スタッフ
スタッフ
永吉希久子 (NAGAYOSHI Kikuko)
所属部門 | 比較現代社会部門 准教授 |
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専門分野 | 比較現代社会、社会意識研究、民族関係研究 |
nagayoshi[at]iss.u-tokyo.ac.jp
[at]を@に置き換えてください。 |
経歴
2020年4月 - | 東京大学社会科学研究所准教授 |
2022年4月 - | 在外研究(アメリカ、スタンフォード大学貧困と不平等センター、費用は科学研究費補助金(国際共同研究A)) |
研究テーマ
- 1移民に対する態度の規定要因の検証
Public opinions about immigrants - 多くの移民受け入れ国において,移民に対する否定的な態度の広がりが指摘されている.本研究では,なぜそのような広がりが生じたのか,諸外国および日本の社会調査データ・実験調査データの分析を通じ,特に制度や規範などのマクロ要因の影響に着目した分析を行っている.本研究は科学研究費補助金基盤C「偏見の顕在化にもとづく排外意識高揚メカニズムの検証」(課題番号20K02059)の一環として行われる.
- 2日本における移民の社会統合に関する研究
Integration of immigrants in Japan - 移民は日本社会に社会経済的・社会的・心理的に統合されているのか,統合に障壁があるとすればそれはどのようなものなのかについて,社会調査データを用いた検証を行っている.特に,日本の労働市場の構造や雇用慣行,移民が日本に移住するルート,移民自身のもつ資源とのかかわりの中で,移民の社会経済的地位をどのように決定しているのか,また,そうして決定された社会経済的地位や,日本における民族間のヒエラルキーが日本人と移民の社会関係に影響を与えているのか,という点に関心をもって検証している.
- 3オンライン上での世論形成に関する研究
Public opinion formations in the cyber space - オンライン上では政治的分極化が生じることが繰り返し指摘されているが,そうした分極化が日本においても生じているのか,なぜ分極化が生じるのかについて,SNSデータなどを用いて分析を行っている.
- 4社会保障制度に関する態度の規定要因の検証
Public opinions about welfare policies - 国家が市民の生活を保障する仕組みは,生活保護などの公的扶助制度にとどまらず,雇用創出・維持を通じたものや,社会保険制度を通じたものなど様々にありうる.このような制度の支持が個人の社会経済的地位や家族状況の変化にどのような影響を受けるのか,JLPSパネルデータなどを使用しつつ,検証している.
- 5実験的手法を導入した社会調査手法の検討
Research on methods of survey experiments
主要業績
- "Intersections of gender and immigrant status in Japan: Analysis of the 2020 Basic Survey on Wage Structure" Research in Social Stratification and Mobility, 89 (https://doi.org/10.1016/j.rssm.2023.100886)
- What Does Intermarriage Say about Immigrant Integration in Japan? The Maintenance of a National and Gender Hierarchy through Marriage Norms. (Co-authored with Sayaka Osanami Törngren and Hirohisa Takenoshita) Journal of Immigrant & Refugee Studies 21 (2), March 2023, pp. 171-188. (https://doi.org/10.1080/15562948.2022.2109091)
- Economic Achievement of Immigrants in Japan: Examining the Role of Country-of-Origin and Host-Country-Specific Human Capital in an Inflexible Labor Market. (Co-authored with Kihara Tate) Japanese Journal of Sociology 32( 1): 69– 95, 2023. (https://doi.org/10.1111/ijjs.12149)
- 『日本の移民統合―全国調査から見る現況と障壁』明石書店,2021年6月8日.
- Norms to be prejudiced: List experiments on attitudes towards immigrants in Japan.(五十嵐彰と共著) Social Science Research 102,February 2022.(https://doi.org/10.1016/j.ssresearch.2021.102647)
- The Political Orientation of Japanese Online Right-wingers. Pacific Affairs Vol. 94, No.1, pp. 5-31, 2021.
- 「生活保護厳格化への支持の規定要因――不正受給認識に着目したマルチレベル構造方程式モデリング」(伊藤理史との共著)『福祉社会学研究』17,2020年5月.
- 『移民と日本社会』中公新書,2020年3月.(第37回大平正芳記念賞)
- 「福祉国家に対する支持の変容――雇用・家族リスクの拡大は何をもたらすか」石田浩・有田伸・藤原翔編『人生の歩みを追跡する――東大社研パネルでみる現代日本社会』勁草書房,2020年1月.
- Japanese Attitudes Toward China and the United States: A Sociological Analysis. (Co-authored with Shun Gong) Chinese Sociological Review 51 (3): 251-270, July 2019.
- 「日本における外国籍者の階層的地位――外国籍者を対象とした全国調査をもとにして」是川夕編『移民・ディアスポラ研究8 人口問題と移民――日本の人口・階層構造はどう変わるのか』明石書店,2019年6月.
- 「ネット右翼とは誰か」樋口直人・永吉希久子・松谷満・倉橋耕平・ファビアン・シェーファー・山口智美『ネット右翼とは何か』青弓社, 2019年5月.
- Economic Integration of Skilled Migrants in Japan: The Role of Employment Practice. (Co-authored with Hilary Holbrow) International Migration Review 52 (2): 458-86, August 2018.