案内
社研卒業生の現在(いま)
板倉 奈緒美 さん
現在、東京大学医科学研究所研究支援課でご活躍の板倉奈緒美さんに、社研在籍当時や最近のご様子についてお話を伺いました。
プロフィール
板倉 奈緒美 (いたくら なおみ)
東京大学医科学研究所研究支援課(課長)
社研在職期間:2000年10月⁻2006年6月
会計掛主任(2000.10⁻2004.3)
会計係主任(2004.4⁻2005.9)
主任(総務チーム)(2005.10⁻2006.6)
社研の皆様、こんにちは。私は、2000年10月16日から2006年6月30日までの5年8ヶ月半社研でお世話になりました。社研を卒業して10年目になります。
社研では、会計掛主任として用度・施設系の仕事をしていました(法人化後の方々には馴染みがないと思いますが、法人化前は「掛」という字を使っていました)。コピー機が詰まった、トイレの換気扇の調子がおかしい、廊下の蛍光灯が切れた、という細々とした対応や物品の発注、経費の執行業務が主な仕事でした。社研は先生方との距離が近く、自分の仕事が先生のお役に立っていると実感できることが、仕事をする上でとても励みになりました。とは言え、実は社研での約6年弱の日々は、私にとって苦しいものでもありました。
社研は、「自分は研究のプロだけど、事務は事務職員がプロ」と言ってくださる先生、事務に対して協力的な先生が多く、とても居心地のよい職場ではあったのですが、私は民間企業から転職し、公務員デビューが遅かったため、できれば短期間で異動をして色々な業務を覚えたいと思っていました。当時は本人がそのような希望を持っていても、子供が小さいからという理由でなかなか異動が叶いませんでした。男性と同じように仕事をしているつもりでも、見えない天井を自分で破ることはできず、どうしたらよいのかと悶々とした日々でした。法人化して会計が複式簿記に替わったこともあり、仕事と子育てをしながら簿記の資格も取ったら子供が小さいことを理由に異動させられないとは言えないだろうと、自分が男性と変わらずにやれることを何かで示すしか方法が見つかりませんでした。勉強時間は朝子供が起きる前の時間ですが、勉強をしていると隣に母親が寝ていないことに気が付いて息子(当時2歳)が起きてきてしまいます。そこで、「一緒にお勉強しようか。」と言って勉強している隣で鉛筆を握らせると、私のノートに芸術作品を描いたり、なかなか大変な日々でした。息子が中学1年生となった今は、その日々をとても懐かしく思います。2005年11月に無事に試験に合格し、これで何か本当に変わるのかと、更に悶々とした日々を過ごしていたところ、翌2006年7月に宇宙航空研究開発機構産学官連携部知的財産グループ主査として出向することになりました。やっと叶った異動でしたが、簿記の勉強をしたのに産学官連携部という未知の職場への異動でとても戸惑いました。しかし、事務長から、「東大の職員は文系出身の人が多い中で、理系出身で特許の知識もあるのでどうかという声が掛かった。」とお聞きし、少し自信を持つことができました。この異動は、大学職員の仕事の中で、一番私に向いているのではないかと思える仕事との出会いとなりました。
その後、東大の産学連携部産学連携グループ企画チームという東大と他機関との研究契約の法務チェックを主たる業務とする部署、同知的財産マネジメントチームという特許出願・管理等の支援業務を行う部署を経験し、研究推進部研究推進企画課でRU11(学術研究懇談会)・総長室総括委員会・学術推進支援室の運営業務等に携わり、本年4月に医科学研究所研究支援課課長を拝命しました。
男女共同参画の流れの中で、あの悩んでいた日々は何だったのだろうという位、最後はあっという間でした。後に続く女性に、「板倉さんが頑張っているから自分も頑張れるかもしれない。」と思ってもらえるよう、これからも精進していきたいと思っています。今まで仕事を続けることができたのも、諸先生方、一緒に仕事をさせていただいた職場の皆様、いつも見守ってくれた家族のおかげと思っています。また、子供が小さくて一番大変な時期を、社研という温かい環境の中で皆様と一緒にお仕事できたことに心から感謝しております。社研から巣立つときに、「また社研に戻ってきてくださいね。」と声を掛けていただき、とても幸せでした。
社研の皆様のご健康と今後のますますのご活躍を心からお祈り申し上げます。
いつも前向きでものすごくポジティブな板倉さん、大変お世話になりました。これからもますます実力が発揮できますように、ご活躍をお祈りしています。
(2015年9月4日掲載)
- 最近、嬉しかったことは何ですか?
-
4月に異動して通勤時間が長くなり、残業も多くなり、家庭との両立に悩み、「全く違う何か」を始めたくなって、サックス(アルトサックス)を習い始めました。娘がホルン、息子もバリトンサックスをやっているので、同じ趣味を持つことができて嬉しいです。一緒に演奏できる日を楽しみにしています。練習場所をどうするかが、目下の悩みです。