案内
社研卒業生の現在(いま)
村上 あかね さん
現在、桃山学院大学社会学部でご活躍の村上あかねさんに、社研在籍当時や最近のご様子についてお話を伺いました。
プロフィール
村上 あかね(むらかみ あかね)
桃山学院大学社会学部(准教授)
専門分野:家族社会学、社会調査論
社研在職期間:2008年4月~2010年3月
准教授
社研に在籍していた2年間は、短くも充実した日々でした。ついこの間まで出勤していたようですが、卒業して2年半になるとは、本当に月日の経つのは早いものです。
当時はおもに社研パネル調査(働き方とライフスタイルの変化に関する全国調査)とSSJデータアーカイブのプロジェクトに携わっていました。前の職場でも似たような経験がありましたが、社研ではこれまでの仕事を振り返り、さらに発展させる機会を与えていただいたように思います。社研パネル調査では、理論上・方法論上の新しい議論に触れると同時に、パネル調査がなぜ重要なのかをしばしば立ち止まって考えたりもしました。アーカイブのお仕事では、1950年代の調査から2000年代の調査に接する機会に恵まれ、歴史の重みを感じました。5インチのフロッピーディスクを見つけて、さあどうしようと思ったこともあったような……。寄託者の方々のデータへの熱い思いも印象的でした。
充実した環境のなかで、先生、スタッフ、院生のみなさんたちと研究上の議論・相談だけではなく、おやつを片手になにげないおしゃべりをすることもまた楽しみの一つでした。学内の新緑のみずみずしさ、三四郎池をわたる風、夏の木洩れ日や秋の銀杏、冬のイルミネーションの美しさも懐かしいです。社研の周りにいたネコは元気でしょうか。
社研には数多くの研究会がありました。プロジェクトのほかにさまざまな研究会に参加することで、格差や雇用の問題を地域の特性、ジェンダー、歴史など、多面的かつ総合的に捉える視座を得たことは、私の現在のキャリアにとって重要な転機だったといえます。
桃山学院大学社会学部では、社会調査やジェンダー論の授業を担当しています。調査実習や卒業論文のためにSSJデータアーカイブのデータをお借りすることもあります。学部生が利用できるデータも増えてきました。充実したリストの中から学生の関心に合うデータを見つけられるだけではありません。逆に、リストを見ることから学生の想像力が拡がるきっかけにもなっているようで、教員としてはありがたいです。
授業や学務と並行して、パネル調査のデータを用いてこれまでの研究成果をまとめています。データと向きあいながら、データをどのように分析するか、ライフコースと社会のダイナミクスをいかに理解するか、試行錯誤の毎日です。
社研時代はけっして過ぎ去った遠い日々ではありません。各地にいらっしゃる社研卒業生の方々とミニ同窓会をすることもあります。社研で学んだことやご縁を大切に、日々を過ごしていきたいと思います。
これからもSSJデータアーカイブのデータが、先生はじめ多くの学生さん、研究者のお役に立ちますようにと願っております。今日はありがとうございました。
(2012年10月1日掲載)
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年に1回、大学時代の友達と旅行に行きます。今年は、それぞれの家族も含め11人で京都を満喫しました。
写真:京都・無鄰菴にて(2012年8月)