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スタッフ

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石田賢示 (ISHIDA Kenji)

所属部門 附属社会調査・データアーカイブ研究センター (社会調査研究分野)  准教授
専門分野 社会階層論、経済社会学
e-mail ishidak[at]iss.u-tokyo.ac.jp
[at]を@に置き換えてください。

経歴

2014年4月 -
2016年3月
東京大学社会科学研究所助教
2016年4月 - 東京大学社会科学研究所准教授
2022年3月 -
2022年5月
プリンストン大学 Office of Population Research 客員研究員(東大・プリンストン戦略的パートナーシップ事業)
2023年1月 -
2023年5月
ペンシルベニア大学 東アジア研究センター 客員准教授(Fulbright Scholar-in-Residence Program)

研究テーマ

1現代日本社会におけるキャリア移動と職業生活
Career mobility and working life in the contemporary Japanese society
 雇用形態をはじめとする人々の働き方の変化とともに,就業環境や人々のキャリアに関する考え方の変化も生じている.この研究テーマでは,こんにちの日本社会で,人々がどのようなキャリア移動を経験し,上昇移動機会がどのような条件のもとで存在するのかを検討している.また,地位達成の機会だけでなく,実際の職場環境やキャリア展望も,人々の職業生活の質を構成する重要な要因である.各種の社会調査データを用い,これらの課題に取り組んでゆく.
2日本の移民の地位達成
Status attainment of immigrants in Japan
 日本で生活する移民の人口規模は増加傾向にあり,彼らの処遇に対する社会的関心も高まっている.一方,これまでは彼らの教育達成,職業的地位達成の機会がどのようなものであったのか,また,日本国籍者とのあいだで格差が存在するのかについて,十分な実証研究が蓄積されてこなかった.この研究プロジェクトでは,PISAやTIMSSなどの学力調査データ,あるいは日本政府が実施した調査のミクロデータの二次分析を通じ,日本の移民の地位達成の構造を明らかにすることを目的としている.
3日本社会における生活時間構造
Time use structure in contemporary Japan
 社会・経済人口学的状況に加え,人々の日常生活を取り巻く技術的環境が変化するなかで,日々の時間の使い方(time use)や生活時間に対する意識も変化している.この研究テーマでは,各種のミクロデータの分析を通じて人々の生活時間がより加速している(忙しいものになっている)のか,あるいは生活時間状況を取り巻く社会経済的格差の問題に取り組んでいる.また,生活時間測定方法の研究もおこなっている.

主要業績

  • 「若年労働市場における社会ネットワークと制度的連結の影響——社会ネットワークによるスクリーニング機能」『社会学年報』(40),2011年7月, pp.63-73.(2012年度SSJデータアーカイブ優秀論文表彰)
  • 「正規雇用への移動に対する職場外での能力開発の効果」『社会学研究』(91), 2012年10月, pp.215-238.
  • “Negative Assimilation: How Immigrants Experience Economic Mobility in Japan,” (with Ayumi Takenaka and Makiko Nakamuro) ESRI Discussion Paper Series, No.293, December 2012.
  • 「世代内キャリア移動研究の動向——構造的アプローチによる知見の整理——」『東北大学大学院教育学研究科研究年報』第61集第2号,2013年6月,pp.1-22.
  • 「若年者の転職と社会ネットワーク——社会ネットワークの効果に関する基礎的分析——」東京大学社会科学研究所・社研パネル調査プロジェクト ディスカッションペーパーシリーズ,No.70,2013年9月, 15p.
  • “The long-term internationalization of higher education in Japan: A survey of non-Japanese faculty members in Japanese universities,” (with Akiyoshi Yonezawa and Hugo Horta) Ka Ho Mok and Kar Ming Yu (ed), Internationalization of Higher Education in East Asia: Trends of student mobility and impact on education governance, Routledge, 2014, pp.179-191.
  • 「若年層の転職意識の構造と変動——「就業構造基本調査」匿名データを用いた実証分析」『家庭環境から見た若年者の就業とライフスタイルに関する二次分析——公的統計の匿名データと社会調査の個票データを利用して——』2013年度 参加者公募型二次分析研究会 研究成果報告書, 2014年3月, pp.56-78.
  • 「学校から職業への移行における「制度的連結」効果の再検討 : 初職離職リスクに関する趨勢分析」『教育社会学研究』94, 2014年5月,325-344頁.
  • “The Academic Achievement of Immigrant Children in Japan: An Empirical Analysis of the Assimilation Hypothesis,” (with Makiko Nakamuro and Ayumi Takenaka) Educational Studies in Japan: International Yearbook, No.10, Marth 2016, 93-107.
  • “Negative Assimilation: How Immigrants Experience Economic Mobility in Japan”, (with Ayumi Takenaka, Makiko Nakamuro), International Migration Review, First published online on 9 Feb, 2015.
  • 「日本の初期キャリア移動の構造に関するログリニア分析―JLPS・SSM職歴データによる検討―」東京大学社会科学研究所・社研パネル調査プロジェクトディスカッションペーパーシリーズ,No.84,2014年12月, 23頁.
  • 「生活時間から見た「ゆとり」の社会階層間格差」(佐藤香と共著)『統計』 67(8), 14-19頁, 2016年8月.
  • 「社会的孤立と無業の悪循環」石田浩編『格差の連鎖と若者1 教育とキャリア』勁草書房, 2017年3月, 194-216頁.
  • (林雄亮と共著)『基礎から学ぶ社会調査と計量分析』北樹出版,2017年4月,126頁.
  • (伊藤伸介,藤原翔,三輪哲との共著)「社会データ分析の新時代――公的統計データの社会学研究への利活用」『理論と方法』,32(2),2018年3月,321-326頁.
  • 「孤立と信頼――平時と災害時の関連性」東大社研・玄田有史・有田伸(編)『危機対応学――明日の災害に備えるために』勁草書房、174-203頁、2018年9月.
  • 「「働き方とライフスタイルの変化に関する全国調査(JLPS)2017」から見えてくる若年・壮年者の働き方、生活時間、世代間支援の実態(後編)」『中央調査報』733、1-12頁、2018年12月(石田浩・藤原翔・白川俊之・石田賢示)
  • 「余暇時間の構造とその階層差――平成23年社会生活基本調査を用いた実証分析」『社会科学研究』第70巻第1号、73-95頁、2019年3月.
  • 「日本における移民の地位達成構造――第一・第二世代移民と日本国籍者との比較分析」駒井洋監修・是川夕編『人口問題と移民――日本の人口・階層構造はどう変わるのか』明石書店, pp.92-113, 2019年6月
  • 「働き方とライフスタイルの変化に関する全国調査(JLPS)2018」からわかる若年・壮年者の暮らし向き、介護、社会ネットワークの実態(後編)」(石田浩・大久保将貴と共著)『中央調査報』No.744, pp.1-13, 2019年10月
  • 「移民受け入れへの態度をめぐるジレンマ――個人のライフコースに着目して」東大社研・玄田有史・飯田高編『危機対応の社会科学 上――想定外を超えて』東京大学出版会, pp.313-338, 2019年11月
  • “Structural and Institutional Aspects Surrounding Japanese Self-Initiated Expatriates'Career Opportunities in East and Southeast Asian Societies,” (with Shin Arita, Keiko Genji, Mei Kagawa), Economic and Social Changes: Facts, Trends, Forecast, 12(5), pp.175 - 191, 2019年11月
  • 「社会的孤立を生み出す2段階の格差――友人関係の獲得と喪失の過程に着目して」石田浩・有田伸・藤原翔編『人生の歩みを追跡する――東大社研パネル調査でみる現代日本社会』勁草書房, pp.129-148, 2020年1月
  • 「パネル調査から見る初職への移行、職業キャリア、介護問題:「働き方とライフスタイルの変化に関する全国調査2019」の結果から」(石田浩・大久保将貴と共著)東京大学社会科学研究所 パネル調査プロジェクト・ディスカッションペーパーシリーズ,No.121,2020年4月,21頁
  • 書評:「荒牧草平[著]『教育格差のかくれた背景:親のパーソナルネットワークと学歴志向』 」『教育社会学研究』106,2020年5月,189-191頁
  • 「日本で暮らす定住外国籍者の教育達成に関する基礎的分析」永吉希久子編『「くらしと仕事に関する外国籍市民調査」報告書』多文化社会における社会階層研究会,2020年6月,52-69頁
  • 「社会科学におけるインターネット調査の可能性と課題 」(三輪哲・下瀬川陽と共著)『社会学評論』71(1),2020年6月,29-49頁
  • 「日本企業は従業員のキャリアをどのようにみているかーー海外日系企業における現地採用日本人の働き方に着目して 」『学術の動向』26(6),2020年6月,74-76頁
  • 石田賢示「日本における高校在学継続の国籍グループ間格差――2010年国勢調査の個票データを用いた実証研究」『理論と方法』第35巻・第2号,pp.214-227,2020年9月.
  • “Social distancing as a public good under the COVID-19 pandemic,” (with Susumu Cato,Takashi Iida,Asei Ito,Kenneth Mori McElwain,Masahiro Shoji), Public Health 188, November 2020, 51-53
  • “The bright and dark sides of social media usage during the COVID-19 pandemic: Survey evidence from Japan,” (with Susumu Cato, Takashi Iida, Asei Ito, Hiroto Katsumata, Kenneth Mori McElwain, Masahiro Shoji), International Journal of Disaster Risk Reduction 54, February 2021, 102034
  • 「コロナ禍にみる人々の生活と意識:「働き方とライフスタイルの変化に関する全国調査2020ウェブ特別調査」の結果から」(石田浩・大久保将貴と共著)東京大学社会科学研究所 パネル調査プロジェクト・ディスカッションペーパーシリーズ,No.128,2021年2月,27頁
  • 「誰がどのような教育を受けてきたのか」永吉希久子編『日本の移民統合――全国調査から見る現況と障壁』明石書店,pp.41-62,2021年6月.
  • (キョウ順と共著)「社会的活動からみた社会統合」永吉希久子編『日本の移民統合--全国調査から見る現況と障壁』明石書店,pp.140-160,2021年6月.
  • 「初期キャリアの格差は縮小してゆくのか――「間断のある移行」の影響に着目して」白波瀬佐和子監修,渡邊勉・吉川徹・佐藤嘉倫編『少子高齢社会の階層構造2 人生中期の階層構造』東京大学出版会,pp.127-141,2021年11月.
  • (加藤晋・伊藤亜聖・飯田高と共著)『デジタル化時代の「人間の条件」――ディストピアをいかに回避するか?』筑摩選書,256頁,2021年11月.
  • 「生活時間のなかの労働時間――「第40回勤労者短観」データにみる労働時間と生活時間状況の関連―」連合総合生活開発研究所編『生活時間の確保(生活主権)を基軸にした労働時間法制改革の模索――今後の労働時間法制のあり方を考える調査研究委員会報告書』,pp.25-47,2022年3月.
  • 「移民的背景を持つ青年にとっての近隣と教育機会――2010年国勢調査の個票データによる高等学校在学に着目して」竹ノ下弘久編『階級,ジェンダー,エスニシティの相互作用と不平等の実証研究』2022年3月,pp.181-193.
  • 「社会の加速と生活時間――学歴による異質性に着目した検討」『統計』72巻・8号,pp.10-15, 2021年8月.
  • “Prosociality and the Uptake of COVID-19 Contact Tracing Apps: Survey Analysis of Intergenerational Differences in Japan,” (with Masahiro Shoji, Asei Ito, Susumu Cato, Takashi Iida, Hiroto Katsumata, and Kenneth Mori McElwain) JMIR mHealth and uHealth,9(8),August 2021,e29923.
  • “The Dynamics of Immigration and Anti-Immigrant Sentiment in Japan: How and Why Changes in Immigrant Share Affect Attitudes toward Immigration in a Newly Diversifying Society,” (with James Laurence, and Akira Igarashi) Social Forces,October 2021,soab115.
  • (飯田高, 伊藤亜聖, 勝又裕斗, 加藤晋, 庄司匡宏, ケネス・盛・マッケルウェインと共著)「新型コロナウイルス感染症に関する壮年パネル調査 ―概要と記述統計分析―」『社会科学研究』72巻・2号,pp.95-125,2022年3月.
  • (石田浩・大久保将貴・俣野美咲と共著)「「働き方とライフスタイルの変化に関する全国調査(JLPS)2020」と「2020ウェブ特別調査」からわかるコロナ禍の生活・意識と離家(前編) 」『中央調査報』768号,pp.6721-6735, 2021年10月.
  • 「社会生活基本調査」『日本労働研究雑誌』741号,pp.26-29, 2022年3月.
  • (石田浩・大久保将貴・俣野美咲と共著)「「働き方とライフスタイルの変化に関する全国調査2021」分析結果報告:パネル調査からみる健康、意識、雇用、介護」東大社研パネル調査・ディスカッションペーパーシリーズ,No.151,pp.1-35,2022年3月.
  • "Contextual Obstacles to Entrepreneurship in Japan from the Perspective of the Overseas Japanese Self-Employed," (with Shin Arita), electronic journal of contemporary japanese studies, 22 (1), April 2022.
  • (石田浩・俣野美咲と共著)「東大社研パネル調査の知見からみる社会経済的不利の背景とその影響」『貧困研究』29, pp.46-55, 2022年11月
  • 「コロナ禍のパネル調査経験」『社会と調査』30, pp.28-35, 2023年3月
  • "Co-ethnic Neighborhood Quality and the Educational Opportunities: Upper Secondary Education Enrolment in Japan," (with James Laurence), CSRDA Discussion Paper Series, 27, July 2022, 29p.

教育活動

東京大学 教育学研究科 「計量教育社会学」論文指導
「格差・不平等研究のための社会的埋め込み論」
東京大学 教養学部前期課程 「計量社会科学」
早稲田大学大学院 文学研究科 「調査企画・設計特論」
立教大学大学院 社会学研究科 「現代社会変動論」
School of Arts and Sciences, University of Pennsylvania "Current Issues in Contemporary Japan"
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