東京大学社会科学研究所

東京大学

MENU

案内

社研卒業生の現在(いま)

保坂 美和子 さん

現在、お姑さんの介護のかたわら、趣味のピアノなど、充実した毎日をお過ごしの保坂美和子さんに社研在籍当時や最近のご様子についてお話を伺いました。

保坂美和子さん
プロフィール

保坂 美和子(ほさか みわこ)

元・社研図書室勤務

社研在職期間:1991年4月-1996年9月

資料雑誌掛長(1991.04-1993.03)
図書掛長(1993.04-1996.09)

1991年4月から1996年の9月末日まで、社研図書室に勤務させていただきました。

 大学卒業後赴任したのは総合図書館でそちらに20年間勤務し、初めて異動したのが社研図書室でした。社研図書室は誰もが良い職場と教えてくれましたし、また、スキーなどでご一緒させていただいた西田美昭先生(ご逝去のお知らせに、とても驚き悲しく思いました)が図書委員長でしたので、心強く感じたものです。

 図書委員会は教官と図書職員によって構成されていましたが、会議ではいつも、立場の違いを超えて率直に意見を述べられる雰囲気がありました。また、選書については図書委員の先生ご自身の分野だけでなく、広い視点で社研の図書室に有益な方針を示してくださいました。一度、外国書籍の値段を調べることがあり、法研や経済との重複本についてチェックしたことがありました。すると、同名同本であるにもかかわらず、社研の方が安く購入していることが判明しました。その理由は単純なものでした。法学部・経済学部ではハードカヴァーの図書を、社研はペーパーバックのものを買っていたからです。そのようにして1冊でも多く蔵書を増やしていったのでした。パンフ類などもバインダーの手当てをした上で登録し、他にはないような資料を書庫に収めておりました。

 学内全ての図書館・室は業務の電算化が進行し、整理目録業務ばかりでなく、資料自体が電子化されたものを収集するようになっていった時代です。今思えば過渡期のシステムでしたが、CD-ROMに蓄積したデータベースを検索し、チェンジャーに乗せて当該テキストを表示する、というソフトを購入したりしました。また一方では、労働組合の在り方が変化した時期で、資料雑誌掛として収集してきた機関誌が途切れたり、雑誌・新聞の購入等にも予算の制限があり、議論になったと記憶しています。

 ちょうど昨年の3月に山崎広明先生がこのページに登場しておられますが、私の在職期間と重なり、いろいろお世話になったことを思い出しました。図書職員の定数配分等の事で、協議員の先生とご一緒にわざわざ図書室においでくださって、ご説明いただいたことがありました。大学全体の改革、センターなどの設置で所長としてご苦労なさっていらっしゃったのだと推察いたします。多くを経験したわけではありませんが、社研ほど教官の方々のお人柄が尊敬できる部局を私は知りません。

 さて私事ですが、少し早目の退職をしましてから、姑の介護を第一の仕事にして過ごしております。もう10年目になりますが、当初の頃より認知症が進行し要介護4となりました。私自身は健康だけが取り柄で頑張ってきましたが、人並みにやや故障も出てきました。それでも、デイサービス、ショートステイなどの介護サービスの恩恵に浴し、趣味も続けております。そのひとつがピアノ。少しも上達しませんが、毎日の練習は楽しみな時間です。秋に開催される大人の発表会をめざして、今年はスカルラッティのソナタを弾こうと決めたところです。

学内外の利用者にとても評判のよい社研図書室は、今も昔も多くの関係者の皆様の努力の賜物なんですね。長期にわたる介護生活、どうぞご自身の健康にも十分ご注意ください。今日はありがとうございました。

(2014年3月17日掲載)

最近、嬉しかったことは何ですか?

1月24日に恩師の著作目録を刊行しました。つい先日、満88歳(米寿)を迎えられた恩師がとても喜んでくださって、そのことが何よりも嬉しかったです。自分はやはり図書館員の仕事が好きなのだと気付き、そのことも嬉しかったです。

写真:「久保忠夫先生著作目録 保坂美和子編」表紙

TOP