案内
社研卒業生の現在(いま)
石黒久仁子さん
現在、東京国際大学国際戦略研究所でご活躍の石黒久仁子さんに、社研在籍当時や最近のご様子についてお話を伺いました。
プロフィール
石黒 久仁子(いしぐろ くにこ)
東京国際大学国際戦略研究所(准教授)
専門分野:経営学、ジェンダー、社会学
社研在職期間:2009年10月~2012年3月
助教
社研の皆様こんにちは。わたくしは2009年10月から2012年3月まで社研の国際日本部門で、SSJJの編集アシスタント、SSJ-Newsletterのマネージング・エディター担当の助教として勤務していました。
社研での業務、研究活動、そして先生方、職員の皆さん、同僚の研究者の皆さんとそれら業務・研究活動を通じてご一緒することができたのは、現在の私の活動とキャリアを支えている、一番の土台であり財産であると思います。
私と社研との出会いは実際には2004年に遡り、出身大学の英国シェフィールド大学の博士課程在籍中に約1年半、客員研修員として研究活動の場をご提供頂いたことから始まりました。博士課程を始めた年に、当時シェフィールドに在外研究でいらしていた中村尚史先生から社研の客員研修員の制度についてお伺いし、幸運にも2004年から日本での充実したフィールド・リサーチを行うことができました。私の専門分野であるジェンダーとマネジメントの分野において、イギリスからご著者や論文でいつも勉強させていただいている先生方が働いていらっしゃる研究所で、実際にお顔を拝見し、セミナーでお話しをさせて頂く機会を頂き、とても嬉しく、興奮したことを覚えています。
シェフィールド大学を修了後再び機会を頂き、2009年から社研に助教としての勤務を始めてから、わたくしの研究とキャリア形成は大きく発展していると思います。SSJJのアシスタント業務を通じて、社会的に意義のある論文とはどのようなもので、著者の先生だけでなくどれだけ多くの方たちが1本の論文の出版に真剣に携わっていらっしゃるかということを真近で拝見することができました。またSSJ-Newsletterの業務では、国内外の沢山の研究者の先生方の最新のご研究についていち早く拝読して出版するプロセスに携わることができ、自分自身の専門分野だけでなく多くの知識や視点を身に着けることができました。業務を通じて石田先生、Noble先生、平島先生、中川先生をはじめとしてたくさんの先生方とお話しをさせて頂く機会を得、年齢はかなり上なものの研究者としては全く若手の学生の立場から、自立した研究者・大学教員になるべく最初のトレーニングを受けることのできた貴重な期間でした。また、SSJJの編集では書評の担当をいたしましたが、様々な分野の最新の書籍の情報を得ることができ、英語で日本の状況を紹介する機会の多い現在の教育分野でも大変役立っています。
わたくしの社研在職中はGCOEプロジェクト(『グローバル時代の男女共同参画と多文化共生』)の拠点が社研にもあり、大沢先生はじめ多くの先生方、皆さんと接することができましたことも、わたくしの研究・キャリア形成にとってとても重要だったと思います。ジェンダーという問題を企業活動とキャリアという限られた側面でのみ見ていた私に、政策、福祉制度、人権、歴史など、様々な視点への理解を広めて頂きました。当時ご一緒させて頂いた先生方の多くは社研を卒業され、色々な大学、研究所に進まれましたが、その後もフォーマル/インフォーマルの研究会を通じて情報交換やお互いの研究について討議し合う、また共同研究も実施するなど、現在進行形で研究活動を続けています。
また、当時の所長の末廣先生は私達若手研究者の研究と将来をいつも心にかけてくださり、若手研究会でのアドバイス、就職活動への応援など、大変お世話になりました。同様に、財務の小川さんをはじめ、庶務、研究協力、図書室、所長室の皆さんにも、大学での業務の進み方、進め方について多くを勉強させていただきました。そのため、社研卒業後飛躍的に増加した大学での事務・委員会業務にもスムーズに対応することができたと思います。特にわたくしの在職中の2011年には東日本大震災があり、予想をはるかに超える緊急時にいかに組織を機能させていくかということを皆さんの行動・活動から学びました。
社研卒業後は2012年4月から東京大学のお隣の文京学院大学外国語学部に勤務し、本年度(2015年度)9月から東京国際大学国際戦略研究所に准教授として所属しております。社研での業務や先生方から受けた刺激を土台として、社会の課題を国際的な視点で理解し分析する研究に現在も邁進しています。また、社研で学んだことを、今度は自分が学部や大学院においてこれから社会に出る学生の方達に教育という形で還元していくことは、非常にチャレンジングであり、また大きな喜びでもあります。これからも社研で学んだことを基礎として、研究・教育の分野で是非有意義な活動を続けていけたらと思っています。
社研でのさまざまなご経験が現在の研究生活に大いに役立っているとのこと、何よりです。今後もますますのご活躍をお祈りしています。今日はありがとうございました。
(2016年3月30日掲載)
- 最近、嬉しかったことは何ですか?
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近年、学部時代(学習院大学)の硬式庭球部のOB会、出身高校(長野県上田高校)の関東同窓会での活動などに加わる機会が増えています。また、昨年夏には中学校(当時の長野県小県郡丸子中学校)卒業以来、初めて同級会に出席しとても楽しい時間を過ごしました。学校卒業以降、いつも前ばかり、そして東京へ、国際社会へ、と外側ばかりを見て生きてきたような気がしますが、同窓会やOB会での活動を通じて自分の原点に戻り、そのルーツと現在の自分とのつながりの重要性を再認識しています。
写真:2016年3月6日に開催された、上田高校関東同窓会女性同窓会で、素敵な大先輩、友人達と。
(石黒右端)