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社研卒業生の現在(いま)

菊池 哲彦 さん

現在、尚絅学院大学総合人間科学部表現文化学科でご活躍されている菊池哲彦さんに、社研在籍当時や、最近のご様子についてお話を伺いました。

菊池哲彦さん
プロフィール

菊池 哲彦(きくち あきひろ)

尚絅学院大学総合人間科学部表現文化学科(准教授)

専門分野:社会学、都市研究、メディア研究

社研在職期間:2005年4月-2009年3月

研究支援推進員(2005.04-2008.03)

特任研究員(2008.04-2009.03)

 社研に在籍していたのは2005年4月から2009年3月までです。最初は研究支援推進員という立場で、広報委員会に所属し社研のウェブ・サイトのコンテンツ制作と管理・運営を担当していました。最後の一年間は特任研究員という立場でしたが、社研での部署・担当業務は基本的にはそれまでと同じです。


 私が着任してから社研のウェブ・サイトは大幅なリニューアルを実施していきました。面接の際、当時の小森田秋夫所長が「インターネットを活用した広報に力を入れていくつもりだからそのつもりで」と仰ったことを憶えています。当時は、情報技術に関して「ウェブ2.0」が話題になり始めた時期で、社研もネット広報を拡充しようとしていました。当時のウェブ・サイトによる広報活動は、石倉義博さんが基本的なフォーマットをつくって、私が所内から情報を集めてコンテンツにする作業を担当するかたちで行ってきました。今回、自分の話が社研ウェブ・サイトの「コンテンツになる」というのは、なんとなく気恥ずかしい気がしています。「コンテンツにする」のが仕事でしたので… 。

 ウェブ・サイトの制作と管理という研究所の研究活動支援が仕事でしたが、研究所の業務や所員の方々とのお話のなかから自分の研究に対するさまざまな刺激を受けました。なかでも、希望学のプロジェクトで先生がたが地域や地域のみなさんと関わっていく姿を近くで見ることができたことは、現在の勤務大学での地域との関わりのなかで非常に役立っています。特に、3.11の震災後は、勤務大学が大きな被害を受けた宮城県名取市に位置していることもあり、希望学から学んだことを意識することが多くなりました。震災後に発表したレベッカ・ソルニットの災害ユートピアについての論考も希望学のことを意識して執筆しました。

 研究以外の面でも社研からの影響を受けています。2011年7月に長女が生まれたのですが、2012年4月から4ヶ月間、育児休暇を取得しました。社研でワークライフバランスに接していたことや、私の在職当時に社研で育児休暇を取られた男性の先生がいらっしゃったことは取得の際の参考になりました。

 社研の所員の方々の仕事への取り組み方からも学ばせていただきました。たとえば、作業完了の連絡メールを送ると、必ず「ありがとうございました」とメールを送ってくださる先生が印象に残っています。コンテンツ制作は精神的に疲労する細かい作業ですので、お気遣いの返信にとても救われました。自分のことを振り返ると、組織で仕事をする場合にこうした配慮が重要だと頭では分かっているつもりですが、実際に実践するのはなかなか難しいものがあります。自分が受けたような配慮をできるだけ自分も実践したいと考え、できることから少しずつ実行しているつもりですが、忙しさを言い訳にしてまだ十分にできていないと感じています。自分の今後の課題です。

 真面目なことを書いてきましたが、正直にいうと、社研では業務外のコミュニケーションがもっとも印象に残っています!夏の暑気払い、年末年始の忘年会と新年会は、所員のみなさんとお話しする機会がありました。このような機会に、みなさんの多趣味ぶりを実感していました。SNSなどで現在も繋がっている所員の方もいらっしゃいます。「研究所」の堅い雰囲気とはひと味違うアットホームな雰囲気のおかげで、楽しい思い出がたくさんあります。

 社研での経験は、自分の研究にだけでなく「生き方」にも影響を与えているといっていいかもしれません(少し大げさなような気もしますが)。社研で学んだことや得たことを、これから(大学や研究の場だけでなく)社会のなかで活かしていきたいと考えています。

ウェブ・サイトの制作・管理・運営は本当に大変な仕事です。在職中のみならず、今回は「コンテンツ」としてまたお世話になりありがとうございました。ますますのご活躍をお祈りしています。

(2013年12月12日掲載)

最近、嬉しかったことは何ですか?
二歳の娘の語彙が日々増えていくことです。保育園の様子を話してもらうのが毎日楽しみです。
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