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宇野重規 (UNO, Shigeki)

所属部門 比較現代政治部門 :政治文化分野  教授
専門分野 政治思想史・政治哲学
e-mail uno[at]iss.u-tokyo.ac.jp
[at]を@に置き換えてください。
Researchmap

https://researchmap.jp/unoshigeki

経歴

1999年4月 - 
2007年3月
東京大学社会科学研究所助教授
2000年8月 - 
2002年7月
在外研究(フランス、社会科学高等研究院客員研究員、費用は新渡戸フェローシップ)
2007年4月 - 
2011年3月
東京大学社会科学研究所准教授
2010年5月 - 
2011年3月
在外研究(コーネル大学法科大学院)
2011年4月 - 東京大学社会科学研究所教授
2018年4月 - 
2018年7月
ベルリン自由大学大学院東アジア研究科客員教員
2020年4月 - 
2022年3月
東京大学社会科学研究所副所長
2024年4月 - 東京大学社会科学研究所所長

研究テーマ

1 デモクラシーと宗教
Democracy and Religion
デモクラシー社会において、宗教/宗教的なもののはたしている機能について考察する。これまで単純に世俗化の過程として理解されてきた近代の歴史を、むしろ宗教/宗教的なもののはたす役割の変化として捉え直すことで、多様な政治社会におけるデモクラシーと宗教/宗教的なものの関係を考えたい。

2 近現代日本の保守とリベラル
Conservatives and Liberals in Modern Japan
近代、および現代の日本において「保守」とは何か、「リベラル」とは何か。はたして西洋政治思想史において、「保守」や「リベラル」の名において呼ばれてきた思想、あるいは政治運動は近現代日本においても存在したのか。西洋政治思想史との比較の視点において考えたい。

3 現代政治哲学の比較分析:アメリカ、フランス、日本
Contemporary Political Philosophy in Comparative Perspective:America, France and Japan
ジョン・ロールズの『正義論』に代表される現代アメリカの政治哲学と、これとは異なる思想的伝統を受け継ぐフランスの政治哲学を比較し、さらにその結果を踏まえ、現代日本の政治的言説の分析を行う。

4 19世紀フランス政治思想史
History of French Political Thought in the 19th century
『アメリカのデモクラシー』や『旧体制と革命』で知られる政治思想家アレクシ・ド・トクヴィルを中心に、フランスにおける自由主義、保守主義、共和主義などの伝統について政治思想史の視点から分析する。また古典的な政治思想の変容と社会科学の成立についても考察する。

主要業績

  • 「フランス自由主義の諸相とアレクシス・ド・トクヴィル:個・政治・習俗」『国家学会雑誌』107(5·6), 1994年6月, 153-202頁.
  • 『デモクラシーを生きる:トクヴィルにおける政治の再発見』創文社, 1998年1月, 227頁.
  • 「政治・実存・実在:前田康博教授の政治哲学をめぐる一考察」『千葉大学法学論集』13(1), 1998年7月, 179−222頁.
  • 「トクヴィルとミル:19世紀における自由主義の行方についての一試論」『千葉大学法学論集』13(3), 1999年1月, 37-102頁.
  • 「『自由主義−共同体論論争』の行方」『千葉大学法学論集』14(2), 1999年10月, 19-49頁.
  • 「代表制の政治思想史:三つの危機を中心に」『社会科学研究科』52(3), 2001年3月, 5-36頁.
  • 「保守主義」福田有広・谷口将紀(編)『デモクラシーの政治学』東京大学出版会,2002年8月28日, 19-36頁.
  • 「丸山眞男における三つの主体像:丸山の福沢・トクヴィル理解を手がかりに」小林正弥(編)『丸山眞男論:主体的作為,ファシズム,市民社会』東京大学出版会, 2003年2月5日, 40-74頁.
  • 『政治哲学へ:現代フランスとの対話』東京大学出版会, 2004年4月, 220頁. [第22回渋沢・クローデル賞LVJ特別賞]
  • “La Modernisation politique au Japon et l'idée de subjectivité chez MARUYAMA Masao”, Ebisu––Études japonaise, 32 (Printemps-Été 2004), Maison Franco-Japonaise, 2004, pp.67-83.
  • 「リベラリズムと共和主義的自由の再統合:トクヴィルの遺産」『思想』965, 2004年9月, 84-101頁.
  • 「政治哲学問題としての欧州統合」中村民雄(編)『EU研究の新地平:前例なき政体への接近』ミネルヴァ書房, 2005年2月, 247-279頁.
  • “Les idées politiques du Japon de l’époque moderne”, Jean-François Sabouret (ed.), La Dynamique du Japon, Paris, Saint-Simon, 2005, pp.83-92.
  • 「トクヴィル復興の意味」『フランス哲学・思想研究』11, 日仏哲学会, 2006年8月, 40-48頁.
  • 「1990年代日本の社会科学:自己反省とその継承」『社会科学研究』58(1), 2006年9月, 99-123頁.
  • 「政治哲学からの考察:中間集団と社会的なるものの再編」水町勇一郎(編)『個人か集団か?:変わる労働と法』勁草書房, 2006年10月, 39-59頁.
  • 『トクヴィル 平等と不平等の理論家』講談社, 2007年6月, 202頁. [第21回サントリー学芸賞(思想・歴史部門)]
  • 「釜石市長としての鈴木東民:〈地域に根ざした福祉政治〉と〈開かれた土着主義〉」『社会科学研究』59(3·4), 2008年3月, 21-37頁.
  • 「社会科学と批評の間:戦後日本における知の連関」松澤和宏・田中実編『これからの文学研究と思想の地平』右文書院, 2007年7月, 179-194頁.
  • 「社会的紐帯の政治哲学:トクヴィルを中心に」小川有美・遠藤誠治編『グローバル対話社会—力の秩序を超えて』明石書店, 2007年9月, 189-217頁.
  • 「トクヴィル」伊藤邦武編『哲学の歴史 第8巻 社会の歴史 18-19世紀』中央公論新社, 2007年11月, 87-107頁.
  • 「メルロ=ポンティ/ルフォール-身体論から政治哲学へ」『現代思想』第36巻16号, 2008年12月, 264-275頁.
  • 「テキストからの展望」岩波講座哲学10『社会/公共性の哲学』, 岩波書店,2009年3月, 247-260頁.
  • 「社会科学において希望を語るとは」玄田有史・宇野重規編『希望学[1]希望を語る 社会科学の新たな地平へ』東京大学出版会, 2009年4月, 267-291頁.
  • 「釜石市長としての鈴木東民」玄田有史・中村尚史編『希望学[2]希望の再生 釜石の歴史と産業が語るもの』東京大学出版会, 2009年5月, 109-141頁.
  • 「トクヴィルと政治哲学の再生-大西洋両岸におけるトクヴィル」松本礼二・三浦信孝編『トクヴィルとデモクラシーの現在』東京大学出版会, 2009年6月, 370-385頁.
  • 「平等と自由の相乗/相克」齋藤純一編『自由への問い1 社会統合-自由の相互承認に向けて』岩波書店,2009年11月,51-74頁.
  • 「労働と格差の政治哲学」『社会科学研究』第62巻第3・4号, 2010年3月15日, 153-172頁.
  • 『<私>時代のデモクラシー』岩波書店, 2010年4月20日, 204頁.
  • 「トクヴィルとネオ・トクヴィリアン」三浦信孝編『自由主義の討議空間:フランス・リベラリズムの系譜』勁草書房, 2010年5月, 205-235頁.
  • 「政治が社会的紐帯を語るとき」宇野重規編『政治の発見4 つながる:社会的紐帯と政治学』(編著)風行社, 2010年10月, 269-296頁.
  • 「人権と保守主義」市野川容孝編『講座人権論の再定位1 人権の再問』法律文化社,2010年11月, 158-176頁.
  • 「フランスにおける「政治」と「知」-科学・学校・知識の共和国」筒井清忠編『政治的リーダーと文化』千倉書房, 2011年6月, 233-249頁.
  • 『デモクラシーの擁護:再帰化する現代社会で』(田村哲樹・山崎望と共著)ナカニシヤ出版, 2011年12月, 290頁.
  • 「<私>時代の教育と政治」宇野重規・井上彰・山崎望編『実践する政治哲学』ナカニシヤ出版, 2012年3月, 35-61頁.
  • 「地方自治」川出良枝・谷口将紀編『政治学』東京大学出版会, 2012年6月, 155-171頁.
  • 「リベラル・コミュニタリアン論争再訪」『社会科学研究』64巻2号,2013年3月, pp.89-108.
  • 『民主主義のつくり方』筑摩書房, 2013年10月, 218頁.
  • 『西洋政治思想史』有斐閣, 2013年10月, 235頁.
  • 「<地域>において<働く>ということ」猪木武徳編『<働く>はこれから—成熟社会の労働を考える』岩波書店, 2014年2月, 151-176頁.
  • 『岩波講座政治学3 近代の変容』(編著)岩波書店, 2014年5月, 245頁.
  • 「フランス政治思想から見た立法の意義」井上達夫編『立法学のフロンティア1 立法学の哲学的再編』ナカニシヤ出版, 2014年7月, 219-240頁.
  • 「プラグマティズム—習慣・経験・民主主義」宇野重規編『岩波講座政治学3 近代の変容』岩波書店, 2014年5月, 177-199頁.
  • 「そのとき,政治は」東大社研・中村尚史・玄田有史編『<持ち場>の希望学—釜石と震災,もう一つの記憶』東京大学出版会, 2014年12月19日.
  • 『ローカルからの再出発—日本と福井のガバナンス』(五百旗頭薫と共編)有斐閣, 2015年1月, 344頁.
  • 「ローカル・ガバナンスを問い直す—近代日本の「地方自治」再考」宇野重規・五百旗頭薫編『ローカルからの再出発—日本と福井のガバナンス』有斐閣, 2015年1月, 15-33頁.
  • 「現代的知事の誕生?—西川一誠福井県知事を事例に」宇野重規・五百旗頭薫編『ローカルからの再出発—日本と福井のガバナンス』有斐閣, 2015年1月, 197-215頁.
  • 『社会科学における善と正義——ロールズ『正義論』を超えて』(大瀧雅之・加藤晋と共編)東京大学出版会、2015年5月,358頁.
  • 『共和国か宗教か、それとも——十九世紀フランスの光と影』(伊達聖伸・高山裕二と共編)白水社、2015年12月、300頁.
  • 「ロールズにおける善と正義——リベラル・コミュニタリアン論争再訪」大瀧雅之・宇野重規・加藤晋編『社会科学における善と正義——ロールズ『正義論』を超えて』東京大学出版会、2015年5月、25-48頁.
  • 「「宗教的なもの」再考—シャルリ事件を超えて」、宇野重規・伊達聖伸・高山裕二編『共和国か宗教か、それとも——十九世紀フランスの光と影』白水社、2015年12月、7-24頁.
  • 「戦後民主主義論のナラティブ」三浦信孝編『戦後思想の光と影』風行社、2016年4月、110−121頁.
  • 『政治哲学的考察―リベラルとソーシャルの間』岩波書店, 2016年5月, 364頁.
  • 『保守主義とは何か―反フランス革命から現代日本まで』中公新書, 2016年6月, 218頁.
  • 『戦後日本の思想水脈3 民主主義と市民社会』(編著)岩波書店, 2016年8月, 352頁.
  • 「政治思想におけるガバナンス」, 東京大学社会科学研究所・大沢真理・佐藤岩夫編『ガバナンスを問い直す[I]越境する理論のゆくえ』東京大学出版会, 2016年11月, 21-40頁.
  • 「歴史の中のガバナンス」(五百旗頭薫との共著), 東京大学社会科学研究所・大沢真理・佐藤岩夫編『ガバナンスを問い直す[I]越境する理論のゆくえ』東京大学出版会, 2016年11月, 113-133頁.
  • 『大人の社会科:未来を語るために』(井手英策・坂井豊貴・松沢裕作との共著)有斐閣,2017年9月,232頁.
  • 「J. M. ケインズ『条約の改正』――「ケインズの政治学」を想像する」,大瀧雅之・加藤晋編『ケインズとその時代を読む:危機の時代の経済学ブックガイド』東京大学出版会,2017年7月,36-52頁.
  • 「戦後保守主義の転換点としての1979~80年―大平報告書・再読 」,アンドルー・ゴードン・瀧井一博編『創発する日本:ポスト「失われた20年」のデッサン』弘文堂,2018年2月,45-61頁.
  • 『未来をはじめる−「一緒にいること」の政治学』東京大学出版会,2018年9月,282頁.
  • 『社会のなかのコモンズー公共性を超えて』(待鳥聡史と共編),白水社,2019年1月,240頁.
  • 「デモクラシーと君主制」水島治郎・君塚直隆編『現代世界の陛下たちーデモクラシーと王室・皇室』,ミネルヴァ書房,2018年9月,247-276頁.
  • 「コモンズ概念は使えるか−起源から現代的用法」待鳥聡史・宇野重規編『社会のなかのコモンズー公共性を超えて』白水社,2019年1月,19-42頁.
  • 「日本における成熟社会論の知的起源」,『年報政治学2019-II 成熟社会の民主政治』, 日本政治学会編, 2019年12月, 143-163頁
  • 「政治思想史における危機対応−古代ギリシアから現代へ」東大社研・玄田有史・飯田高編『危機対応の社会科学』上, 東京大学出版会, 2019年11月, 29-48頁
  • 「危機において政治にできること、なすべきこと−釜石の未来図とその責任」東大社研・中村尚史・玄田有史編『地域の危機・釜石の対応:多層化する構造』、東京大学出版会、2020年6月、41-56頁
  • 「コロナ危機、民主主義、そして世界的連帯」筑摩書房編『コロナ後の世界−いま、この地点から考える』筑摩書房、2020年9月、142-159頁
  • 『民主主義とは何か』講談社現代新書、2020年10月、277頁(第42回石橋湛山賞)
  • 「危機を克服するのはいかなる国家、いかなる社会か」『国際問題』、2021年1・2月合併号、No.698、14-22頁
  • 『自分で始めた人たち:社会を変える新しい民主主義』大和書房、2022年3月、277頁
  • 「政治哲学と「世俗化」論:マルセル・ゴーシェとチャールズ・テイラー」『思想』、2022年1月、1137号、84-100頁
  • 『日本の保守とリベラル:思考の座標軸を立て直す』、中央公論社、2023年1月、288頁
  • 『近代日本の「知」を考える。:西と東との往来』、ミネルヴァ書房、2023年1月、256頁
  • 「南原政治哲学における学問的射程とその意義」南原繁研究会編『南原繁における学問と政治』、2022年6月、横濱大氣堂、pp.3-32
  • 『実験の民主主義−トクヴィルの思想からデジタル,ファンダムへ』中公新書,2023年10月,320頁.
  • 宇野重規・加藤晋編『政治哲学者は何を考えているのか?−メソドロジーをめぐる対話』勁草書房,2024年2月,260頁.
  • 宇野重規監修『選挙,誰に入れる?−ちょっとでも良い未来を「選ぶ」ために知っておきたいこと』,GAKKEN,2024年2月,192頁.
  • 石井洋二郎編・宇野重規・重田園江・國分功一郎『リベラルアーツと民主主義』水声社,2024年2月,282頁.
  • 宇野重規・伊達聖伸・高山裕二編『フランス知と戦後日本−対比思想史の試み』白水社,2024年3月,280頁.
  • 「戦後憲法学における「フランス的契機」——樋口陽一の研究を中心に」,宇野重規・伊達聖伸・高山裕二編『フランス知と戦後日本−対比思想史の試み』白水社,2024年3月,pp.27-51頁

教育活動

東京大学大学院 法学政治学研究科 「政治学史文献講読 Hanah Arendt, The Human Condition」
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