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社研卒業生の現在(いま)
横山由香里 さん
現在、日本福祉大学社会福祉学部でご活躍の横山由香里さんに、社研在籍当時や 最近のご様子についてお話を伺いました。
プロフィール
横山 由香里(よこやま ゆかり)
日本福祉大学社会福祉学部(准教授)
専門分野:健康社会学
社研在職期間:2008年4月1日~2010年3月31日
学術支援専門職員
社会科学研究所では、平成20年から2年間お世話になりました。 在職中は、社会調査・データアーカイブ研究センター(SSJDA)に所属し、企業や研究機関等から寄託されたデータを整理する仕事を担当させていただきました。
前々から、社研でお仕事をされていた先輩が「社研は学際的な機関で面白い!」と仰っていたので、データアーカイブでの学術支援専門職員のお話を頂戴した時は、とてもうれしかったです。また、指導教員の先生や先輩方が「きっと勉強になりますよ」「良かったね」と声をかけてくださったことを覚えています。社研では特に、村上あかね先生や三輪哲先生にお世話になりました。ご多忙にもかかわらず、いつも優しく、仕事も丁寧な先生方から学ぶことも多かったです。
当時、私は医学系研究科健康社会学教室の学生でした。大学院では患者さんやご家族の思いや健康状態、生活状況を定量的に示す研究に取り組んでおりましたので、データアーカイブで多様なデータに触れる経験を通じて、たくさんのことを勉強させていただきました。丁寧に設計された調査票や、様々な報告書を拝見し、良い調査に共通する点や、科学的な調査とは何かということを学ぶことができたように思います。
初めて就職した大学は岩手医科大学医学部衛生学公衆衛生学講座です。教育面でも研究面でも、社研でお世話になった経験が役に立ちました。社研のデータアーカイブでは、一部の寄託データについて、教育目的での利用が可能です。「公衆衛生学実習」を担当した際には、社研のデータをお借りして、雇用形態との健康状態の関連性を分析する、ということをしました。医学部の学生さんたちが、一生懸命取り組んでくれたことが印象に残っています。架空のデータを用いた解析実習ではなく、実社会で収集された社研データを使わせていただいたことで、学生と一緒に議論し、考える時間を過ごすことができました。新米教員の私の指導力はたどたどしかったと思いますが、学生さんと一緒に取り組んだ時間がとても楽しく、教員生活の原点になりました。
研究では、東日本大震災で被災した住民の方々の健康調査に関わる機会をいただいています。岩手医科大学では、東日本大震災で被災した地域の住民約1万人を対象に、健康診断と生活状況に関する調査を実施しています。様々なデータが飛び交う中で、どのような点に注意してデータを扱えばよいかに苦慮しました。正解には辿りつけませんでしたが社研での経験が大いに参考になりました。近年では、社会経済的な要因が健康にもたらす影響に一層注目が集まっています。社会科学的なデータと医学的なデータを活用した研究を今後も進めていきたいと考えています。
現在は、日本福祉大学で勤務しています。大学や大学院で、アーカイブのデータを利用させていただくこともあります。日本福祉大学では、1年生から4年生、それぞれの学年にゼミがあり、(驚くことに)計70~80人のゼミ生を担当しています。不慣れで戸惑うこともありますが、学生との交流はとても楽しく、元気をもらっています。学生には、データを読み解き、問題や解決策を考える力を育んでもらえたら…と思っています。
写真:左半分が3年生のゼミ生、右半分が4年生。前列左から6番目が横山です。
データアーカイブのご経験も、データそのものも大変お役に立っているとのこと、何よりです。それにしてもすごいゼミ生ですね!(全学年だと写真の3倍くらい?)今後のますますのご活躍をお祈りしています。
(2015年7月6日掲載)
- 最近、嬉しかったことは何ですか?
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新緑の美しい季節になりました。1年のうちで最も好きな季節です。
緑豊かなキャンパスなので、葉が芽吹いていく様子を日々感じることができます。
とても心地良く、構内を散策する機会が増えるのですが、その分、花粉症が悪化して大変です(笑)
写真:キャンパスにて(2015年6月1日)