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- 1. 外国人研究員に対するアンケート結果
外部評価報告書
<提出資料> 付属文書2. 社会科学研究所が受け入れた外国人研究員についての資料
1. 外国人研究員に対するアンケート結果
前書
Review Reportの4国際交流2)外国人研究者の項でのべたように、社会科学研究所では、1950年代半ばから継続的に「外国人研究者」(海外研究機関・大学等に所属する研究者や博士候補生)を受け入れ、研究上の便宜をはかってきた。その数は1999年7月1日現在で、のべ490名(実数399名)にのぼる。今回の外部評価実施に当たり研究所では、これらの「外国人研究者」のうち、連絡先が確認できる225名に対してアンケート調査を行い、その結果を参考資料として示すことにした。7月1日現在で、寄せられた回答数は72(うち社研在籍時の身分が博士候補生だった者の回答数は34)であり、回収率は32%である。回答を寄せてくれた「外国人研究者」の皆さんに心からお礼申し上げる。以下に本文書の目次と内容を示す。
- INDEX
- 統計数値分析
ここでは、今回行った2種類のアンケート調査の項目について概要を紹介した後、統計的な処理が可能な回答部分について、一定の分析を試みている。アンケート用紙の見本、及び統計数値表自体は、それぞれ参考資料1、2として本文書の末尾に示した。 - コメントの項目別整理
ここではアンケートへの回答で寄せられたコメント類について、研究所への提言や助言、スタッフの研究活動への評価等、7つの項目別に整理した上で紹介している。 - コメントの内容分析
以上のコメント類から何が読みとれるかについて、とくに研究所の将来構想や努力目標、事業展開の方向などの観点から、一定の分析を試みたのがこの部分である。建設的な提言等を寄せられた回答者の皆さんに改めて感謝したい。 - 参考資料
1.アンケート用紙見本
2.統計数値表
3.外国人客員研究員国別受入数表
- 統計数値分析
統計数値分析
前記したように、今回の外部評価実施に当たり研究所では、225名の「外国人研究者」に対してアンケート調査を行い、7月1日現在で72の回答が寄せられた。回収率は32%である。以下では、外部評価の参考とするために、各項目への回答のうち、数値化できるものを集計した結果(巻末参考資料2参照)から何が読みとれるかについて、一つの見方を示す。
アンケートは二種類からなる。
<1>では、(1)で社研に在籍した際のファンドの出所、(2)で在籍時に既にポストを持つ研究者だった人に、社研での研究がどの程度有効だったか、(3)でその際どういう面がとくに役立ったかをそれぞれ尋ね、(4)では具体的な成果刊行物があれば、それを記して貰った。
(5)(6)では、在籍時に博士候補生だった人に、上の(2)(3)と同じ質問をし、(7)でその後、博士号を取得したか否かを尋ね、イエスの場合には、取得の年と論文の題目を記して貰った。
(8)では、研究ポストを現に得ている場合、社研在籍中の研究がどの程度そのポストの取得に役立ったか、(9)では、回答者が日本ないしアジア関係学会の役員になったことがあるか否か、(10)では社研在籍時以外の日本での滞在の有無と、それらの滞在数の合計がどの位の長さになるか、(11)では、日本の研究機関や学会等から招かれて報告をしたことがあるか否か、(12)ではその際のファンドの出所を、そして(13)では海外の大学や機関等でこれまで日本関係の研究者を養成したことがあるか否かを、それぞれ尋ねている。
この<1>への回答から窺える点は以下のようである。
まず(1)のファンドの出所では、国際交流基金が圧倒的に多く、ついで外国政府の給付金や私的基金が続き、日本政府給付金やフルブライト奨学金がそれについでいる。これらは社研に在籍した「外国人研究者」が、いずれも厳しい競争を経てきた人々であることを示している。
(2)への回答では、非常に、ないし相当に貢献したという回答がほぼ同数で全体の90%以上を占め、その際、社研の受け入れ担当者の助言、図書室の資料、スタッフとの交流、外部調査のよき拠点としての機能などが、ほぼ同数で有益だったと評価されている((3)への回答参照)。これに対して社研でのグループ研究への参加が役だったという回答は少ない(4通)。自分の研究テーマとの適合性、言語の壁などの原因が考えられる。
(4)への回答では20名が、刊行物名を社研での研究の具体的成果としてあげている。これは72名中、博士候補生34名を引いた38名のうちの数であり、博士候補生34名のうち28名は博士論文を刊行もしくは執筆しているから(後述参照)、全体では72名中の48名が成果を出していることになる。約67%であり、相当の達成率といえよう。
(5)への回答では(2)への回答以上に、非常にないし相当に貢献したという評価が多く(全体の約97%、「非常に」だけで約60%)、その際、社研の受け入れ担当者の助言、図書室の資料、外部調査のよき拠点としての機能がほぼ同数で有益だったと評価されている((6)への回答参照)。(4)への回答と比べるとスタッフとの交流という面での数が減るのは、候補生がまだ若くそこまで余裕がないという面が大きいだろう。
(7)への回答では、34名中26名が博士号を取得しており、これは約76%の達成率にあたる。別に2名が博士論文を執筆し審査を受けつつある。なお博士号を取得していない者の多くは、現在ないしごく近い過去に社研に在籍した人々であり、近い将来成果を上げることが期待できる。これらの数字から窺うかぎりでは、海外の社会科学的な日本研究分野での研究者養成に、社研は大きく貢献しているといえよう。
(8)への回答では、社研在籍が現ポストの取得に余り役立たなかったとするものが約42%、非常に、あるいはかなり役立ったとするものが合わせて約30%あった。少し役立ったとする回答も入れれば約58%である。ポストは日本の大学等のそれも含んでおり、必ずしも海外での就職だけに関わる数字ではないが、上の博士号取得者の数もあわせて、専門的な日本の社会科学研究者の養成に社研が果たしている役割の大きさを示した数字といえよう。なおこの質問への回答数は72名中33名であり、回答者は博士候補生にかぎらない。
つぎに(9)への回答によれば、24名が海外での日本ないしアジア関係学会の役員を務めており、(10)への回答では、34名が社研在籍時以外にも来日した経験をもち、うち25名が1年以上の滞在である。そして30名が日本の大学や学会から招かれて報告や講演をしており((11)への回答参照)、さらに27名が海外の大学や機関等で、日本関係の研究者を養成したと答えている((13)への回答参照)。これらの数字が示しているのは、社研に在籍して回答を寄せた研究者のうち約三分の一の人々が、色々な面で海外における日本関係研究の第一線に立つ中心的存在であり、内外の学術研究交流や海外での後継者養成に、非常に大きな役割を果たしているということである。社研の50年代半ば以来の「外国人研究者」受け入れの蓄積が、この数字になって現れているといえよう。
アンケート調査の<2>では、まず(1)で社研のプロジェクト研究について、どの程度知っているか、成果を利用したことがあるかを尋ねたのち、テーマや成果についてコメントを求めている。(2)は社研出版物についての質問である。和文紀要、英文ジャーナル(SSJJ)、ニューズレター(SSJ)のそれぞれについてどの程度利用しているかを尋ねた上で、コメントを求めている。
(3)は社研主催のシンポや研究会にどの程度参加したかをきいている。(4)は、1996年に発足した日本社会研究情報センターについての質問である。センターについてどの程度知っているかを尋ね、よく知っていると答えた人には、センターが日本社会研究のネットワークの結節点になろうとする社研の努力にどの程度貢献していると考えるかを尋ね、ついでセンターの活動についてコメントを求めている。
(5)では、回答者が属する分野で、日本社会研究における国際的動向の中で、社研のスタッフの研究をどう評価するか、(6)では、日本を研究する社会科学者の国際的なネットワークを作る上での社研の貢献を回答者がどう評価するかを尋ねている。(7)では社研の現研究組織、事務機構、図書室、また社研の将来的な目標は何であるべきかについて、コメントや意見を求めている。
以上のうちコメント部分の紹介と分析は別に項目を立てて行うこととし、ここでは数値化される部分から何が読みとれるかについての所見をのべる。
(1)への回答では、社研のプロジェクト研究について、大変よく、あるいはかなり良く知っていると答えた人が約31%いた。反面で余りよく知らないとした人が56%、全く知らないと答えた人が約12%いた。これはこの項目へのコメントとあわせて考えれば、これまでのプロジェクト研究が日本人研究者主体に展開されており、海外の研究者を巻き込んだ形では行われてこなかったことの数字面での反映といえよう。つぎにプロジェクト研究の成果に利用については、約48%が、しばしば以上利用していると答えているが、全く利用していないという回答も約31%あった。この数字は、成果刊行がその一部でも英文でなされれば、大きく変わってくるであろう。現に「現代日本社会」に関しては2冊のPolitical Economy of Japanese Societyという英語版がでており、大変好評を博している。
(2)への回答では、まず和文紀要の利用は、度々というのが50%あるが、全く利用しないという回答も約34%あり、上のプロジェクト研究の成果利用の場合とよく似た傾向を示している。コメントの中にも社研スタッフの論文の英訳を一層求めるものがあったが、翻訳に力を入れるとともに、最初から英文で発表する努力をすべきであろう。次に英文ジャーナルであるが、これは「頻繁に利用する」という回答が9通あり、和文紀要の場合それがゼロだったことと顕著な対照を見せている。度々利用する(34通)も入れれば、63%に達する。他方で全く利用していない人も約24%(16通)いた。これは英文ジャーナルが生まれて日がまだ浅く、学界でも余り広く知られていないことによるであろう。幾つかのコメントが指摘するように、宣伝や流通の面で改善されれば、この数字は大きく変わってくると思われる。英文のニューズレターの場合も、ジャーナルと同じような傾向を示している(集計数値参照)。
(3)への回答では、報告した、出席した、成果を事後に読んだと答えた人が多数を占め、知らないと答えた人は11名に止まった。国際シンポ等の情報は意外に知られているようである。これに対して(4)への回答では、センターの活動についてよく知らない(28)、全然知らない(20)と答えた人は計48名に達した。大変良く、ないしかなりよく知っていると答えた人が計21名であるのに対して2倍以上である。そして興味深いのは、かなり以上によく知っていると答えた人は、センターがネットワーク作りで果たしている役割を非常に高く評価していることである(21名中の18名)。別紙のコメントが示すように、センターの活動への評価は非常に高い。その反面で、広く知られていないので広報が必要だと強調されてもいる。以上の数字はそれを裏書きするものといえよう。センターが何をしている所なのかをもっと広く知らせて、それとネットワーク作りの関連を知って貰う必要があろう。(以上)
コメントの項目別整理
以下は、「外国人研究者」として社研に在籍した人々に送ったアンケートの調査結果のうち、コメント部分を項目別にまとめたものである。回答によっては複数の項目に重なるものがあるので、それらは適宜一つの項目にくりいれた。社研の諸活動に対して、在籍した「外国人研究者」がどのような評価を下しているかについて一端を窺うことができる。なお「外国人研究者」には、海外の大学・研究機関等に所属する日本人も入るが、特に注記していない。
1 社研にとっての次の目標、あるいは研究所全体への助言や希望
- 目標。社研は、個別テーマと並んで特定テーマを研究することで、世界的にみて、比較の視座に立つ傑出した社会科学研究機関となるべきである。
- よくやっているが、もっと多くの研究会やプロジェクトが可能ではないか。海外の研究者を加えた研究活動が次の目標。
- 海外の研究機関と協力した国際シンポのような分野に事業を拡張したらどうか。
- 次の目標は、新しい若手の研究者(たんに院生だけでなく)を惹きつけることだろう。ただ十分な努力がなされてきたことは認める。
- 社研の目標。1)社研の研究グループがカバーしている分野で、過去3ヶ月間に公刊された日本語の本や論文をコンピューター化して目録とし、それを年4回のペースで編集する。2)東大の他の学部や研究所と協力して、地域研究のセンターを社研に作る。東南アジア研究、ヨーロッパ研究、中東研究など。3)世界中の社研OBのリストを作って、地域ごとにOB会の設立を奨める。4)必要な技術が確立され、費用もそうかからなくなったら、Virtual International Seminarsを開く。
- 社研は世界の社会科学研究の主導権をとるべきである。
- 国際的なプロジェクトと研究協力を一層エンカレッジせよ。
- 社研のプロジェクト研究はとくに有益であり、新しいプロジェクトが力強く推進される必要がある。日本の社会科学の中で社研は、多くの点で独特の位置を占めており、その指導的な位置が一層固められることが重要だと思う。
- 社研は、ある種の制度的な一貫性を確立して、そのメンバーの研究が相互に助け合い、日本の社会科学研究を一層促進させるようにすべきだ。たとえば日本の労働市場、日本社会の文化変動などのようなある学問的な側面に焦点を当てて研究するようにしたらどうか。
- 海外からの博士候補生やスタッフの受け入れの継続。近代日本史研究の伝統の継承。情報サービスの拡大。海外の類似の学術機関との制度的なリンクの強化(ライデンのIIASなど)
- これまでと同様に、打ち解けて親切で効率的であり続けてほしい。飲む人が水びたしにならないように、栓を締めて下さい。
- 海外では、日本の社会科学の理論的な分析枠組みや議論の伝統についての知識が非常に限られている。だから翻訳が極めて重要だと思う。
- 国際化を一層進めること。
- 研究のレヴェルはまだ高くないが、学ぼうとする熱意のある諸国に広く目を開け。
- 帰国した訪問研究者に社研の資料を送って貰いたい。
2 スタッフの研究活動について
- スタッフの仕事は興味深いが、国際(例えばアメリカ)学界で関心を惹いている今日的なトピックを無視しているように思われる。
- スタッフの研究活動や成果は素晴らしい。
- スタッフの活動は素晴らしい。しかし現在のスタッフの退官後はどうなるのか。
- スタッフの活動は、大変高く評価する。
- 素晴らしいが、もっと近づき易くしてほしい。
- 面白くよく調べられている。
- 大変興味深い。共同研究を楽しみにしている。
- 大変重要。研究トピックがしばしば現実的な問題と結びついているので、スタッフの研究の公刊は日本の状況を判断する上で重要な源泉となる。また意見交流のフォーラムを提供する。基本的な情報やアイディア、ヒントや示唆を得る上でも有益。
- きわめて進歩的で鋭角的。しかし例えばフランクフルト学派と類比されるような意味で社研学派とよばれるようなものを確立するには、その能力を発揮させる制度的な一貫性がまだ欠けている。
- スタッフの研究は全体として非常に高い。
- 社研は「日本論争」における無視されえない重要な声である。その重要さは、研究の新たな方向を定義づける面でよりは、日本社会の発展のより広い文脈の中で問題を位置づける面にある。
- スタッフの研究は、頭抜けている。
- 素晴らしい。実証的で情報量が多い。
- 政策分析では非常に強いが、経済学ではやや弱い。
- スタッフの研究。対外政策、環境問題の専門家が少ないのでは。
- スタッフは一流の外国雑誌にもっと投稿すべきである。そうすればもっと広く知られるだろう。
- 社研のスタッフは、もっと積極的に国際会議に参加し、ペーパーを読んで国際学界で広く知られるようにすべきだ。そして外の世界で目に見えるように、西欧の学術雑誌に発表するようにすべし。
- 質的には重要であるにもかかわらず、少数の例外を除いて、社研のスタッフの論文は英語や英文雑誌で発表されていない。
- 自分の研究とはある点で接しているにすぎないが、大変素晴らしい。
- 自分の分野では、日本社会の一流の研究者は何らかの形で社研と結びつきをもっている。
- 大変よい。とくに多くの業績が英訳されてきているので。
- 自分が社研と積極的に連絡を取り合ったのは3年前なので、現状についてはよく分からない。しかし当時についていえば、社研の日本社会研究は、精緻な分析道具を使い、最新の問題に目を向けた力強いものだった。
3 社研プロジェクト研究ないし共同研究テーマ等に関して
- 通信技術が社会経済に与えるインパクトを共同研究テーマとして勧める。
- 社会政策と福祉国家関係の論文をもっと見たいし、この面での研究はもっとなされうるはずだ。その際外国人学者を借りたり使ったりできるはずだ。共同研究に非常に関心があるし参加したいが、情報がない。共同研究者を求めているときは事前に広報して欲しい。
- Political Economy of Japanese Societyの英訳版はとても素晴らしい。「20世紀システム」は、社研の幾つかの他の出版物に比べるとやや有益でない。
- プロジェクトについて、定期的な情報を得たい。
- プロジェクトは、時宜にかなっており、よく選ばれている。
- 成果の全体を概観するのは、その水準の高さのために不可能である。大学の図書館にマイクログラフとシリーズを買っている。
- 福祉国家の研究はとくに有益なものだった。
- 共同研究について。「日本の家族制度と天皇制」は、よく組織され、周到に研究されたテーマだった。
- 「現代日本社会」は戦後の日本社会を理解する上で大変有益である。
- 「20世紀システム」は大変素晴らしく、21世紀の新しい像を描く上で大変有益。
- 日本の社会構造と戦後改革に関するプロジェクトを評価する。
4 社研の英文出版物と紀要について
- 英文出版物は大変よいし、もっと広く読まれるに値する。
- 英文アナルスは興味深く、日本の法や社会の発展についてよい情報を与えてくれる。外国人研究者は多くを社研のスタッフに負っている。
- 英文出版物は、他の学者がやっていることを知るよい機会を与える。
- 社研の英文出版物をもつことは、外国人研究者として素晴らしいこと。
- 英文出版物。質が高く有益で、自分や学生にとって大変助かっている。
- SSJJは、その明確な社会科学的な研究面での貢献と日本内外の相互乗り入れ的な書評によって、世界的な規模での研究者の意見交流を活発化するだろう。このことによってそれは、日本研究を「地域研究」を超えて進ませるだろう。
- SSJは、若手研究者の発表の場としてよい。
- SSJのトピックスは面白く文章のスタイルは読みやすい。
- SSJJもSSJもよくやっている。SSJJについては、質の高さを保つために、一流の学者から原稿を集めるようにすべし。SSJについては、私はすべてのバックナンバーを得てはいない。教授は学生にアサインするかもしれないので、これは重要である。書評はよい。
- 歴史家として、SSJJにもっと歴史関係の論文をのせてほしい。
- 社研の英文出版物は大変重要な役割をはたしている。忙しいので、自分が直接に関係する研究テーマ以外には日本語の文献は読む暇がないので。SSJJもSSJもよいが、できればもっと社研スタッフの作品を英訳してのせてほしい。そうでないと大抵の場合、学生に教える目的には役立たない。
- 有益。とくに日本人研究者の仕事について情報を得る上で非常に有益。しかしジャーナルの幾つかには品質管理の面で問題あり。
- SSJJは、いい論文を集めるために、内外での知名度を高める必要がある。ニューズレターは社研の広報に役立っている。
- 社研出版物について。テーマを重視する編集にしたらどうか。
- 訪問研究者にも投稿の機会があるといいと思う。
- 紀要について。日本の社会科学研究の関心を知るには有益だが、日本自体に余りに集中しすぎているのではないか。日本に存在するだけでなく周辺地域や世界に密接に関係している問題にもっと注意を向けるべし。
- ハイデルベルグ大学は紀要を受け取っていない。
- 社研の出版物について。宣伝のチラシはくるが、出版物自体は、韓国では容易に手にいれにくい。
- SSJJは自分の知るかぎり余り簡単に手に入らない。
- 韓国の日本研究者は社研の英文出版物を受け取っていない。メーリングリストを得て、もっと積極的にネットワーク作りをしたらどうか。また韓国の大図書館にジャーナルを送って欲しい。
- 英文ジャーナルはロシアでは入手できない。紀要とニューズレターは愛読している。
- 質は高いが広く流通していないのが弱点。
5 ネットワーク作りについて
- 言語の壁を考えればネットワーキングは大変積極的。もっと可能だろうが。
- ネットワークは、同じ研究分野の教授や博士候補生を含めた研究セミナーによってもっと活発になるのではないか。発表とそれへのコメントを受けることは、研究の質を高め学界への参加感を高める。
- 社研が過去5年間に払ってきたネットワーク作りの努力は賞賛に値する。しかし確信をもった国際的学者になるには一時的に社研に在籍するだけでなく、パーマネントスタッフになる必要がある。また日本人教授と外国人博士候補生の間には年齢のギャップがあり、それが後者を"出島"的状況においている面がある。これは若手日本人研究者をもっと研究室に出入りさせれば好転するかもしれない。
- 国際的なネットワーク作りで社研は貢献しているが、政治学関係が主になっている。社会学や社会政策分野でも同じようなネットワークがあるといいと思う。
- フォーラムは大変有益だが、近年e-mailを得ていない。送ってほしい。
- 社研のネットワーク作りの努力は、自分も含めて韓国では殆ど知られていない。
- 研究者の国際学術交流で大きく貢献している。
- とくに最近の10年間は、ネットワーク作りへの貢献は大きい。若手研究者のネットワークが、社研の受け入れてきた外国人博士候補生の結果としてできている。この交流が多分最も重要。
- 一般的にいってスタッフの研究水準は高く、ネットワーク作りへの貢献は大きい。
- ネットワーク作りはよくやられているが、もっと広げてほしい。個人的なコネがない研究者や院生がいかに社研の活動に参加できるか。客員教授制度は大変価値がある。
- 国際的な学術交流の面で社研は、過去5年位の間偉大な前進を遂げた。その運動量を持続することが決定的に重要。
- ネットワーク作り。非常に素晴らしい。多分最大の貢献ではないか。
- 最も包括的で多様。
- この点で社研は多面的で不可欠の役割を果たしている。日本には社研のような機関は他にない。
- ネットワーク作り。国際的な意見交流の場を提供。世界中の学者の出会う場所であり、現代研究を含めて情報の蓄積された場として評価する。
- 日本に関わる社会科学研究の面では、社研は多分最も国際的なネットワークをもっている。
- ネットワーク作りは、現在進行中である。
- 社研の貢献は、とくに英語圏の学界に対して大変有益だと思う。その人々はしばしば日本語が読めないので、私は自分の仲間のためにも情報を伝えている。
- ネットワーク作り。よい結果がうまれるに違いない。できればその一角が、社会史、文化史の歴史家のために作られることを期待する。
- フォーラム、ニューズレター、国際会議、客員受け入れなどで非常に貢献している。国際現代日本研究会をもっと活用したらどうか。
- ネットワーク作り。自分の経験からいって、それは重要な資料への接近の機会を与えたし、日本内外の研究者と知り合う機会を与えた。国際的な学者間の交流を増進する上で大きな貢献をしている。
- 客員教授制度は、重要な国際的公共サービスである。
- 社研は明らかにネットワーク作りの先頭に立っているが、不幸にも歴史家の自分の必要にとっては、その交換はあまり役立っていない。
- ネットワーク作りについて、社研の貢献を高く評価し、一層しっかりした基礎をもつように期待する。 ・社研は、異なった分野や国々の社会科学者が出会う場所である。日本を研究している最も重要な研究者が、定期的にそこを訪ねており。このことが社研を学問的な討論の場にしている。
- 情報を得たり、同じ分野の他の研究者と結びつきをもったりする上で、社研フォーラムは大変有益。 ・社研が全世界から日本研究者を招待し、彼らを結びつけるのに払っている努力、また彼らの研究プロジェクトのために極度に重要な援助を与えているのは素晴らしい。この方向への一層の活動が鼓舞されるべきである。一層の知的関係と相互交流が強化されるべきである。
- 社研はそこを訪ねる人に一種のコスモポリタンな環境を与える。私のような研究者は、これによって日本人研究者だけでなく世界中からくる研究者と交流することができ、こうした交流が新しい思想を勇気づけ、また人の知識を作りあげる。一層のグローバル化が期待される。
6 センターについて
- 社研シンポなど事後に始めて知ることが多い。事前の広報をもっと充実せよ。
- 広報にもっとe-mailを使うべきだ。便利だし紙も使わずにすむ。
- センターに関して。情報の発信は大変よい。データベースの一層の蓄積とそれへの接近の容易さが次のステップだろう。
- センターに関して。98年初めにウェブページをあけ
てみたが、情報量は不十分だった。現在は改善していると思うが。 - 健全で有益な発展がなされている。
- センターの活動について、自分は英語とドイツ語しか読めないので、利用が限られる。会社法や法社会学の分野、とくに法曹や訴訟関係の情報がえたい。
- センターの活動について。日本語と英語の双方でデータや研究情報を発信しているのは、日本研究者にとって大きな貢献。
- センターの活動は、日本研究に関係する機関などで知られていないので、広報がもっと必要。とくに学生にとって、いかに社研の活動の情報が得られるかについて。
- もっと広報されるべきだ。社研が日本研究者のための国際センターとなっているのは大変重要で、また社研の外国人研究者のためのスキームは素晴らしい。
全体として海外の日本研究者に信じられないほど有益なサービスをしている。 - センターは、よくやっている。朝日データベースをもっとアクセス容易にせよ。
- 自分はフォーラムからおりた。合理的選択理論のような政治学のトピックスに不当に(自分の意見では)焦点が当てられたので。
- センターについて。ネットワークの基本は人と人の関係という点を考慮して、客員の社研への関与を深めさせたらどうか。義務を課した方がいいのでは。客員が日本を離れるとき、殆どスタッフの顔が思い出せないというのでは、折角の潜在的なネットワーク要員を無駄にしているのではないか。客員には社研フォーラムに参加して貰う、帰国後もニューズレターを送るなど、社研側の努力の余地あり。
- センターはもっと広報を必要とする。
- センターの活動について、韓国では、日本研究者の間であまり広く知られていない。もっと多くの日本の学術雑誌上に情報を流してほしい。
- センターについて。最近何度かインターネットで社研のホームページにアクセスしようとしたが、接続できなかった。今もその問題があるようだ。
- センターの活動について。アメリカアジア学会の会員名簿を入手して、日本研究者にe-mailのメッセージ(社研のウエッブサイトに関する情報)を送ればよい。それは通信網をもっと広げるだろう。
7 事務機構・図書室関係
- 事務や図書室のスタッフは、住居の手配等、外国人研究者の必要に常に責任をもって対応してくれた。
- 職員が親切で助かった。
- 図書室は有用だが狭いので、物理的に問題がある。もっと広くして欲しい。火災の危険もあるのではないか。また多くの図書が、研究の共通資源と言うよりは教官の研究室に置かれている。 ・図書資料は自分の分野(近代日本史)では素晴らしい。
- 情報通信システム、技術、統計分析等に関する資料は多少不足している。
- 自分の専門は社研の中心的な関心からはややずれていたので、多く社研の図書室に依存した。そのスタッフは素敵な人たちで親切であり、よく情報に通じていた。そこで研究することは楽しみだった。
- 東大の他部局から本を借りるのに、もっと簡単な手続きにしてほしい。e-mailについても同じ。