蓄積がありますが、当時日本のデータを使った社会科学系の先行研究はほとんどなく、私の分野は経済学であるものの社会学の石田先生の論文を参考に研究を進めました。論文へのコメントをいただきたく、ミシガンでの面識を頼りに連絡をとりましたところ、ちょうど国際交流担当の助教を募集しているというお話をお聞きし、応募させていただいたのが社研とのご縁の始まりでした。その論文は経済学的なアプローチに腐心し何度も書き直した後、2009年『医療経済研究』から公刊することができました。

  着任当時の社研では、2005年から 「希望学」プロジェクト 、2006年から「働き方とライフスタイルの変化に関する全国調査」と、社研を特徴づけるような大プロジェクトが躍動していました。私にとって社研とは、緻密に掘り下げていく研究と、分野を超えて広く社会に発信する研究のクロスロードのような場所でした。数年前、希望学に触発されて思いついた私の個人的なプロジェクトを玄田有史先生に相談したところ、大変親身で細やかなアドバイスをいただきました。私の読みの浅さから一度は立ち消えになったプロジェクトは、その後何度も検討を繰り返し、当初の路線とはずいぶん異なるものになりましたが、昨年から再度動き始めました。来年の今頃にはご報告できるよう、現在多くの協力者の方々と集中して作業を進めているところです。

  助教としてはわずか1年のお付き合いだったにも関わらず、その後長くに渡り社研パネルを通して分野を超えた研究交流の機会を与えていただいたことに感謝の思いが尽きません。現在は、兵庫県立大学経済学部で社会保障や医療経済学の講義、ゼミを担当する傍ら、パネルデータを用いて制度・政策やライフイベントが健康や行動に与える効果を検証しています。その一方で、何か社研的なもの‐広く社会に還元できる研究‐の模索を続けてもいます。

現在取り組まれているプロジェクトについて来年にはご報告いただけるとのこと、大変楽しみにしております。 今は佳境ですね!お忙しい中、本日はありがとうございました。

(2016年9月20日掲載)

「職業の経済学」表紙

追記 2017年11月07日
菅先生より、上記プロジェクトが出版の形となりました、とご報告を頂きました。
『職業の経済学』 阿部 正浩・菅 万理・勇上 和史 編集 中央経済社 (2017/9/27)

最近、嬉しかったことは何ですか?
コラム1 コラム2 この夏、中学校の同窓会がありました。留学をはさんで国内外で転居を繰り返したり、帰国後も職場が変わったりすることが多く、同窓会との音信もすっかり途絶えてしまっていたのですが、5月のある日、職場に同窓会案内のハガキが届きました。大変嬉しく、私を見つけ出してくれたことに大変感謝しました。当日は、学年3クラス135名のうち70数名が集い、ウン十年の歳月を経ても気分は一気に中学生で楽しい時間を過ごしました。

実は私たちの母校「神戸大学附属明石中学校」はもうありません。神戸大学の附属学校再編によって、2015年に完全に閉校になってしまったのです。明石市の明石中学校と神戸市東灘区の住吉中学校の2校制だったところ、中高一貫教育の神戸大学付属中等教育学校を整備するに当たり住吉校に統合されました。大変哀しい出来事ですが、同窓会で同級生たちと思いを共有できたことは幸せでした。

写真: 有志があらかじめ撮影してくれた動画や画像がスライドショーで上映されました。この写真はその一部。

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