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社研卒業生の現在(いま)

相澤 真一さん

中京大学現代社会学部でご活躍の相澤真一さんに、社研在籍当時や最近のご様子についてお話を伺いました。

相澤真一さん
プロフィール

相澤真一(あいざわ しんいち)

中京大学現代社会学部(准教授)
専門分野:教育社会学・比較歴史社会学・社会調査

社研在籍期間

研究支援推進員(2007年4月-2008年3月)
日本学術振興会特別研究員(PD)(2010年4月-2012年3月)

 2006年の秋、私は、社研隣の教育学研究科でオーバードクターとして明日の見えぬ毎日を過ごしていました。当時、助手として社研に来ていた三輪哲さん(現社研教授)は「人生、いいことあるからあきらめずに頑張ろう」と、よく私を慰めてくれました。そんな折に、石田浩先生から、国際交流委員会の研究支援推進員としての勤務を中心としつつ、当時、社研が抱えていたパネル調査とJGSS(日本版総合的社会調査)のデータ作成作業を手伝う仕事があることを提案されました。

 配属されたのは、国際交流委員会で、SSJ-Forumの管理とContemporary Japan Group(国際日本研究会)の運営が主な業務でした。これまでこの業務に携わった方々の多くは海外での学位取得者で、国内で日本語でしか研究してこなかった私が英語で業務するようになったことは、毎日緊張の日々でした。隣にはSSJJのデスクがあり、電話が共通だったため、英語の電話も戸惑いながら受けていました。とはいえ、立ち止まっている訳にもいかないので、英語力のなさは、仕事の内容や対応の丁寧さでカバーしようという思いに至りました。語学力が当初足りなくても、丁寧に仕事をすることで道を切り拓くことを社研で覚えたことは、多くのことにつながりました。2011年に社研がオックスフォード大学ニッサン日本研究所と結んだ学術交流協定による研究者派遣の第一号として私がオックスフォードに研究滞在したこと、中京大学赴任後、国際比較研究で大型科研費を取り、今年度にはHigh School for All in East AsiaとしてRoutledge社から英語書籍を出版できたこと、中京大学で頂いた在外研究の機会では、社研とも学術交流のあるベルリン自由大学日本研究所にて研究滞在したこと(ベルリンでは丸川知雄先生とご一緒いたしました)、このすべての国際的な活動の萌芽がこの仕事のなかにありました。

School for All in East Asia

 また、SSJ-Forumの管理では、サーバの外部委託化を行ったのも私が在職中の頃でした。当時、SSJ-Formの管理者であった平島健司先生や直接の上司である石田浩先生のみならず、システム管理室や事務のスタッフの方々と綿密かつ丁寧な連絡を取り合い、研究サポート部門の足回りをしっかりさせることによって、学術研究が支えられていることを強く感じた一年でした。この機会を通じて、大学で働くことというのは、一にも二にも事務方、サポート部門の方々との良好な関係を築きながら働くことが大切なのだということを学びました。

 その後、成蹊大学アジア太平洋研究センター特別研究員としての2年間の勤務を経て、再び2010年より、日本学術振興会特別研究員として、石田浩先生が受け入れとなってくださり、社研に戻ってきました。当時同じく学振PDの研究員だった中澤俊輔さんと米山忠寛さんと一緒に本館2階に共同研究室を頂きました。日本政治史の方々の深い学識には大変多くのことを学ばせていただきました。この2年間のうち、特に2010年7月から2011年6月までの1年間は、フルコミットメントで社研の図書室に所蔵されている「労働調査資料」の復元を行いました。

 私は、それまで競争的資金の獲得には縁のない研究者生活を送っていましたが、在職中だった2007年秋のランチョンセミナーにて、社研に所蔵されている「労働調査資料」を仁田道夫先生(現東京大学名誉教授)が紹介してくださり、これを博士論文の後の研究対象に据え、東大社研にて、データの復元を行うという調書をしたためたところ、初めて自分で競争的資金を得ることができました。社研との出会いがなければ、私が競争的資金を獲得することもなかったかもしれないと思うと、社研で学んだことの大きさを改めて強く感じています。

子どもと貧困の戦後史

 この復元データを用いて、戦後日本社会の『子どもと貧困の戦後史』(青弓社 2016年4月)を上梓いたしまして、現在も「労働調査資料」の復元の研究を続けております。現在は、佐藤香先生の協力を得ながら二次分析研究会を続けており、特任研究員の太田昌志さんとともに、SSJデータアーカイブにて公開できるデータの作成を進めております。名古屋に移った2012年度以降も足繁く社研に足を運んでおり、数年前に年配の先生に未だにスタッフと間違えられたこともあります。2010年来、歴代の社研所長の先生方や図書室長の方々をはじめ、多くの方々にサポートしてもらいながら、現在も継続しております。まだまだ社研に顔を出す機会が頻繁にあることと思いますが、どうぞこれからもよろしくお願いいたします。





在外研究や英文出版など、国際的な活動の萌芽が社研での業務の中にあったとのこと、何よりのお言葉です。今後のますますのご活躍をお祈りしています。


(2018年6月13日掲載)

最近、嬉しかったことは何ですか?

2008年春の退職直前の社研の研究会で、社研パネル調査において、若年層の結婚が取り上げられた折に、「相澤君も婚活をしたほうがいい」と言われていじられていましたが、おかげさまで、本記事入稿直前の2018年5月4日に入籍いたしました。