東京大学社会科学研究所

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スタッフ

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勝又裕斗 (KATSUMATA, Hiroto)

所属部門 比較現代政治部門 准教授
専門分野 応用統計学(因果推論・政策評価・政治学方法論)・比較制度論(制度デザイン)
e-mail katsumata[at]iss.u-tokyo.ac.jp
[at]を@に置き換えてください。
個人ページ

https://sites.google.com/site/hirotokatsumata

経歴

2012年3月 東京大学法学部卒業
2014年3月 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了
2017年3月 東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了
2014年4月 - 
2017年3月
日本学術振興会特別研究員(DC1)
2017年4月 - 
2019年8月
日本学術振興会特別研究員(PD)
2017年9月 - 
2019年7月
マサチューセッツ工科大学 客員研究員
2017年9月 - 
2019年7月
マサチューセッツ工科大学 政治学方法論研究室研究員
2019年9月 - 
2020年3月
横浜市立大学データサイエンス学部 特任助教
2020年4月 - 
2023年3月
東京大学大学院総合文化研究科 特任講師
2023年4月 - 
2024年3月
一橋大学大学院ソーシャル・データサイエンス研究科 准教授
2024年4月 - 東京大学社会科学研究所 准教授

研究テーマ

1最新技術と理論の力で,革新的アイディアの実現を加速する
私の研究テーマは,学術研究やその社会実装にイノベーションをもたらすアイディアの実現を最新技術と理論の力で加速するための方法論を開発し,それを実践することで社会的課題を解決することです。そのためには,研究室の内外に芽吹く多くの優れた独創的アイディアが実現するよう,それを阻む様々な限界を超えるための方法論を開発していく必要があります。私の研究では,最新の方法を応用し,これまで不可能と考えられてきたデータ収集やデータ分析を実現することで,現実世界における複雑な課題の解決に挑み,また,そのような挑戦を支援していきます。

2機械学習による予測の統計分析への統合
Unifying machine learning predictions into statistical analysis
近年,機械学習やAIと呼ばれる分野において爆発的なイノベーションが起きています。予測と分類を得意とする機械学習の発展は,データ収集・加工の自動化や大規模な自然言語処理や複雑なネットワークデータの処理等,人間の作業能力や認知能力を超えたデータ処理を実現しつつあります。これに対して,経済学や政治学といった人間の社会的行動を研究する社会科学における理論や仮説の検証は,従来,統計理論による推定性能の理論的保証を重視してきました。私の研究では,機械学習による予測を統計学のフレームワークに統合することにより,これまで困難であった大規模・複雑・非定型的データ分析に理論的保証のある推定を実現しようとしています。

3現実世界の複雑性を考慮した因果推論
Causal inference integrating real-world complexities
人々は社会のなかで様々な意思決定を行い,相互に自由にインタラクションをしながら行動しています。その中で,事象の因果関係を明らかにする因果推論を適切に行うことは困難です。しかし,現実世界はこの複雑性にこそ特徴づけられるものであり,現実の課題解決のためには現実世界の複雑性を可能な限り維持しながらそれを統計学的に扱うことが可能な方法を探究する必要があります。私の研究では,特に確率的介入と連続的介入という拡張に挑んでいます。

4人間行動の理解を通じた制度デザイン
Institutional design through understanding human behavior
社会課題の解決において,考えられるすべての方策を無作為化実験によって検証していくことは現実的ではありません。そこで,人々の意思決定や相互のインタラクションを含む社会的行動について知見を蓄積し,人間行動の理解に基づいた理論的分析と現実世界のデータを利用した実証的分析とを組み合わせて,より良い方策を絞り込んでいく複合的な研究が求められています。私の研究では,人々の社会的行動・意見・意思決定のデータを測定・収集する方法,それらの背後にある行動原理・意思決定原理・潜在的な意見構造を推定する方法の研究を通じて,社会課題の解決に向けた制度デザインの実現に挑戦しています。

主要業績

  • "'Kick Them Out' as a Voting Strategy: Theory and Evidence from Multi-member District Elections." (with Shunya Noda) Conditionally accepted at Journal of Politics.
  • "How Should We Estimate Inverse Probability Weights with Possibly Misspecified Propensity Score Models?" Conditionally accepted at Political Science Research and Methods.
  • "Young Citizens' Civic Engagement and Civic Attitudes: A Regression Discontinuity Analysis." (with Yusaku Horiuchi and Ethan Woodard) 2023. Political Behavior 45: 265--284.
  • "Mobile Health Technology as a Solution to Self-Control Problems: The Behavioral Impact of COVID-19 Contact Tracing Apps in Japan." (with Masahiro Shoji, Susumu Cato, Takashi Iida, Kenji Ishida, Asei Ito, and Kenneth Mori McElwain) 2022. Social Science and Medicine 306: 115142.
  • 「中選挙区制における候補者擁立戦略」 .2021年.『選挙研究』 37巻1号:72--85頁.
  • 「中選挙区制と政党間競争」 .2020年.『年報政治学』2020年1号:368--392頁.
  • 「中選挙区制における得票均衡の検証のための新指標」 .2020年.『選挙研究』 36巻1号:91--103頁.(2020年度日本選挙学会優秀論文賞)
  • 「有権者―候補者間の近接性と投票選択:有権者・政治家・政党の比較可能な位置推定による空間投票の分析」.2016年.『年報政治学』 2016年1号:208--232頁.
  • "Vaccination and Altruism under the COVID-19 Pandemic." (with Susumu Cato, Takashi Iida, Kenji Ishida, Asei Ito, Kenneth Mori McElwain, and Masahiro Shoji) 2022. Public Health in Practice 3: 100225.
  • "Social Media Infodemics and Social Distancing under the COVID-19 Pandemic: Public Good Provisions under Uncertainty." (with Susumu Cato, Takashi Iida, Kenji Ishida, Asei Ito, Kenneth Mori McElwain, and Masahiro Shoji) 2021. Global Health Action 14(1): 1995958.
  • "Prosociality and the Uptake of COVID-19 Contact Tracing Apps: Survey Analysis of Intergenerational Differences in Japan." (with Masahiro Shoji, Asei Ito, Susumu Cato, Takashi Iida, Kenji Ishida, and Kenneth Mori McElwain) 2021. JMIR Mhealth Uhealth 9(8).
  • "The Bright and Dark Sides of Social Media Usage during the COVID-19 Pandemic: Survey Evidence from Japan." (with Susumu Cato, Takashi Iida, Kenji Ishida, Asei Ito, Kenneth Mori McElwain, and Masahiro Shoji) 2021. International Journal of Disaster Risk Reduction 54.
  • 「新型コロナウイルス感染症に関する壮年パネル調査-概要と記述統計分析-」.(with 飯田高,石田賢示,伊藤亜聖,加藤晋,庄司匡宏,ケネス・盛・マッケルウェイン)2022年.『社会科学研究』第73巻第2号.95–125頁.

教育活動

東京大学大学院 法学政治学研究科 「因果推論」2単位
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